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拳銃の話
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今回のタイトルはちょっと物騒ですが、実のところ私は本物の拳銃を撃ったことはありません。それどころか、触れたことも見たこともありません。また、拳銃に関する知識は……非常に偏っております。拳銃そのものについて詳しく知りたい方は、別の人のエッセイをご覧下さい。
先日、夜食を食べながら内容もよく知らないアニメを観ていた時のことです。現代の日本が舞台となっているようなのですが、銀行に拳銃を持った男が押し入り、「金を出せ!」などと叫びながら発砲していました。さらに、その後は……よりによって小学生くらいの少女に拳銃を奪われ、挙げ句に撃ち殺されていたのです。私は、思わず味噌汁を吹きそうになりました。
はっきり申し上げると、どこから突っ込んでいいのか分からないくらい、突っ込み所満載のシーンでしたが……一番おかしいのは、現代の日本において拳銃を使い銀行強盗をしていた部分です。
まず知っておいていただきたいのは、今の日本で拳銃を手に入れるためには、様々なハードルがあるということです。
そこらの普通のサラリーマンが金を貯めて、ヤクザの事務所を訪れ「すみません、拳銃ください」などと言ったところで売ってはくれません。これは断言できます。
なぜかと言いますと、拳銃が絡む罪に対する罰は非常に重いから、なんですよ。仮に拳銃の所持で逮捕された場合、たとえ初犯であっても実刑をくらう可能性が非常に高いです。つまり拳銃が家にあったら、それだけで三年以上は刑務所に行くことになるわけです。
しかも、拳銃を売った側はさらに重い罰を受けることとなります。はっきり言いますが、一般人が警察の取り調べを受けたら……誰から拳銃を買ったかを、洗いざらい白状してしまうでしょう。つまり、バカな奴に拳銃を売ったら、確実に自分の首を絞めることになります。
ですので、ヤクザなどの裏社会の住人は、バカな奴には拳銃を売ったりしません。拳銃を売ってもらうには、彼らからの信用を得る必要があります。
では、どうすれば裏社会住人の信用を得られるでしょうか。やはり、バカなことをしでかさない人間、という評判というものは大切でしょうね。
逆にいうなら、バカな奴は確実に信用されません。ここでいうバカな奴、とは……銀行強盗をするような人間のことです。以前にも書きましたが、強盗は非常に重い罪です。ましてや都会での銀行強盗となると、その成功率は銀行の金利並みの低さでしょうね。
言うまでもなく、銀行は強盗に対する備えをきちんとしています。しかも、何かあれば警官がすぐに飛んできます。この時点で、成功率はゼロに近いでしょう。
仮に、その点を上手くクリアしたところで……都内には、至るところに防犯カメラがあります。逃げる途中、犯人の顔や体格などは確実に防犯カメラによって映像として残されます。捕まるのは時間の問題でしょうね。
しかも拳銃を用いた場合、その罰はさらに重くなりますし、捜査する側の気合いの入り方も変わってきます。恐らく、ですが……拳銃強盗の場合、未遂でも十年以上の刑にはなるでしょう。
ましてや威嚇のつもりで一発撃ち、それが人の命を奪ったなら……ほぼ確実に死刑でしょうね。強盗殺人は無期懲役もしくは死刑ですが、銀行強盗でしかも拳銃使用の殺人ともなれば、まあ死刑は免れないでしょう。
要は、拳銃を用いた銀行強盗はハイリスクな上にローリターン、いやノーリターンということです。
肝心なのは、この先です。私のような人間ですら知っているような事実を、裏の世界に片足突っ込んでいるような人種が知らないはずがありません。
つまり、現代日本で拳銃を手に入れられるような人間は強盗などしません。ましてや、成功の確率がそれこそ金利並みに低い銀行強盗など、するバカはいないでしょう。
ですので……冒頭のアニメのシーンは、本当にあり得ないものなんですよ。拳銃を持った男が銀行に押し入り、強盗をした挙げ句に小学生くらいの女の子に拳銃を奪われ撃ち殺される……どういった系統の作品かは知りませんが、私の目にはギャグにしか見えませんでした。
もっとも、これはあくまでも私個人の感想です。作品を書く上では、そこまでリアルにこだわる必要はないかもしれませんが……ただ私は、現代の日本を舞台にした作品で拳銃を持った銀行強盗が登場したら「おいおい」と思いますね。
ちなみに、一九七九年に起きた三菱銀行人質事件では……犯人は猟銃を手に強盗目的で銀行に押し入りましたが、上手くいかず人質をとり銀行に立てこもりました。挙げ句、警官に射殺されております。
とある作家がこの事件に対し「シャブぼけの犯行かと思った」と言っておりました。シャブぼけ、つまりは覚醒剤のやり過ぎにより精神に異常をきたしてしまった人間のことですが……要するに、銃を持った銀行強盗などマトモな損得勘定の出来る人間のとる行動ではない、ということでしょう。
逆に言えば、シャブぼけならば拳銃を手に銀行強盗をする可能性もあるということですが。
先日、夜食を食べながら内容もよく知らないアニメを観ていた時のことです。現代の日本が舞台となっているようなのですが、銀行に拳銃を持った男が押し入り、「金を出せ!」などと叫びながら発砲していました。さらに、その後は……よりによって小学生くらいの少女に拳銃を奪われ、挙げ句に撃ち殺されていたのです。私は、思わず味噌汁を吹きそうになりました。
はっきり申し上げると、どこから突っ込んでいいのか分からないくらい、突っ込み所満載のシーンでしたが……一番おかしいのは、現代の日本において拳銃を使い銀行強盗をしていた部分です。
まず知っておいていただきたいのは、今の日本で拳銃を手に入れるためには、様々なハードルがあるということです。
そこらの普通のサラリーマンが金を貯めて、ヤクザの事務所を訪れ「すみません、拳銃ください」などと言ったところで売ってはくれません。これは断言できます。
なぜかと言いますと、拳銃が絡む罪に対する罰は非常に重いから、なんですよ。仮に拳銃の所持で逮捕された場合、たとえ初犯であっても実刑をくらう可能性が非常に高いです。つまり拳銃が家にあったら、それだけで三年以上は刑務所に行くことになるわけです。
しかも、拳銃を売った側はさらに重い罰を受けることとなります。はっきり言いますが、一般人が警察の取り調べを受けたら……誰から拳銃を買ったかを、洗いざらい白状してしまうでしょう。つまり、バカな奴に拳銃を売ったら、確実に自分の首を絞めることになります。
ですので、ヤクザなどの裏社会の住人は、バカな奴には拳銃を売ったりしません。拳銃を売ってもらうには、彼らからの信用を得る必要があります。
では、どうすれば裏社会住人の信用を得られるでしょうか。やはり、バカなことをしでかさない人間、という評判というものは大切でしょうね。
逆にいうなら、バカな奴は確実に信用されません。ここでいうバカな奴、とは……銀行強盗をするような人間のことです。以前にも書きましたが、強盗は非常に重い罪です。ましてや都会での銀行強盗となると、その成功率は銀行の金利並みの低さでしょうね。
言うまでもなく、銀行は強盗に対する備えをきちんとしています。しかも、何かあれば警官がすぐに飛んできます。この時点で、成功率はゼロに近いでしょう。
仮に、その点を上手くクリアしたところで……都内には、至るところに防犯カメラがあります。逃げる途中、犯人の顔や体格などは確実に防犯カメラによって映像として残されます。捕まるのは時間の問題でしょうね。
しかも拳銃を用いた場合、その罰はさらに重くなりますし、捜査する側の気合いの入り方も変わってきます。恐らく、ですが……拳銃強盗の場合、未遂でも十年以上の刑にはなるでしょう。
ましてや威嚇のつもりで一発撃ち、それが人の命を奪ったなら……ほぼ確実に死刑でしょうね。強盗殺人は無期懲役もしくは死刑ですが、銀行強盗でしかも拳銃使用の殺人ともなれば、まあ死刑は免れないでしょう。
要は、拳銃を用いた銀行強盗はハイリスクな上にローリターン、いやノーリターンということです。
肝心なのは、この先です。私のような人間ですら知っているような事実を、裏の世界に片足突っ込んでいるような人種が知らないはずがありません。
つまり、現代日本で拳銃を手に入れられるような人間は強盗などしません。ましてや、成功の確率がそれこそ金利並みに低い銀行強盗など、するバカはいないでしょう。
ですので……冒頭のアニメのシーンは、本当にあり得ないものなんですよ。拳銃を持った男が銀行に押し入り、強盗をした挙げ句に小学生くらいの女の子に拳銃を奪われ撃ち殺される……どういった系統の作品かは知りませんが、私の目にはギャグにしか見えませんでした。
もっとも、これはあくまでも私個人の感想です。作品を書く上では、そこまでリアルにこだわる必要はないかもしれませんが……ただ私は、現代の日本を舞台にした作品で拳銃を持った銀行強盗が登場したら「おいおい」と思いますね。
ちなみに、一九七九年に起きた三菱銀行人質事件では……犯人は猟銃を手に強盗目的で銀行に押し入りましたが、上手くいかず人質をとり銀行に立てこもりました。挙げ句、警官に射殺されております。
とある作家がこの事件に対し「シャブぼけの犯行かと思った」と言っておりました。シャブぼけ、つまりは覚醒剤のやり過ぎにより精神に異常をきたしてしまった人間のことですが……要するに、銃を持った銀行強盗などマトモな損得勘定の出来る人間のとる行動ではない、ということでしょう。
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