悪魔との取り引き

板倉恭司

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怪物の徘徊

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 竹内徹は、劣悪な環境で生を受ける。
 父は、徹が小学生の時に横領が発覚し逮捕される。もともと実直な公務員であったのだが、業者の接待によりロシアンパブに連れて行かれたのが運の尽きだった。そこで出会った若いロシア人キャバ嬢にのぼせ上がり、毎日のように通い詰める。挙げ句、公金を横領し貢ぐようになってしまった。
 やがて、横領が発覚し逮捕される。その額は、トータルで一億円を超えていた。同時に、事実関係をマスコミに洗いざらい暴かれ、連日テレビのワイドショーにて放送されてしまう。当然ながら、夫婦は離婚せざるを得なかった。徹は、母とふたりきりで生活することになる。
 母は、父と同じく真面目な女だった。しかし夫の逮捕をきっかけに人格が変わってしまう。事件をマスコミに報道されたのみならず、レポーターに追い回されたことも彼女の人格を変えた一因である。
 以来、母は育児はおろか家事すら完全に放棄してしまった。生活保護を受給してはいたものの、そのほとんどを酒とパチンコに回す。食費は二の次である。小学生の時の徹は、家で食べられるものは薄い食パン一枚だけだ。学校で食べる給食が、唯一のまともな食事であり生命線であった。そのため、学校を休んだことはない。
 徹と母は市営住宅の一室に住んでいたが、中はゴミ屋敷寸前だった。日に日に、出し忘れたゴミ袋により部屋が狭くなっていく。室内には異臭が漂っていたが、それすら気づいていなかった。
 そんなゴミの中で、母は首を吊って死んだ。徹が五年生になった時のことである。
 徹は、すぐに施設へと預けられた。ほどなくして中学生になると、手のつけられない不良少年と化す。彼の残酷さと暴力癖は異常なものであり、地元でも有名な存在となる。それから紆余曲折を経て、一代で財産を築きあげるまでになった。
 もっとも基本的な性格は、手のつけられない不良だった時代からほとんど変わっていなかった。



 徹は目を開けた。
 上体を起こし、ちらりと外を見る。車の窓ガラス越しに見えるものは、大自然が作り出した風景のみである。人の姿は見えず、車の音もない。時計を見ると、まだ昼前だ。
 いつのまにか眠ってしまった。それはまだいいが、久しぶりに嫌な夢を見てしまった。幼い頃の思い出したくもない記憶だ。
 父親でも、母親でも、子供でも同じことである。たったひとつのことを守ればいい。自分は家族を裏切らない。だから、家族も自分を裏切ってはならない。守るべき掟は、それだけだ。何も難しいことなどない。
 母親は、子供の自分を置いて自殺した。こんなことは、絶対に許されない罪だ──
 その時、バチンという音が聞こえた。ビクリと反応し、慌てて横を向く。
 桐山譲治が立っていた。車の窓ガラスに右の手のひらをくっつけ、じっと徹を見つめている。この少年には珍しく、真剣そのものといった表情だ。
 その顔つきに異様なものを感じながらも、徹は窓ガラスを開け尋ねる。

「どうかしたか?」

「竹内さん、あの子見つけたのん」

 真面目な顔で言ってきた。最初、何を言われているのかわからなかった。数秒して、ようやく意味を理解する。
 だが、桐山はひとりだ。「あの子」に相当するはずの者の姿は見えない。

「今どこにいるんだ?」

 不安を覚えつつ聞いてみた。すると、意外な答えが返ってくる。

「山ん中の小屋に、縛って置いといたんよ。今から案内するのんな」

「はあ? なんで連れて来ないんだよ?」

「だってさ、ペドロ博士がウロウロしてるんよ。さっきも会っちまったのん。隙みてブッ飛ばしてどうにか逃げて来たけどさ、さすがに連れてこれにゃあよ」

「チッ、しょうがねえな。じゃあ、行くから案内しろ」

「オッケー農場」

 答える桐山の表情は、妙に冷たいものだった。

 ・・・

 吉村清人ヨシムラ キヨトは、顔をしかめながら山道を進んでいた。傍らには、木嶋キジマという男がハァハァ息を荒げながら付いてきている。だが、足取りは重い。
 やがて、その木嶋が声を発した。

「これ以上ムリ……もう、休もうぜ……」

 言ったかと思うと、その場に座り込んでしまった。
 吉村は舌打ちする。木嶋という男、身長は百七十センチほどだが、体重の方は百キロを超えているだろう。スキンヘッドにサングラスに髭面であり、一般人を脅すにはぴったりの見た目である。
 しかし、ここでは強面こわもての外見など役には立たない。むしろ、この体重ゆえに足手まといとなっている。
 吉村は立ったまま、油断なく周りを見回した。彼は三十歳だが、木嶋とは違い余分な脂肪は付いていない。タバコは吸わず、酒も付き合い程度にしか飲まなかった。普段から体を鍛え、健康にもそれなりに気を遣っている。
 この男、かつてはプロのキックボクサーとして、華やかな世界で闘っていた。高い身体能力と不屈の闘志の持ち主であり、破竹勢いで勝ち進んでいたのだ。日本の中量級ではトップクラスの実力であり、いずれ世界を狙える逸材とまで言われていた。
 そんな吉村だったが、ヤクザの経営する裏カジノに出入りするという悪い癖があった。しかも、彼は有名人である。少々の負け分は、当時タニマチ(後援会のようなもの)だった竹内徹に立て替えてもらっていた。
 やがて、その裏カジノに警察の手入れが入る。その時、偶然に吉村も居合わせてしまったのが運の尽きであった。当然ながら逮捕され、マスコミに報道されてしまう。結果、何もかも失った。
 以来、吉村は徹の取り巻き兼ボディガードのような役割を演じ続けていた。今回の件にしても、気は進まないながらも受けた恩義ゆえに断り切れず来てしまったのだ。
 出来ることなら、このまま木嶋を放り出して帰りたい……そんなことを考えていた時、異変に気づいた。

「やあ君たち」

 いきなりの声に、吉村はギョッとして振り返る。
 立っていたのは、Tシャツ姿の男だった。背はさほど高くないが、胸といい首といい常人離れした分厚さだ。シャツの袖から覗く二の腕は太く、瘤のような筋肉がうねっている。彫りの深い顔立ちからして、日本人でないのは明らかだ。
 吉村は、反射的に飛びのいていた。同時に、拳を挙げ構える。それは、彼にとって本能的な動きだった。キックボクサーだった経験は、吉村の細胞レベルにまで刷り込まれている。今の彼にとって、もっとも信頼できる武器が己の格闘技術だった。
 その信頼できる武器を今、鞘から抜いたのだ。いや、抜かざるを得なかった。吉村にとって、目の前にいる男はそれほどの脅威だった。
 残念なことに、木嶋は何も感じていないようだった。彼から見れば、目の前にいる男は中年の外国人でしかない。筋肉質ではあるが、さほど脅威に感じてはいなかった。

「なんだお前? 村の住人か? ふざけてると怪我するぞ」

 何の警戒心もなく、言ってのけた木嶋。直後、立ち上がり拳銃を抜く。
 見ていた吉村は、思わず顔を歪めた。今、トランシーバーは木嶋が持っている。だが、使う気はなさそうだ。

「バカ! 早く桐山を呼べ!」

 怒鳴る吉村だったが、答えたのは外国人だった。

「すまないが、彼は来ないよ。他に用事があるらしい」

 落ち着いた声だった。訛りのない日本語である。発音も完璧だ。
 直後、その目は木嶋に向けられた。

「君の身長は百七十センチ、体重百五キロ前後。通風を患っており、痛み止めを常用している」
 
 言った後、外国人は吉村に視線を移す。

「君は百七十五センチ、体重七十六キロ前後。かつてはプロのキックボクサーだったが、何らかの理由で辞めざるを得なくなった。今もリングに未練を残しているが、怖くて戻ることが出来ない」

「は、はあ? お前、何を言っているんだ?」

 吉村は、そう返さざるを得なかった。木嶋も、混乱している様子だ。
 外国人は、落ち着いた様子で答える。

「何か間違っていた部分があったかな。差し支えなければ教えて欲しい」

「今さら、リングに未練なんかない」

「君は、週五日ないし六日のジムワークを今も続けている。食事にも気を遣っているし、酒もタバコもやらない。リングに未練がないなら、そんな生活をする必要はないはずだ」

「ふざけるな!」

 思わず怒鳴りつけていた。外国人の言ったことは当たっている。ほぼ正解だ。この男と会ったのは初めてである。にもかかわらず、なぜ自分のライフスタイルを知っている?
 その時、桐山の言ったことを思い出す。村にはペドロというとんでもない化け物がいる、と言っていた……間違いない、この男だ。
 その時、ペドロの表情が変わる。

「時間には限りがある。そろそろ始めるとしよう」

 言った直後、拳銃を構えている木嶋の方に目が向けられた。

「まずは、君からだ」

 その瞬間、ペドロが何をしたのか……吉村の目には、はっきりとは見えていなかった。そのくらい速く、自然な動きだった。
 わかっているのは、ペドロが接近した直後、木嶋が宙に浮いたことだ。百キロを超えているはずの男の体が、ふわりと浮き上がったのである。まるで、重力がなくなったかのようだ。
 次の瞬間、ドスンという音がした──
 吉村の目の前で、木嶋の巨体が仰向けに倒れていた。続いて、呻き声が漏れる。木嶋の口から出たものだ。
 それは、ほんの数秒間の出来事であろう。だが、吉村には数十倍の長さに感じられていた。なぜか、心臓の鼓動さえ遅く感じられる。目の前で起きたことは、完全に理解を超えていた。UFOが着陸しエイリアンが降りて来たとしても、ここまで驚かなかっただろう。
 ペドロの目が、こちらに向けられる。いつのまにか、手で触れ合える位置まで接近していた。
 それは、半ば反射的な動きだった。吉村は、両腕を伸ばし相手の首を抱え込む。首相撲に捕らえ、顔面への膝蹴りを叩き込む……つもりだった。
 だが、首を両腕でロックした瞬間、愕然となる。全く動かないのだ。首と、それに連なる体幹が強すぎる。まるで大木のようだ。どんな鍛え方をしたら、こんな肉体が出来上がるのか。
 次の瞬間、吉村の体が宙に浮いた。直後、意識が途切れる──
 気がつくと、目の前には青空が広がっている。仰向けに倒れているらしい。何が起きたのか、まだわからない。悪い夢でも見たような、奇妙な気分だ。
 その時、ペドロの声が聞こえてきた。

「運がよかったね。君らを殺すほど、今の俺は暇じゃない。ここでじっとしていたまえ。運が良ければ助かるだろう」



 ペドロが去って、どのくらいの時間が経過したのだろう。
 不意に、吉村の口から声が漏れる。クックック、という笑い声だった。

 怖くねえ。
 ペドロや桐山に比べれば、ムエタイのチャンピオンも怖くねえや。
 やっと吹っ切れたよ。

 ・・・

 徳田昇トクダ ノボルは、地面に座り込んでいた。もう、これ以上は歩きたくない。山歩きの過酷さを、身を持って理解する羽目になった。
 座り込んだまま、周りを見回す。そもそも、今どのあたりにいるのかさえわからない。これ以上歩くと、迷ってしまうかもしれない。

「来るんじゃなかったよ」

 ぽつりと呟いたのは、隣で座り込んでいる福沢フクザワである。
 ふたりとも二十代だが、裏の世界ではそれなりに知られている。裏社会の仕事師として今まで生きてきた。現金輸送車を襲ったり、要人を誘拐したりといった荒事を専門にやってきた。
 しかし、山の中ではまるきり勝手が違う。徳田も福沢も、街中での仕事に特化したタイプだ。山歩きには慣れていない。山道を歩くのは、舗装された道路を歩くことに比べるとスタミナの消耗が激しい。
 ましてや、スマホの通じない場所での探索など初めての経験だ。

「本当だよな。楽な仕事だって聞いてたけどよ、ぜんぜん楽じゃねえ。割り増しもらいたいくらいだな」

 徳田も答える。
 事前に徹から聞いた話では、田舎の村に誘拐されたふたりの娘を連れ戻すだけ、のはずだった。金もいい。求められている仕事は、万一の事態に備えたバックアップ要員である。徳田も福沢も、何の迷いもなく引き受けた。
 ところが、来てみればスマホも通じない山の中である。まさか、こんな場所を探索することになるとは。

「もうさ、全部あいつに任せてよくねえか」

 ボソッと呟いた福沢に、徳田は顔を上げる。

「あいつって、桐山か?」

「ああ。俺さ、あんな奴見たことねえよ。矢部さんを病院送りにしちまうは、広田の拳銃を一瞬で取り上げるは、人間じゃねえよ」

 語る福沢の表情は、どこか虚ろなものだった。徳田も、大きく頷く。

「確かにな。あんな奴がいるとはな」

 そう、桐山のインパクトは凄まじいものがあった。彼らとて、それなりに喧嘩慣れしている。街のチンピラが相手なら、簡単に捻り潰せる自信はあった。
 だが、目の前で見た桐山の喧嘩は、勝手が違っていた。あんなものを見たのは初めてである。鍛え抜かれた元自衛官の矢部が、いとも簡単に倒されたのだ。
 しかも、昨日は皆の目の前で広田の拳銃を奪い取ってみせた。あんなことのできる人間が、現実に存在するとは……。
 その時だった。すぐ近くに、男が立っていることに気づく。顔の造りから見るに外国人だ。
 徳田は、反射的に立ち上がっていた。いつのまに現れた? 音も立てず、どうやって近づいた? そもそも何者だ?
 様々な疑問が浮かぶ。なぜか、足が震え出していた。その震えをごまかすため、凄まじい形相で怒鳴り付ける。

「誰だてめえは!?」

 だが直後に、桐山の言っていたことを思い出した。

(ペドロ博士はとんでもないバケモンだってこと)

 確かにそう言っていた。ひょっとして、この男がペドロなのか?
 そのペドロと思われる人物は、飄々とした態度で口を開いた。

「名乗るほどの者ではない。それ以前に、君ら相手では名乗る気にもなれないな」

「はあ? 何をふざけたことを……」

 言った時だった。突然、ペドロが動く──
 その瞬間を、徳田も福沢も捉えられていなかった。ペドロは動きが速いだけでなく、動き出すタイミングも完璧であった。
 人間には、ふっと緊張が途切れ意識が空白になる瞬間がある。目の前にいる相手に視線を向けているが、実は見えていない。あるいは、見えていても変化に反応できない。ほんの零コンマ何秒ではあるが、そんな瞬間があるのだ。
 格闘技の試合には時々、なぜこんなパンチが当たった? と疑問に思うような場面がある。大半のケースは、フェイントなどを混ぜ意識を散らした上で放たれたパンチである。ただ、中には意識の途切れた瞬間を、偶然に捉えたケースも存在する。
 言うまでもなく、常人に狙えるようなものではない。しかし、ペドロはそのタイミングで動いていた。拳銃を向けている徳田に、一瞬にして接近する。拳銃を撃てば、確実に当たる距離だ。指にほんの少し力を入れるだけでいい。にもかかわらず、徳田にはそれが出来なかった。
 そこからのペドロの動きは、舞踊のごときものであった。拳銃を掴み、銃口を上を向ける。と同時に手首を捻り関節を破壊しつつ、足払いをかける。
 徳田は、何の抵抗も出来ず転倒させられた──
 全ては、一秒ほどの間に起きた出来事だ。傍らにいる福沢はもちろん、やられた本人ですら何が起きたかわかっていなかった。
 一瞬遅れて、徳田の口からゴホッという声が漏れる。投げられた衝撃により、全身の機能が一時的に麻痺してしまったのだ。動くことすらできない。
 それを見た福沢が、拳銃を構えた。怯えた顔で喚く。

「てっ、てめえ! 何しやがる──」

 言い終えることは出来なかった。ペドロが、すっと動き間合いを詰める。拳銃に対し怯む気配は無い。
 続いての動きも滑らかで、流れるように進んでいく。福沢の拳銃を構えた手は横に逸らされ、首に手が伸びる。
 直後、喉を掴まれた──
 福沢の思考は、すぐに消えた。片手で喉を掴まれ、一瞬にして持ち上げられる。直後、地面に叩きつけられたのだ。後頭部を強打し、意識を完全に失う。
 ペドロは、倒れたふたりを見下ろした。その目には、何の感情も浮かんでいない。ややあって、口を開いた。

「これで、残るは竹内徹氏と桐山くんだけだ。君らは、ここでしばらく休んでいたまえ。自然の中で休暇を満喫できると思えば、そう悪いものでもないだろう。ただ、このあたりには野犬も棲息している。動けない間に遭遇したら、不運と思って諦めてくれたまえ」




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