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悲報
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こだわりって奴は、本当に厄介な代物だよ。お京、お前もまずい奴に目を付けられちまったなあ。
どんな業界でも、怒らせたらいけねえ奴はいる。俺なんざ、そういう連中の目を避けまくって、どうにか今までやってきた。ところが、お前らは本当に目立ち過ぎるんだよな。結果、こんなことになっちまった。
ただな、今回は逃げようと思えば逃げられる。俺なら、さっさとずらかるところだが……お前らは戦っちまうんだろうな。はっきり言って、勝ち目はないぜ。
となると、俺は何をすべきなのかね。昔の俺なら、知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいたところだ。しかし、今回だけはそうもいかないらしい。
・・・
「どういうことさ……」
唖然とした表情で尋ねるお京に、左門は冷静な口調で答える。
「だから言ってるだろうが。お七と捨丸は殺された。間違いでもないし、冗談でもねえ」
途端に、お京は黙り込んだ。あまりの出来事に、お花はというと、体を震わせながら下を向いている。
昨日ふたりは、いつかお七に会いに行こうと話し合ったばかりだった。しかし、それは永遠に叶わなくなってしまったのだ──
お七らが旅立った二日後のことだった。
お京とお花が住む掘っ立て小屋に、いきなり現れたのは藤村左門だ。普段と違い、その表情は険しく愛想の欠片もない。
「どうしたんだい?」
思わず尋ねたお京に、左門は答えた。
「お七と捨丸が死んだ。殺されたんだよ」
「嘘だろ……」
お京の第一声は、そんな間の抜けたものだった。いきなりの事態に、状況がよく飲み込めていないまま言葉が勝手に出ていたのだ。
しかし、左門の表情は変わらない。その全身から漂う何かが、これは冗談ではないと告げていた。
ややあって、お京がどうにか口を開く。
「相手は誰なんだ?」
「天河狂獣郎って名乗っている傾奇者だよ。とんでもねえ痴れ者だが、裏では大物と繋がってる。下手に手を出したところで、返り討ちに遭うのが関の山だ」
淡々と語る左門だったが、次の瞬間に口調が一変した。
「俺から、ひとつ忠告させてもらう。さっさと江戸を出ろ。出来れば、今すぐだ」
お京とお花を睨むような目つきで見つめながら、左門は語り続ける。
「この天河ってえ阿呆は、お前たちを弄んでいるんだよ。もし、本気でお前らを殺す気なら、こんなまだるっこしいことはやらねえ。直接、お前らを殺しに来ていたはずだ。つまり、奴にとっちゃ遊びなんだよ。お前らをおびき出して、傾奇者たちの見ている前で殺す……それが狙いなんだ」
その言葉に、お京はぎりりと奥歯を噛みしめる。体は、怒りのあまり震え出していた。しかし、左門は意に介さず喋り続ける。
「しかも、天河が騒ぎを起こしたせいで、お前らのことが奉行所にも知られちまった。今頃、奉行所ではお前らの人相書きを作っているはずだ。早けりゃ明日、遅くても三日以内には、その人相書きが町に出回るはずだよ」
そう、南町奉行所では、既にお京とお花のことが届けられていた。凶状持ちとして手配されるのも、時間の問題である。
「いいか、もう一度言う。江戸を出て、しばらく身を隠せ。天河は、傾奇者の親玉みたいな男だ。一声かけりゃ、あっちこっちから破落戸や馬鹿な若造が集まってくる。それだけの力を持ってるんだ」
そこで、左門は笑った。無論、おかしくて笑ったのではない。もはや、笑うしかないほど絶望的な状況なのだ。
「当然、あいつを邪魔に思う連中も出てくる。そんな連中が、裏の連中に始末を依頼した。ところが、誰も天河を殺せなかった。あいつは、襲ってきた殺し屋をことごとく返り討ちにしてんだよ。そのうち、天河は人間じゃねえ……みたいな噂が流れ出した。今じゃ、あいつを襲おうなんて奴はいねえ。そんな化け物なんだ」
その時、お京がようやく言葉を返した。
「んなこと関係ない。その天河は、あたしが殺す」
「やめとけ馬鹿。あの天河はな、確かにとんでもない奴だが甘ちゃんだ。やってることは穴だらけだし、今なら逃げるのは簡単だよ。お前らさえ逃げる気になれば、誰も傷つかずに済むんだ」
「ざけんじゃないよ! ふたりが殺されたってえのに、黙って泣き寝入りしろって言うのかい!?」
怒鳴りつけたが、左門は動じず頷いた。
「ああ、そうだ。そうすれば、お前らは生きられる。人生ってのはなあ、死んだ奴が負けなんだ。どんなに惨めに見えようが、生きてたもんが勝ちだよ」
「冗談じゃないよ!」
叫ぶと同時に、床を殴りつける──
「あたしは、やられたらやり返す……その天河とかいう屑は、必ず殺してやる。手下どもも、一匹残らず叩き潰してやる」
お京の口調は、先ほどでと違い静かなものだった。しかし、秘められた決意は固い。左門は口元を歪め、お花に視線を移す。
「お花、お前もなのか? お前も、お京に付き合って死ぬ気なのか?」
「私は、死ぬも生きるもお京さんと一緒です」
即答だった。迷いは微塵もないらしい。左門は、ちっと舌打ちした。
それでも、顔を歪めつつ説得を続ける。
「お前ら、呆れ果てた馬鹿だな。お七も捨丸も、そんなことは望んじゃいねえはずだ。いいか、ぎりぎりいっぱい生きるんだよ。ふたりの分まで──」
その瞬間、左門の左耳を何かが掠める……独楽だ。お京が、独楽を投げたのだ。
直後、戻ってきた独楽を受け止めるお京。その瞳には、迷いのない殺気があった。
「いちいちうるさいんだよ。手伝う気がないなら、さっさと消えな。でないと、今度は当てるよ」
どう見ても、冗談ではない。この女、本気でこちらを殺すつもりだろう。
左門は宙を仰ぎ、ふうと溜息を吐く。これ以上、何を言っても無駄だと理解したのだ。
「そうかい、そんなに死にてえのか。だったら好きにしろ。俺は関係ねえからな。お前らの馬鹿に付き合う義理もねえしよ。勝手に死んじまえ」
そんな捨て台詞を残し、去って行った。
左門がいなくなると、小屋の中は重苦しい空気に包まれていた。ふたりとも何も言わず、沈黙がこの小さな空間を支配している。
その沈黙を破ったのは、お京だった。その口から、嗚咽が漏れる。
次の瞬間、お花に縋りついていた──
「先に死んじゃうなんて、ひどいじゃないか……あんなのってあるかい……おばさんが何をしたんだよ……何でおばさんを殺したんだよう……」
泣きじゃくりながら、天に向かい恨みの言葉を吐き続ける。
「なんで、あたしから何もかも奪っていくんだよ……家族を奪い、両足を奪い、おばさんまで奪うのかよ……こんなのひどいよ……ひどすぎるだろうが」
お花の胸で、お京はひたすら泣き続けた。先ほどまでの、殺気立った表情はもうない。顔をくしゃくしゃにしながら、己の中から溢れ出るものを訴え続けていた。
そんな彼女を抱き止めるお花の目からも、涙が溢れだしていた。何も言わず、ひたすらお京を抱きしめていた。
・・・・
その頃、藤村左門は真っ直ぐ自宅へと戻っていた。日は高く、帰るには早い時間帯である。しかも、この男にほまだ業務が残っている。帰っていい状況ではない。
にもかかわらず、左門は途中で仕事を切り上げてしまった。ろくな挨拶もせずに奉行所を出て、何のためらいもなく家に入って行った。その顔には、自宅では見せたことのない異様な表情が浮かんでいる。
いや、表情だけではない。これまでの左門は、案山子の渾名に相応しい無気力かつ全てに無関心な態度で、世の中を渡ってきたのだ。
しかし、今は違う。戦場に赴く兵士のごとき緊張感を全身から漂わせている──
家に帰ると、挨拶もせず義母の文と妻の美津の前に進み出る。懐から、そっと書状を取り出し妻に手渡した。
「はい? 何ですかこれは?」
美津は面倒くさそうに、渡されたものに目を通す。途端に、表情が一変した。横にいる文は、わなわなと震え出す。衝撃のあまり、ふたりともその場に崩れ落ちた。
一方、左門は淡々とした表情で口を開く。
「急な話で申し訳ないですが、離縁していただきます。私はもう、この家には戻りません」
どんな業界でも、怒らせたらいけねえ奴はいる。俺なんざ、そういう連中の目を避けまくって、どうにか今までやってきた。ところが、お前らは本当に目立ち過ぎるんだよな。結果、こんなことになっちまった。
ただな、今回は逃げようと思えば逃げられる。俺なら、さっさとずらかるところだが……お前らは戦っちまうんだろうな。はっきり言って、勝ち目はないぜ。
となると、俺は何をすべきなのかね。昔の俺なら、知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいたところだ。しかし、今回だけはそうもいかないらしい。
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「どういうことさ……」
唖然とした表情で尋ねるお京に、左門は冷静な口調で答える。
「だから言ってるだろうが。お七と捨丸は殺された。間違いでもないし、冗談でもねえ」
途端に、お京は黙り込んだ。あまりの出来事に、お花はというと、体を震わせながら下を向いている。
昨日ふたりは、いつかお七に会いに行こうと話し合ったばかりだった。しかし、それは永遠に叶わなくなってしまったのだ──
お七らが旅立った二日後のことだった。
お京とお花が住む掘っ立て小屋に、いきなり現れたのは藤村左門だ。普段と違い、その表情は険しく愛想の欠片もない。
「どうしたんだい?」
思わず尋ねたお京に、左門は答えた。
「お七と捨丸が死んだ。殺されたんだよ」
「嘘だろ……」
お京の第一声は、そんな間の抜けたものだった。いきなりの事態に、状況がよく飲み込めていないまま言葉が勝手に出ていたのだ。
しかし、左門の表情は変わらない。その全身から漂う何かが、これは冗談ではないと告げていた。
ややあって、お京がどうにか口を開く。
「相手は誰なんだ?」
「天河狂獣郎って名乗っている傾奇者だよ。とんでもねえ痴れ者だが、裏では大物と繋がってる。下手に手を出したところで、返り討ちに遭うのが関の山だ」
淡々と語る左門だったが、次の瞬間に口調が一変した。
「俺から、ひとつ忠告させてもらう。さっさと江戸を出ろ。出来れば、今すぐだ」
お京とお花を睨むような目つきで見つめながら、左門は語り続ける。
「この天河ってえ阿呆は、お前たちを弄んでいるんだよ。もし、本気でお前らを殺す気なら、こんなまだるっこしいことはやらねえ。直接、お前らを殺しに来ていたはずだ。つまり、奴にとっちゃ遊びなんだよ。お前らをおびき出して、傾奇者たちの見ている前で殺す……それが狙いなんだ」
その言葉に、お京はぎりりと奥歯を噛みしめる。体は、怒りのあまり震え出していた。しかし、左門は意に介さず喋り続ける。
「しかも、天河が騒ぎを起こしたせいで、お前らのことが奉行所にも知られちまった。今頃、奉行所ではお前らの人相書きを作っているはずだ。早けりゃ明日、遅くても三日以内には、その人相書きが町に出回るはずだよ」
そう、南町奉行所では、既にお京とお花のことが届けられていた。凶状持ちとして手配されるのも、時間の問題である。
「いいか、もう一度言う。江戸を出て、しばらく身を隠せ。天河は、傾奇者の親玉みたいな男だ。一声かけりゃ、あっちこっちから破落戸や馬鹿な若造が集まってくる。それだけの力を持ってるんだ」
そこで、左門は笑った。無論、おかしくて笑ったのではない。もはや、笑うしかないほど絶望的な状況なのだ。
「当然、あいつを邪魔に思う連中も出てくる。そんな連中が、裏の連中に始末を依頼した。ところが、誰も天河を殺せなかった。あいつは、襲ってきた殺し屋をことごとく返り討ちにしてんだよ。そのうち、天河は人間じゃねえ……みたいな噂が流れ出した。今じゃ、あいつを襲おうなんて奴はいねえ。そんな化け物なんだ」
その時、お京がようやく言葉を返した。
「んなこと関係ない。その天河は、あたしが殺す」
「やめとけ馬鹿。あの天河はな、確かにとんでもない奴だが甘ちゃんだ。やってることは穴だらけだし、今なら逃げるのは簡単だよ。お前らさえ逃げる気になれば、誰も傷つかずに済むんだ」
「ざけんじゃないよ! ふたりが殺されたってえのに、黙って泣き寝入りしろって言うのかい!?」
怒鳴りつけたが、左門は動じず頷いた。
「ああ、そうだ。そうすれば、お前らは生きられる。人生ってのはなあ、死んだ奴が負けなんだ。どんなに惨めに見えようが、生きてたもんが勝ちだよ」
「冗談じゃないよ!」
叫ぶと同時に、床を殴りつける──
「あたしは、やられたらやり返す……その天河とかいう屑は、必ず殺してやる。手下どもも、一匹残らず叩き潰してやる」
お京の口調は、先ほどでと違い静かなものだった。しかし、秘められた決意は固い。左門は口元を歪め、お花に視線を移す。
「お花、お前もなのか? お前も、お京に付き合って死ぬ気なのか?」
「私は、死ぬも生きるもお京さんと一緒です」
即答だった。迷いは微塵もないらしい。左門は、ちっと舌打ちした。
それでも、顔を歪めつつ説得を続ける。
「お前ら、呆れ果てた馬鹿だな。お七も捨丸も、そんなことは望んじゃいねえはずだ。いいか、ぎりぎりいっぱい生きるんだよ。ふたりの分まで──」
その瞬間、左門の左耳を何かが掠める……独楽だ。お京が、独楽を投げたのだ。
直後、戻ってきた独楽を受け止めるお京。その瞳には、迷いのない殺気があった。
「いちいちうるさいんだよ。手伝う気がないなら、さっさと消えな。でないと、今度は当てるよ」
どう見ても、冗談ではない。この女、本気でこちらを殺すつもりだろう。
左門は宙を仰ぎ、ふうと溜息を吐く。これ以上、何を言っても無駄だと理解したのだ。
「そうかい、そんなに死にてえのか。だったら好きにしろ。俺は関係ねえからな。お前らの馬鹿に付き合う義理もねえしよ。勝手に死んじまえ」
そんな捨て台詞を残し、去って行った。
左門がいなくなると、小屋の中は重苦しい空気に包まれていた。ふたりとも何も言わず、沈黙がこの小さな空間を支配している。
その沈黙を破ったのは、お京だった。その口から、嗚咽が漏れる。
次の瞬間、お花に縋りついていた──
「先に死んじゃうなんて、ひどいじゃないか……あんなのってあるかい……おばさんが何をしたんだよ……何でおばさんを殺したんだよう……」
泣きじゃくりながら、天に向かい恨みの言葉を吐き続ける。
「なんで、あたしから何もかも奪っていくんだよ……家族を奪い、両足を奪い、おばさんまで奪うのかよ……こんなのひどいよ……ひどすぎるだろうが」
お花の胸で、お京はひたすら泣き続けた。先ほどまでの、殺気立った表情はもうない。顔をくしゃくしゃにしながら、己の中から溢れ出るものを訴え続けていた。
そんな彼女を抱き止めるお花の目からも、涙が溢れだしていた。何も言わず、ひたすらお京を抱きしめていた。
・・・・
その頃、藤村左門は真っ直ぐ自宅へと戻っていた。日は高く、帰るには早い時間帯である。しかも、この男にほまだ業務が残っている。帰っていい状況ではない。
にもかかわらず、左門は途中で仕事を切り上げてしまった。ろくな挨拶もせずに奉行所を出て、何のためらいもなく家に入って行った。その顔には、自宅では見せたことのない異様な表情が浮かんでいる。
いや、表情だけではない。これまでの左門は、案山子の渾名に相応しい無気力かつ全てに無関心な態度で、世の中を渡ってきたのだ。
しかし、今は違う。戦場に赴く兵士のごとき緊張感を全身から漂わせている──
家に帰ると、挨拶もせず義母の文と妻の美津の前に進み出る。懐から、そっと書状を取り出し妻に手渡した。
「はい? 何ですかこれは?」
美津は面倒くさそうに、渡されたものに目を通す。途端に、表情が一変した。横にいる文は、わなわなと震え出す。衝撃のあまり、ふたりともその場に崩れ落ちた。
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(2022.04.04)
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