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もうひとつの始まり
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いよいよ、お前らの仕事始めだ。
相手は、ただの破落戸どもだ。お前らの腕なら、何の心配もねえよ。ま、いつも通りにやればいい。
ただな、ひとつだけ覚えておいてくれ。ひとり殺すたび、あんたの手は赤く染まっていく。その汚れは、どんなに手を洗おうが綺麗にはならねえんだ。
仮にこの先、殺し屋稼業に嫌気がさして足を洗ったところで、あんたの手に染み付いた汚れは落とせないんだよ。
・・・
箱車が、かたかた音を立て進んでいく。乗っているのはお京、車を押しているのはお花だ。その横には、藤村左門も付いて歩いている。
まだ日は高く、林道を明るく照らしている。にもかかわらず、周囲に人気はない。しかも、道行く三人の表情は険しいものだ。まるで、お通夜のような雰囲気を漂わせていた。
やがて三人は、町外れにあるあばら家にたどり着いた。
「俺は裏に回る。中には、ふたりいるはずだ。もし見つけたら、両方とも殺せ」
そう言うと、左門は静かに小屋の向こう側へと回る。残されたお京は、ちっと舌打ちした。
「何が裏に回るだよ。どうせ、あたしらがふたりとも仕留めることになるんだろ」
「仕方ないですよ。それが仕事ですからね」
お花が答えると同時に、車が再び動き出す。ふたりは、徐々にあばら家へと接近していった。
箱車が距離を詰めていった時、いきなり戸が開いた。ひとりの男が、中から出てくる。その手には、抜き身の長脇差を握っていた。
「なんだお前ら?」
言いながら、表に出てくる。さらに、もうひとりが姿を現した。こちらは、手に短刀を握っている。どちらも二十代の若者だ。
お京は、にやりと笑った。
「あんたら、悪党らしいね。恨みはないけどさ、死んでもらうよ」
直後、独楽が放たれた──
一瞬のうちに、長脇差を持った男が倒れる。眉間に、独楽が炸裂したのだ。
残るひとりは、何が起きたかすぐに理解した。ひっと叫び、すぐに逃げ出そうとする。
と、その足首に独楽が巻き付いた。次の瞬間、派手な音と共に倒れる。
ほぼ同時に、お京が飛び上がる。短刀を抜き、振り上げた。
すると、男は叫び出す。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! なあ、助けてくれ!」
恐怖に震えながら、男は懇願した。
「お前ら、幾らもらったんだ!? 俺は、その倍額を払うぞ!」
「悪いけど、そうもいかないんだよ。これも仕事だからね」
冷酷に言い放つと、お京は短刀を振り下ろした──
このふたりは、源蔵と権八という兄弟である。生まれた時から筋金入りの悪党であり、これまでにも数々の罪を犯してきた。お縄になるのも、時間の問題だと思われていた。
ところが、この兄弟はとんでもないことをやらかす。ある日、つまらぬいざこざから人をひとり殺してしまった。その上、たまたま旅行に来ていた近江商人の娘までさらってしまったのである。源蔵と権八は、江戸を離れるためにまとまった金が欲しい。
近江商人は、江戸の裏の仕事師たちに依頼した……秘密裏に、娘を助け出してくれ、と。そして、真っ先にふたりを見つけたのが捨丸と左門だ。
今、源蔵と権八のふたりは仕留めた。後は、娘を商人の元に帰すだけである。この場合、左門の表稼業がものを言う。同心が、娘を見つけ連れ帰った……表向きには、そういう形での決着である。
その左門は、ふたりに向かい言った。
「一応、言っとくぞ。これから先、お前らに取り引きを持ちかける馬鹿が出るだろう。だがな、そいつらの言うことほ嘘だらけだ。いちいち相手にすんな」
「わかってるから」
「じゃあ、お前らはここまでだ。後の始末は、俺に任せておけ」
そう言うと、左門はあばら家へと入って行った。
・・・・
その頃、お七はひとり掘っ立て小屋の中にいた。
今頃、お京とお花は新しい仕事に取りかかっているはずだ。そのことを思うと、何とも言えない気持ちになる。
あの時、尾仁之村で助けたのは被害者のはずだった。それが今では、人の命を奪う加害者と化している。その事実が、どうにもやりきれない──
「お七さん、元気?」
声と共に、ひょっこり顔を出したのは捨丸だった。しかし、お七はちらりと一瞥しただけだった。すぐに目を逸らす。
「あんた、来たのかい」
「うん、来ちゃった。前に言ってたでしょ、火薬と弾丸が欲しいってさ。調達できたからさ、持って来たんだよ。少ないけどさ、今はこれで我慢してよ」
言った後、小さな革袋をふたつ取り出す。入口のところに、そっと置いた。お七は、無言でそちらに視線を移す。
小屋の中には、何とも重苦しい空気が漂っていた。お七は黙ったまま座っており、捨丸は何か言おうにも言葉が出てこない。
「あっ、ごめん。帰れって言うなら、すぐに帰るよ」
そんな空気に耐えられなくなっなのか、捨丸はすぐに顔を引っ込める。お七は、そちらを見もせず言葉を返した。
「いや、まだ帰らなくていい。あんたに、聞きたいことがあったんだ」
「えっ、なになに?」
言うと同時に、捨丸はぱっと顔を出した。子供のような態度である。だが、お七はにこりともしない。素っ気ない態度で床を指さした。
「まあ、入っておいで。そこに座りなよ」
言われるがまま、指示された場所に座る捨丸。すると、お七もその横に座った。
真剣な顔で、口を開く。
「あんた、前に言ったよね……あたしと、一緒になりたいって。あれは、本気なのかい?」
「えーっと、も、もちろん本気だよ」
「じゃあさぁ、あたしが裏の仕事を辞めてくれって言ったらどうするの?」
「う、裏の仕事?」
困惑する捨丸に、お七は真顔で語りだした。
「そう。あたしは、人殺しだけは嫌なんだよ。左門たちがするのは勝手だ。そのことについて、どうこう言うつもりもない。生き方は、人それぞれだからね。たぶん、あんたらの裏稼業も、世の中には必要なんだろうよ」
そこで、お七は言葉を切った。捨丸から目を逸らし、床を見つめた。
「でもね、あたしは人殺しとは一緒になりたくないんだよ。あたしは、人の命を救うために医者になったんだ。あたしの連れ合いには、人を殺して欲しくない。人殺しに関わって欲しくもない。これだけは、絶対に譲れないんだよ。あたしの……生き方の問題だ」
お七は言葉を止め、顔を上げる。捨丸の目を、まじまじと見つめた。
「どうなんたい? あんた、あたしのために裏稼業から足を洗えるかい? よく考えてみるんだね」
その時、捨丸はあっさりと頷く。
「わかったよ」
「えっ?」
あまりにもあっさりとした答えに、今度はお七の方がが困惑していた。
一方、捨丸はあっけらかんとした表情で語る。
「俺、足を洗うよ。それで、お七さんと一緒になる。医者の仕事を手伝うよ」
「ほ、本気なのかい?」
「もちろん本気だよ。ねえ、もしかしてさあ、お七さんの方こそ俺をからかってんじゃないの?」
いきなりそんなことを聞かれ、お七は答えに窮した。
「な、何を──」
「どうせ、足を洗うことなんか出来やしないだろ……そう思ってさ、俺を諦めさせるためにそんなこと言ってんじゃないの?」
「違うよ!」
お七は、思わず怒鳴りつけていた。直後、目を逸らし俯く。
「あ、あんたはあたしより若いし、面だって悪くない。ちょっと頼りないとこはあるけど、町で声かけりゃ付いて来る若い娘なんか、探せば幾らでもいるだろ。そんなあんたが、あたしみたいな年増を……」
「そんなん関係ないでしょ。だいたいさ、人を好きになるってのはさ、冗談だか本気だか自分でもよくわからない……そんなとこから始まるんじゃないの?」
そんなことを言いながら、捨丸はにじり寄ってくる。だが、お七ほそれを拒絶できなかった。
「とにかくさ、俺はお七さんのことが本気で好きだから。足を洗えって言うなら洗うよ。俺、明日には左門ちゃんに話つけてくるから」
言った直後、捨丸の手が伸びる。そっと、お七の手を握った。だが、彼女は抵抗しない。されるがままになっていた。
ふたりは、お互いを見つめ合う。その後、何が起こるかはわかっていた。だが、拒絶するつもりもなかった。
やがて、ふたりの唇が重なる──
相手は、ただの破落戸どもだ。お前らの腕なら、何の心配もねえよ。ま、いつも通りにやればいい。
ただな、ひとつだけ覚えておいてくれ。ひとり殺すたび、あんたの手は赤く染まっていく。その汚れは、どんなに手を洗おうが綺麗にはならねえんだ。
仮にこの先、殺し屋稼業に嫌気がさして足を洗ったところで、あんたの手に染み付いた汚れは落とせないんだよ。
・・・
箱車が、かたかた音を立て進んでいく。乗っているのはお京、車を押しているのはお花だ。その横には、藤村左門も付いて歩いている。
まだ日は高く、林道を明るく照らしている。にもかかわらず、周囲に人気はない。しかも、道行く三人の表情は険しいものだ。まるで、お通夜のような雰囲気を漂わせていた。
やがて三人は、町外れにあるあばら家にたどり着いた。
「俺は裏に回る。中には、ふたりいるはずだ。もし見つけたら、両方とも殺せ」
そう言うと、左門は静かに小屋の向こう側へと回る。残されたお京は、ちっと舌打ちした。
「何が裏に回るだよ。どうせ、あたしらがふたりとも仕留めることになるんだろ」
「仕方ないですよ。それが仕事ですからね」
お花が答えると同時に、車が再び動き出す。ふたりは、徐々にあばら家へと接近していった。
箱車が距離を詰めていった時、いきなり戸が開いた。ひとりの男が、中から出てくる。その手には、抜き身の長脇差を握っていた。
「なんだお前ら?」
言いながら、表に出てくる。さらに、もうひとりが姿を現した。こちらは、手に短刀を握っている。どちらも二十代の若者だ。
お京は、にやりと笑った。
「あんたら、悪党らしいね。恨みはないけどさ、死んでもらうよ」
直後、独楽が放たれた──
一瞬のうちに、長脇差を持った男が倒れる。眉間に、独楽が炸裂したのだ。
残るひとりは、何が起きたかすぐに理解した。ひっと叫び、すぐに逃げ出そうとする。
と、その足首に独楽が巻き付いた。次の瞬間、派手な音と共に倒れる。
ほぼ同時に、お京が飛び上がる。短刀を抜き、振り上げた。
すると、男は叫び出す。
「ちょ、ちょっと待ってくれ! なあ、助けてくれ!」
恐怖に震えながら、男は懇願した。
「お前ら、幾らもらったんだ!? 俺は、その倍額を払うぞ!」
「悪いけど、そうもいかないんだよ。これも仕事だからね」
冷酷に言い放つと、お京は短刀を振り下ろした──
このふたりは、源蔵と権八という兄弟である。生まれた時から筋金入りの悪党であり、これまでにも数々の罪を犯してきた。お縄になるのも、時間の問題だと思われていた。
ところが、この兄弟はとんでもないことをやらかす。ある日、つまらぬいざこざから人をひとり殺してしまった。その上、たまたま旅行に来ていた近江商人の娘までさらってしまったのである。源蔵と権八は、江戸を離れるためにまとまった金が欲しい。
近江商人は、江戸の裏の仕事師たちに依頼した……秘密裏に、娘を助け出してくれ、と。そして、真っ先にふたりを見つけたのが捨丸と左門だ。
今、源蔵と権八のふたりは仕留めた。後は、娘を商人の元に帰すだけである。この場合、左門の表稼業がものを言う。同心が、娘を見つけ連れ帰った……表向きには、そういう形での決着である。
その左門は、ふたりに向かい言った。
「一応、言っとくぞ。これから先、お前らに取り引きを持ちかける馬鹿が出るだろう。だがな、そいつらの言うことほ嘘だらけだ。いちいち相手にすんな」
「わかってるから」
「じゃあ、お前らはここまでだ。後の始末は、俺に任せておけ」
そう言うと、左門はあばら家へと入って行った。
・・・・
その頃、お七はひとり掘っ立て小屋の中にいた。
今頃、お京とお花は新しい仕事に取りかかっているはずだ。そのことを思うと、何とも言えない気持ちになる。
あの時、尾仁之村で助けたのは被害者のはずだった。それが今では、人の命を奪う加害者と化している。その事実が、どうにもやりきれない──
「お七さん、元気?」
声と共に、ひょっこり顔を出したのは捨丸だった。しかし、お七はちらりと一瞥しただけだった。すぐに目を逸らす。
「あんた、来たのかい」
「うん、来ちゃった。前に言ってたでしょ、火薬と弾丸が欲しいってさ。調達できたからさ、持って来たんだよ。少ないけどさ、今はこれで我慢してよ」
言った後、小さな革袋をふたつ取り出す。入口のところに、そっと置いた。お七は、無言でそちらに視線を移す。
小屋の中には、何とも重苦しい空気が漂っていた。お七は黙ったまま座っており、捨丸は何か言おうにも言葉が出てこない。
「あっ、ごめん。帰れって言うなら、すぐに帰るよ」
そんな空気に耐えられなくなっなのか、捨丸はすぐに顔を引っ込める。お七は、そちらを見もせず言葉を返した。
「いや、まだ帰らなくていい。あんたに、聞きたいことがあったんだ」
「えっ、なになに?」
言うと同時に、捨丸はぱっと顔を出した。子供のような態度である。だが、お七はにこりともしない。素っ気ない態度で床を指さした。
「まあ、入っておいで。そこに座りなよ」
言われるがまま、指示された場所に座る捨丸。すると、お七もその横に座った。
真剣な顔で、口を開く。
「あんた、前に言ったよね……あたしと、一緒になりたいって。あれは、本気なのかい?」
「えーっと、も、もちろん本気だよ」
「じゃあさぁ、あたしが裏の仕事を辞めてくれって言ったらどうするの?」
「う、裏の仕事?」
困惑する捨丸に、お七は真顔で語りだした。
「そう。あたしは、人殺しだけは嫌なんだよ。左門たちがするのは勝手だ。そのことについて、どうこう言うつもりもない。生き方は、人それぞれだからね。たぶん、あんたらの裏稼業も、世の中には必要なんだろうよ」
そこで、お七は言葉を切った。捨丸から目を逸らし、床を見つめた。
「でもね、あたしは人殺しとは一緒になりたくないんだよ。あたしは、人の命を救うために医者になったんだ。あたしの連れ合いには、人を殺して欲しくない。人殺しに関わって欲しくもない。これだけは、絶対に譲れないんだよ。あたしの……生き方の問題だ」
お七は言葉を止め、顔を上げる。捨丸の目を、まじまじと見つめた。
「どうなんたい? あんた、あたしのために裏稼業から足を洗えるかい? よく考えてみるんだね」
その時、捨丸はあっさりと頷く。
「わかったよ」
「えっ?」
あまりにもあっさりとした答えに、今度はお七の方がが困惑していた。
一方、捨丸はあっけらかんとした表情で語る。
「俺、足を洗うよ。それで、お七さんと一緒になる。医者の仕事を手伝うよ」
「ほ、本気なのかい?」
「もちろん本気だよ。ねえ、もしかしてさあ、お七さんの方こそ俺をからかってんじゃないの?」
いきなりそんなことを聞かれ、お七は答えに窮した。
「な、何を──」
「どうせ、足を洗うことなんか出来やしないだろ……そう思ってさ、俺を諦めさせるためにそんなこと言ってんじゃないの?」
「違うよ!」
お七は、思わず怒鳴りつけていた。直後、目を逸らし俯く。
「あ、あんたはあたしより若いし、面だって悪くない。ちょっと頼りないとこはあるけど、町で声かけりゃ付いて来る若い娘なんか、探せば幾らでもいるだろ。そんなあんたが、あたしみたいな年増を……」
「そんなん関係ないでしょ。だいたいさ、人を好きになるってのはさ、冗談だか本気だか自分でもよくわからない……そんなとこから始まるんじゃないの?」
そんなことを言いながら、捨丸はにじり寄ってくる。だが、お七ほそれを拒絶できなかった。
「とにかくさ、俺はお七さんのことが本気で好きだから。足を洗えって言うなら洗うよ。俺、明日には左門ちゃんに話つけてくるから」
言った直後、捨丸の手が伸びる。そっと、お七の手を握った。だが、彼女は抵抗しない。されるがままになっていた。
ふたりは、お互いを見つめ合う。その後、何が起こるかはわかっていた。だが、拒絶するつもりもなかった。
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