19 / 28
桃助
しおりを挟む
お京、やっとここまで来たか。あとは桃助さえ殺せば、あんたの復讐も完遂だな。
この桃助、一応の身分は侍らしいが……本業は、偉い奴の太鼓持ちみたいなもんだ。腕の方は、からっきしだとも聞いている。まあ、雉間や犬飼兄弟に比べりゃ楽なもんだろう。今回は、あっけなく終わりそうだな。
しかし、ひとつ妙なことがある。奴らが尾仁之村を襲った理由……そいつが、今ひとつはっきりしねえ。一万両のお宝が村に眠っているって噂に騙されたそうだが、桃助はしょせん道化侍だ。そんな大それた話を持ち込まれるような器量はないんだよ。
こいつには、どでかい裏があるんじゃねえか……そんな気がするぜ。ま、どんな裏があろうと俺には関係ないけどな。
・・・
森の中、かたかたと音を立て箱車が進んでいく。乗っているのはお京で、車を押すのはお花だ。傍らには、藤村左門が付いて歩く。
まだ日は高く、頭上に生い茂る枝葉の隙間から陽の光が射している。地面はでこぼこだが、どうにか進むことは出来た。
「その桃助とやらは、どんな奴なのです?」
不意に、お花が聞いて来た。
「俺もよくはわからんが、侍くずれの傾奇者らしいぜ。まあ、実際のところは旦那衆に取り入っては小遣いを貰ってる道化者だけどな」
「なんだい、そりゃあ……そんな奴が、村のみんなを殺したっていうのかい」
怒りの表情を向けるお京に、左門は頷いた。
「そうだよ。念のため聞くが……お前の村には、御大層な宝物が隠されていたとか、そういうことはなかったんだな?」
「当たり前だよ。みんな貧乏だったし、宝物があるなんて話も聞いたことない」
「となると、馬鹿な奴らが馬鹿な噂を真に受けて、わざわざ山奥の村を襲った。挙げ句に、住民を皆殺しか……なんとも救いようのねえ話だな」
呆れた様子で、かぶりを振った左門。直後、憐れむような目でお京を見た。
「お前も、つくづく運の悪い女だな」
「運が悪いじゃ済まされないんだよ。桃助は、あたしが殺す」
進んでいく三人の視界に、一軒のあばら家が入ってきた。長いこと手入れをされていなかったらしく、壁には穴が空いている。
やがて、小屋の前で車は停まった。左門が、十手で戸を叩きながら声を出す。
「おーい、ちょっと出て来てくれよ。聞きてえことがある」
少しの間を置き、ひとりの男が顔を出した。一応は髷を結ってはいるが、頭には鉢巻を巻いており耳には飾りを付けている。着物は虎縞柄だ。なんとも統一感のない出で立ちである。
そんな桃助だが、左門を見るなりぺこぺこ頭を下げた。
「お、お役人さま……どうかしなさったんですか?」
かつて侍だったとは思えぬ卑屈な態度だ。左門は、にこにこしながら語りかけた。
「いやあ、大した用じゃないんだけどよ、ちょっと出てきてくれや」
言いながら、半ば強引に桃助を連れ出す。桃助は、何が何だかわからぬまま外に出た。
しかし、待っていた者に気づいた途端、顔面が蒼白になる──
「よう桃助、久しぶりだね。会いに来てやったよ」
その台詞で充分だった。ひっと声をあげ、逃げ出そうとした。
同時に、お京が独楽を放つ。強烈な一撃が膝を襲い、桃助は無様に転倒した。独楽が当たった衝撃で、膝の皿が砕けてしまったのだ。両手で膝を押さえ、呻き声をあげる。
だが、すぐさま両の手のひらを前に突き出した。助けてくれ、と懇願する体勢だ。
「ちょっと待ってくれ。まずは、落ち着こう。な? ちょっとだけ話を聴いてくれ」
「なんだい? 言いたいことがあるなら聞いてやるよ」
「俺は、確かにひどいことをしたよ。だがな、俺は命令されてやったんだよ」
「命令? 誰に?」
「そ、それはだな……」
桃助は言いよどみ、目線をあちこちに動かす。どうやって丸め込むか、必死で考えを巡らせているのだろう。
そんな桃助に、お京は冷たく言い放つ。
「言えないのかい。どうせ嘘なんだろうが」
すると、桃助はかぶりを振った。
「あのな、俺は悪くないんだよ。殺ったのは、全部あいつらだ。俺は、ひとりも殺してない」
「ても。お前が殺らせたことに変わりはないよね」
「えっ? いや、あの、その……」
「何も言えないなら。さっさと死にな」
直後、お京は短刀を抜いた──
・・・・
その頃。
お七は、住処にしている掘っ立て小屋で、ひとり物思いにふけっていた。
今、お京とお花が何をしているかはわかっている。これで、全てが終わるのだ。本来なら、喜ぶべきことのはずだった。しかし、お七の表情は冴えない。
果たして、これで終わりになるのだろうか。これから、お京とお花は果てのない修羅道を歩むのではないか……そんな予感がするのだ。
その時、外から声が聞こえてきた。
「お七さん、いる?」
聞き覚えのある声だ。お七は、面倒くさそうに答える。
「いるよ」
直後、ひょいと顔を見せた男がいる。捨丸だ。
「あんたかい。何しに来たのさ?」
彼の顔を一瞥し、尋ねるお七。その表情は、どこか虚ろだ。
すると、捨丸は不満そうな表情になった。
「何しに来たって、ちょっとひどい言い方じゃない? 用がなきゃ、来ちゃいけないの?」
「気に障ったなら謝るよ。ごめん」
お七は、少しも気持ちのこもっていない口調で謝った。心ここにあらず、という感じだ。
すると、捨丸は小屋の中に入ってきた。彼女の隣にしゃがみ込んだ。
「やっぱり、ふたりのことが心配?」
「まあね。今頃、お京とお花は桃助の奴と戦ってる……あの子が負けることはないだろうけどさ」
そこで、お七は溜息を吐いた。少しの間を置き、話を続ける。
「そうしたら、復讐も終わりだよ。そしたら、あのふたりは何をするつもりなんだろうね」
「人のことよりさ、自分はどうすんのよう。お七さんは、これから何すんの?」
「本音を言うなら、さっさと江戸を出ていきたいよ。江戸には、嫌な思い出が多すぎる。桃助を片付けたら、ふたりと一緒に江戸を出たいよ」
途端に、捨丸の表情が曇る。
「んなこと言わないでよ。せっかく仲良くなれたのにさ、これでお別れなんて切なすぎるじゃない」
「へっ、からかうんじゃないよ」
吐き捨てるような口調で言ったお七だったが、次の瞬間、予想もしなかった言葉を吐かれる──
「からかってなんかいないよ。俺、お七さんのことが好きだ」
「は、はあ!? な、何を言ってるんだい!?」
顔を真っ赤に染めながらも、どうにか怖そうな目で睨みつける。だが、捨丸は怯まない。
「何を言ってるって、そのまんまだよ。俺は、お七さんのことが好きだ」
「ふ、ふざけんじゃないよ! あたしを馬鹿にしやがって! 怒るよ!」
「俺、馬鹿にしてなんかいないよ。本気だから。あんたのことが、本当に好きなんだ」
いつもと違い、その表情は真剣だ。お七を見る目には、真っ直ぐな感情がこもっている。その純粋さがあまりにも眩しく、彼女は思わず目を逸らし俯いた。
そんなお七に向かい、捨丸はなおもにじり寄っていく。
「ねえ、俺と一緒にならない? そしてさ、ここで医者やればいいじゃん。俺、何でも手伝うよ。医者の仕事も、ちゃんと覚えるからさ」
言いながら、手を伸ばした。お七の手を、そっと握る。しかし、彼女はその手を振り払った。直後、立ち上がり捨丸を睨む。
「い、いい加減におし! さっさと失せな!」
怒鳴ったが、その声は上擦っている。
「わかったよう。でもさ、俺は本気だからね。今の話、考えといてよ」
そう言うと、捨丸は立ち上がった。くるりと向きを変える。
「じゃあ、また来るからね」
その声とともに去っていった。
直後、お七はしゃがみ込んだ。胸の高鳴りは、まだ続いている。
しばらくの間、彼女は動くことが出来なかった。ただ、ぼろぼろの床板をじっと見つめるだけだった。
・・・・・
翌日──
「ほほほうぅ、桃助ちゃん死んだのぅ。そりゃもう、いとをかしだねぇ」
「はい」
「英吉利じゃあさぁ、こんな時なんて言ったっけなぁ。わんだふおぉだっけなぁ、びゅうてぃふおぉだっけなぁ」
「は、はい?」
「じゃあさぁ、桃助を殺ったの誰か調べてよぅ」
この桃助、一応の身分は侍らしいが……本業は、偉い奴の太鼓持ちみたいなもんだ。腕の方は、からっきしだとも聞いている。まあ、雉間や犬飼兄弟に比べりゃ楽なもんだろう。今回は、あっけなく終わりそうだな。
しかし、ひとつ妙なことがある。奴らが尾仁之村を襲った理由……そいつが、今ひとつはっきりしねえ。一万両のお宝が村に眠っているって噂に騙されたそうだが、桃助はしょせん道化侍だ。そんな大それた話を持ち込まれるような器量はないんだよ。
こいつには、どでかい裏があるんじゃねえか……そんな気がするぜ。ま、どんな裏があろうと俺には関係ないけどな。
・・・
森の中、かたかたと音を立て箱車が進んでいく。乗っているのはお京で、車を押すのはお花だ。傍らには、藤村左門が付いて歩く。
まだ日は高く、頭上に生い茂る枝葉の隙間から陽の光が射している。地面はでこぼこだが、どうにか進むことは出来た。
「その桃助とやらは、どんな奴なのです?」
不意に、お花が聞いて来た。
「俺もよくはわからんが、侍くずれの傾奇者らしいぜ。まあ、実際のところは旦那衆に取り入っては小遣いを貰ってる道化者だけどな」
「なんだい、そりゃあ……そんな奴が、村のみんなを殺したっていうのかい」
怒りの表情を向けるお京に、左門は頷いた。
「そうだよ。念のため聞くが……お前の村には、御大層な宝物が隠されていたとか、そういうことはなかったんだな?」
「当たり前だよ。みんな貧乏だったし、宝物があるなんて話も聞いたことない」
「となると、馬鹿な奴らが馬鹿な噂を真に受けて、わざわざ山奥の村を襲った。挙げ句に、住民を皆殺しか……なんとも救いようのねえ話だな」
呆れた様子で、かぶりを振った左門。直後、憐れむような目でお京を見た。
「お前も、つくづく運の悪い女だな」
「運が悪いじゃ済まされないんだよ。桃助は、あたしが殺す」
進んでいく三人の視界に、一軒のあばら家が入ってきた。長いこと手入れをされていなかったらしく、壁には穴が空いている。
やがて、小屋の前で車は停まった。左門が、十手で戸を叩きながら声を出す。
「おーい、ちょっと出て来てくれよ。聞きてえことがある」
少しの間を置き、ひとりの男が顔を出した。一応は髷を結ってはいるが、頭には鉢巻を巻いており耳には飾りを付けている。着物は虎縞柄だ。なんとも統一感のない出で立ちである。
そんな桃助だが、左門を見るなりぺこぺこ頭を下げた。
「お、お役人さま……どうかしなさったんですか?」
かつて侍だったとは思えぬ卑屈な態度だ。左門は、にこにこしながら語りかけた。
「いやあ、大した用じゃないんだけどよ、ちょっと出てきてくれや」
言いながら、半ば強引に桃助を連れ出す。桃助は、何が何だかわからぬまま外に出た。
しかし、待っていた者に気づいた途端、顔面が蒼白になる──
「よう桃助、久しぶりだね。会いに来てやったよ」
その台詞で充分だった。ひっと声をあげ、逃げ出そうとした。
同時に、お京が独楽を放つ。強烈な一撃が膝を襲い、桃助は無様に転倒した。独楽が当たった衝撃で、膝の皿が砕けてしまったのだ。両手で膝を押さえ、呻き声をあげる。
だが、すぐさま両の手のひらを前に突き出した。助けてくれ、と懇願する体勢だ。
「ちょっと待ってくれ。まずは、落ち着こう。な? ちょっとだけ話を聴いてくれ」
「なんだい? 言いたいことがあるなら聞いてやるよ」
「俺は、確かにひどいことをしたよ。だがな、俺は命令されてやったんだよ」
「命令? 誰に?」
「そ、それはだな……」
桃助は言いよどみ、目線をあちこちに動かす。どうやって丸め込むか、必死で考えを巡らせているのだろう。
そんな桃助に、お京は冷たく言い放つ。
「言えないのかい。どうせ嘘なんだろうが」
すると、桃助はかぶりを振った。
「あのな、俺は悪くないんだよ。殺ったのは、全部あいつらだ。俺は、ひとりも殺してない」
「ても。お前が殺らせたことに変わりはないよね」
「えっ? いや、あの、その……」
「何も言えないなら。さっさと死にな」
直後、お京は短刀を抜いた──
・・・・
その頃。
お七は、住処にしている掘っ立て小屋で、ひとり物思いにふけっていた。
今、お京とお花が何をしているかはわかっている。これで、全てが終わるのだ。本来なら、喜ぶべきことのはずだった。しかし、お七の表情は冴えない。
果たして、これで終わりになるのだろうか。これから、お京とお花は果てのない修羅道を歩むのではないか……そんな予感がするのだ。
その時、外から声が聞こえてきた。
「お七さん、いる?」
聞き覚えのある声だ。お七は、面倒くさそうに答える。
「いるよ」
直後、ひょいと顔を見せた男がいる。捨丸だ。
「あんたかい。何しに来たのさ?」
彼の顔を一瞥し、尋ねるお七。その表情は、どこか虚ろだ。
すると、捨丸は不満そうな表情になった。
「何しに来たって、ちょっとひどい言い方じゃない? 用がなきゃ、来ちゃいけないの?」
「気に障ったなら謝るよ。ごめん」
お七は、少しも気持ちのこもっていない口調で謝った。心ここにあらず、という感じだ。
すると、捨丸は小屋の中に入ってきた。彼女の隣にしゃがみ込んだ。
「やっぱり、ふたりのことが心配?」
「まあね。今頃、お京とお花は桃助の奴と戦ってる……あの子が負けることはないだろうけどさ」
そこで、お七は溜息を吐いた。少しの間を置き、話を続ける。
「そうしたら、復讐も終わりだよ。そしたら、あのふたりは何をするつもりなんだろうね」
「人のことよりさ、自分はどうすんのよう。お七さんは、これから何すんの?」
「本音を言うなら、さっさと江戸を出ていきたいよ。江戸には、嫌な思い出が多すぎる。桃助を片付けたら、ふたりと一緒に江戸を出たいよ」
途端に、捨丸の表情が曇る。
「んなこと言わないでよ。せっかく仲良くなれたのにさ、これでお別れなんて切なすぎるじゃない」
「へっ、からかうんじゃないよ」
吐き捨てるような口調で言ったお七だったが、次の瞬間、予想もしなかった言葉を吐かれる──
「からかってなんかいないよ。俺、お七さんのことが好きだ」
「は、はあ!? な、何を言ってるんだい!?」
顔を真っ赤に染めながらも、どうにか怖そうな目で睨みつける。だが、捨丸は怯まない。
「何を言ってるって、そのまんまだよ。俺は、お七さんのことが好きだ」
「ふ、ふざけんじゃないよ! あたしを馬鹿にしやがって! 怒るよ!」
「俺、馬鹿にしてなんかいないよ。本気だから。あんたのことが、本当に好きなんだ」
いつもと違い、その表情は真剣だ。お七を見る目には、真っ直ぐな感情がこもっている。その純粋さがあまりにも眩しく、彼女は思わず目を逸らし俯いた。
そんなお七に向かい、捨丸はなおもにじり寄っていく。
「ねえ、俺と一緒にならない? そしてさ、ここで医者やればいいじゃん。俺、何でも手伝うよ。医者の仕事も、ちゃんと覚えるからさ」
言いながら、手を伸ばした。お七の手を、そっと握る。しかし、彼女はその手を振り払った。直後、立ち上がり捨丸を睨む。
「い、いい加減におし! さっさと失せな!」
怒鳴ったが、その声は上擦っている。
「わかったよう。でもさ、俺は本気だからね。今の話、考えといてよ」
そう言うと、捨丸は立ち上がった。くるりと向きを変える。
「じゃあ、また来るからね」
その声とともに去っていった。
直後、お七はしゃがみ込んだ。胸の高鳴りは、まだ続いている。
しばらくの間、彼女は動くことが出来なかった。ただ、ぼろぼろの床板をじっと見つめるだけだった。
・・・・・
翌日──
「ほほほうぅ、桃助ちゃん死んだのぅ。そりゃもう、いとをかしだねぇ」
「はい」
「英吉利じゃあさぁ、こんな時なんて言ったっけなぁ。わんだふおぉだっけなぁ、びゅうてぃふおぉだっけなぁ」
「は、はい?」
「じゃあさぁ、桃助を殺ったの誰か調べてよぅ」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説

葉桜よ、もう一度 【完結】
五月雨輝
歴史・時代
【第9回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作】北の小藩の青年藩士、黒須新九郎は、女中のりよに密かに心を惹かれながら、真面目に職務をこなす日々を送っていた。だが、ある日突然、新九郎は藩の産物を横領して抜け売りしたとの無実の嫌疑をかけられ、切腹寸前にまで追い込まれてしまう。新九郎は自らの嫌疑を晴らすべく奔走するが、それは藩を大きく揺るがす巨大な陰謀と哀しい恋の始まりであった。
謀略と裏切り、友情と恋情が交錯し、武士の道と人の想いの狭間で新九郎は疾走する。
鎌倉最後の日
もず りょう
歴史・時代
かつて源頼朝や北条政子・義時らが多くの血を流して築き上げた武家政権・鎌倉幕府。承久の乱や元寇など幾多の困難を乗り越えてきた幕府も、悪名高き執権北条高時の治政下で頽廃を極めていた。京では後醍醐天皇による倒幕計画が持ち上がり、世に動乱の兆しが見え始める中にあって、北条一門の武将金澤貞将は危機感を募らせていく。ふとしたきっかけで交流を深めることとなった御家人新田義貞らは、貞将にならば鎌倉の未来を託すことができると彼に「決断」を迫るが――。鎌倉幕府の最後を華々しく彩った若き名将の清冽な生きざまを活写する歴史小説、ここに開幕!
【淀屋橋心中】公儀御用瓦師・おとき事件帖 豪商 VS おとき VS 幕府隠密!三つ巴の闘いを制するのは誰?
海善紙葉
歴史・時代
●青春真っ盛り・話題てんこ盛り時代小説
現在、アルファポリスのみで公開中。
*️⃣表紙イラスト︰武藤 径 さん。ありがとうございます、感謝です🤗
武藤径さん https://estar.jp/users/157026694
タイトル等は紙葉が挿入しました😊
●おとき。17歳。「世直しおとき」の異名を持つ。
●おときの幼馴染のお民が殺された。役人は、心中事件として処理しようとするが、おときはどうしても納得できない。
お民は、大坂の豪商・淀屋辰五郎の妾になっていたという。おときは、この淀辰が怪しいとにらんで、捜査を開始。
●一方、幕閣の柳沢吉保も、淀屋失脚を画策。実在(史実)の淀屋辰五郎没落の謎をも巻き込みながら、おときは、モン様こと「近松門左衛門」と二人で、事の真相に迫っていく。
✳おおさか
江戸時代は「大坂」の表記。明治以降「大阪」表記に。物語では、「大坂」で統一しています。
□主な登場人物□
おとき︰主人公
お民︰おときの幼馴染
伊左次(いさじ)︰寺島家の職人頭。おときの用心棒、元武士
寺島惣右衛門︰公儀御用瓦師・寺島家の当主。おときの父。
モン様︰近松門左衛門。おときは「モン様」と呼んでいる。
久富大志郎︰23歳。大坂西町奉行所同心
分部宗一郎︰大坂城代土岐家の家臣。城代直属の市中探索目附
淀屋辰五郎︰なにわ長者と呼ばれた淀屋の五代目。淀辰と呼ばれる。
大曽根兵庫︰分部とは因縁のある武士。
福島源蔵︰江戸からやってきた侍。伊左次を仇と付け狙う。
西海屋徳右衛門︰
清兵衛︰墨屋の職人
ゴロさん︰近松門左衛門がよく口にする謎の人物
お駒︰淀辰の妾
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
佐々木小次郎と名乗った男は四度死んだふりをした
迷熊井 泥(Make my day)
歴史・時代
巌流島で武蔵と戦ったあの佐々木小次郎は剣聖伊藤一刀斎に剣を学び、徳川家のため幕府を脅かす海賊を粛清し、たった一人で島津と戦い、豊臣秀頼の捜索に人生を捧げた公儀隠密だった。孤独に生きた宮本武蔵を理解し最も慕ったのもじつはこの佐々木小次郎を名乗った男だった。任務のために巌流島での決闘を演じ通算四度も死んだふりをした実在した超人剣士の物語である。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
独裁者・武田信玄
いずもカリーシ
歴史・時代
歴史の本とは別の視点で武田信玄という人間を描きます!
平和な時代に、戦争の素人が娯楽[エンターテイメント]の一貫で歴史の本を書いたことで、歴史はただ暗記するだけの詰まらないものと化してしまいました。
『事実は小説よりも奇なり』
この言葉の通り、事実の方が好奇心をそそるものであるのに……
歴史の本が単純で薄い内容であるせいで、フィクションの方が面白く、深い内容になっていることが残念でなりません。
過去の出来事ではありますが、独裁国家が民主国家を数で上回り、戦争が相次いで起こる『現代』だからこそ、この歴史物語はどこかに通じるものがあるかもしれません。
【第壱章 独裁者への階段】 国を一つにできない弱く愚かな支配者は、必ず滅ぶのが戦国乱世の習い
【第弐章 川中島合戦】 戦争の勝利に必要な条件は第一に補給、第二に地形
【第参章 戦いの黒幕】 人の持つ欲を煽って争いの種を撒き、愚かな者を操って戦争へと発展させる武器商人
【第肆章 織田信長の愛娘】 人間の生きる価値は、誰かの役に立つ生き方のみにこそある
【最終章 西上作戦】 人々を一つにするには、敵が絶対に必要である
この小説は『大罪人の娘』を補完するものでもあります。
(前編が執筆終了していますが、後編の執筆に向けて修正中です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる