悪役令嬢はやめて、侯爵子息になります

立風花

文字の大きさ
上 下
13 / 77
序章

心配事 キャロル9歳

しおりを挟む
しばらくジルに庭を歩いてもらって、気持ちが落ち着いたころ別邸にもどった。入口では不安そうな顔でマリーゼが私を待っていてくれた。

「お嬢様、ジルも一緒のようなので大丈夫と分かっておりましたが、心配いたしました」

 庭を散歩してもらっていたと告げるけど、その顔色は晴れない。そんな、マリーゼの腕に飛びついて、耳元でお願いごとをする。ジルにも秘密のお願い。不思議な顔をされたから用意していた小さなサプライズの理由を告げると笑顔で頷いてくれた。
 ごめんね、マリーゼ。この保険が必要になったら、きっと泣かせてしまう。許してね……。

 ダイニングでお茶を入れてもらいお母様を待つ。早く会いたい。でも、お母様はきっと私には何も話せない。力になれない私は、お父様がお母様を慰めてくれることを心から願う。
 暫くしてお母様はお父様と一緒に帰宅した。お父様にも話が伝わり早く帰ってくれたのだと思う。お父様がお母様の肩を抱いていつも通りの帰りの挨拶をする。お母様も変わらない笑顔を浮かべてくれている。お父様はいざという時は頼りになるのだ。そのまま大事な話があるからとお母様とお父様はお部屋に二人で移動する。

「お父様、お母様をちゃんと慰めて下さってるみたいです」

 周囲に誰もいないことを確認して、ジルに話しかける。いつも通りの二人の様子に、さっきまで何の味もしなかったお菓子が急に美味しくなる。
 温かいお茶を飲んで心が温まると、お母様がお父様が望む限り側にいると言っていた時の事を思い出す。あの時のお母様は本当にきれいだった。いつか私も誰かのことを想って、そんな風に言える時が来るのだろうか。そう思うと、未来の誰かに少し胸がどきどきした。
 突然、激しく何かが床に叩きつけられる音が階上からして、私は慌ててカップを置く。ジルを伴って階段を昇れば、お母様の部屋の前でお父様がお尻をさすっている。

「お父様、どうされたのです?」

 珍しく罰の悪そうな顔を浮かべるお父様のシャツはボタンが3つほどなくなって前がはだけてしまっている。ついでにジャケットの片袖は取れかかっていた。

「キャロルお嬢様、レオナール様は、ご自分の失敗の尻ぬぐいをされます。お目汚しですから早くお部屋に。ジル、お嬢様の結婚に対する夢が壊れるとかわいそうだ早くお連れしなさい」

 あきれ顔のクレイの言葉に、ジルが私を抱き上げてお部屋に向かう。ジルの肩越しにこっそり覗こうとしたら、抱き方を変えられて見えないようにされてしまった。でも、お母様のお部屋のドアを叩いて、なんだか必死に話しかけるお父様がちらりと見えた。謝罪の言葉と甘い言葉を重ねているのだろう。こんな時に夫婦喧嘩とは、お父様、なにやってるんですか?!

 一か月がたっても、お父様の謝罪は実らない。毎日抱えるような花束を持って帰り、頑張っているようなのだが、お母様はお父様と口をきかない。こんな事は初めてだ。何を失敗したらこうなってしまうのか。お母様を失うのが、おばあ様がどうにかするのではなくて、お父様に愛想をつかすだったらという考えまで頭をよぎる。
 今朝も、お父様を完全に無視し、お母様は食事が終わると早々に席をたつ。私との剣の練習も最近お休みがちで、若い貴族夫人と頻繁にお茶会を開いているようだ。お父様とは妙な雰囲気だけど、おばあ様に対抗するために頑張っているのだと、私は信じる……信じたい。
 おばあ様はその後、現れていない。ジルが確認したところ現在は海の美しい遠くの領地に戻られているそうだ。問題は解決していないどころか、おばあ様とお母様、お母様とお父様になって九歳にして私は胃が痛い。

「キャロル、いいお知らせだよ。先日選定した職人のワンデリアへの移住が終わった」

 お見送り前にお父様から急な報告。驚いてジルを見れば苦笑いしているので、また私を驚かせるために進捗をジルに秘密にさせたのだろう。最近元気のないお父様の為に、元二十三歳の大人の気遣いで、驚きと喜びを表現して見せる。

「すごいです! 私はもう少し支度がかかると思ってました」

 お父様が苦笑いする。既に有名な者や高い評価のあるものはワンデリアへの移住は断られる可能性が高かったので、技術は高いが工房ではあまり評価を受けていないものを選考に集めたそうだ。合格した3人の職人は新天地へ意気揚々と移住していったらしい。正直、先が思いやられる予感しかしない。

「それでだ。キャロルはワンデリアのあの村にはいつでも行っていいよ。ジルは必ず連れていくようにね! まだ魔法がつかえないから、私の魔力がこもっているお守りを用意した。ジルに預けるので使い方は聞きなさい」

 お父様が、銀の台座に赤ちゃんの握りこぶしぐらいの黒い球が嵌ったものを二つジルに手渡す。魔力をこめると言っていたから、前世で知るお守りとは用途も意味も違うのだろう。

「私まだ公になっていないのに行ってもいいんですか?」

「ワンデリアは人の出入りがないし。あの村は特に地下渓谷が近くて領民も7世帯で少ないし、大丈夫だろう。キャロルはこれから職人との打ち合わせも必要だろ?」

 以前、おじい様もワンデリアは用がなければ立ち寄るものがいないと言っていた。今後職人との綿密な打ち合わせは必要だし、商品の開発も関わりたい。自由に行くことができるようになるのは私にとって良い話だ。私を隠そうとした以前との違いに引っ掛かりを感じながらも頷いく。

「村代表のオルガにはキャロルのことは伝えてある。大爺で耳は遠いがいざという時には頼れる人物だよ。この後、早速向かうかい?」

「はい。行きたいです!」

「では、連絡を入れておくよ。それから、ワンデリアに常駐させているアングラード私兵にいた子を村に一人戻したから着いたら護衛につけるように」

 そこまで言うとお父様が、右手をくるりと回す。いつか、本邸でおばあ様の元に飛んできた小鳥と同じものが現れる。改めてしっかり見るととツバメを少し小さくして真黒にしたような鳥だ。伝達魔法で作られた小鳥はそらを駆けて消えていく。

「お父様。あの小鳥は、なんというの?」

「ああ、ツーガルだよ。暖かい土地を求めて長い距離を旅する渡り鳥だ。機能的な形をしていてアングラードの者はよく愛用しているから覚えてい置くといい」

 朝食のあと比較的動きやすい洋服に着替えて早速ワンデリアに向かうことにする。
 お父様の書斎で引き出しから肖像画を取り出す。肖像画の上にお菓子が一つ置いてあった。これは食べてもいいよ、ってことですね!
 壁にはまだ届かないのでジルに肖像画をかけてもらう。なんだかそわそわしてしまう。非魔法の前世から魔法のある世界に生まれ変わった私の、魔法への憧れはものすごく高い。期待を込めた瞳で手をジルに差し出すとちょっと微笑まれてしまった。

「お嬢様はまだ自分の魔力は自由に出せないので、このお守りの魔力を利用します。片方の手に握ってください。握ったお守りから何か感じたら、ゆっくりでいいので自分の体の中を通して反対の手に伝えていきます。初めは難しいので、お守りから魔力を感じられたら十分です」

 お守りというのは魔力と魔法を溜めるものだそうだ。使い方は二通りある。一つは前世でいうところの電池みたいな使い方溜めた魔力を引き出して様々なものに流用する。もう一つは、魔法発動装置。叩きつけて割ることで、魔力を込めた人間が設定した任意の魔法を発動すること。
 今回の主な利用方法は前者の電池の役割だ。左手にお守りを握りしめる。ちゃんと心地よい温かさを感じる。私は魔法を発動するためのイメージを膨らませる。扉は豆電球、私は銅線、お守りは電池! かっこよさはないイメージだけど私にはわかりやい。壁に手をつく。心地よい感覚が体を流れていく。頭の中の豆電球のイメージが点灯する。いけそう!

「アングラードの闇よ。道をひらけ!」

 私の声に応えて、室内の空気が変わる。私にとって心地よい空気。手の周囲の壁から靄がわき出て、慌てて私は手を放す。あの日と同じように無事、真っ暗な地下に続く通路が現れた。人生で初魔法|(借りモノ)が成功です!

「ジル、出来ました!」

「一度でできるなんて素晴らしい。魔力を流す感覚は初めてでは難しいはずです。キャロル様は才能がありますよ」

 魔力を流す感覚ではなく、小学校理科の豆電球実験の感覚だったのは言えない秘密だ。でも、上手くいって良かった。この調子でゲートもうまく作動させる。ゲートを抜けるときはジルに抱っこしてもらう。やっぱり暗闇の海に飛び込むのはまだ怖い。
 抜けると、すでにワンデリアの領民が待っていてくれた。一人はとてもお年を召した男性で多分オレガだと思われる。もう一人は、坊主頭にきれいにちょび髭を生やした粋な初老の男性。そして、年のころは十四歳ぐらいと思われる少女が一人。

「ようこそおいでくださった、アングラード・キャロル様! こちらが領代のオレガ、私は……オレガの息子ツゥール、あちらは護衛のクララです。」

 三人が膝をついて一礼する。ここで思わず吹き出してはだめと自制。頭を意識してつるさんと呼んではだめです。ツゥールさんです! ジルの腕から降りると心を落ち着かせてて、淑女の礼を返す。思わずツゥールさんの名前に先に反応してしまったが、護衛が若い少女であることに驚く。

「ご覧の通りオレガはすでに老齢ですので。今日は私が案内をさせていただきます。私のことは気軽にじぃじとでも呼んでください」

 やはり名前は気になるのか頭を撫でながらツゥールが提案してくる。私もその方がうっかり間違えないで済みそうなので、頷く。

「こちらの娘はクララです。ワンデリアに常駐しているアングラード家私兵におりましたので魔物討伐はお手の物です。この村の出身で周囲のこともよく存じております」

「こんにちは、キャロル様。お仕えできて、うれしいです。私兵として四年働きました」

 クララは赤茶色の癖髪に日焼けした肌が健康的な少女だ。お日様みたいな笑顔がとても魅力的。年齢が近そうなので後でゆっくりお話をしてみたい。さっそく、ツゥル……じいじに言って工房に案内してもらうことにした。
 館をでると、以前夜に広がっていた光景と違う世界が現れる。広がる果てしない白の世界。

「すごいです。昼間の景色も壮観です!」

「キャロル様! この景色もすごいけど地下渓谷もすごいですよ! 魔物がいます!! いきたくないですか? いきたいですよね? いつでもご案内しますから!!」

 熱のこもった目でクララが私を地下渓谷ツアーに誘ってくれる。地下渓谷もいづれぜひ行ってみたい。でも、いきなり出かけたらワンデリア行きの許可が取り消されそうだ。丁寧に日を改めてと辞退する。

 工房に行く道で現在の状況を説明してもらう。今年は魔物が少なく、今のところ襲撃は一度だけ二体小物が現れただけで済んでいるそうだ。その襲撃での住居の破損は0。丁度、護衛の任務につくためにクララが帰郷していたため、私兵団に来てもらうことなく討伐が完了したそうだ。住居の破損がなかったことを喜ぶ。

「この村は大変実験的な取り組みをさせていただいております。ワンデリアにあるアングラード領で一番厳しい立地の村でしたが、キャロル様が色々ご提案してくださるおかげでこの先が楽しみですなぁ」

「ありがとうございます!じいじ!もっと私も頑張るので、皆さんも頑張りましょう」

 実際に住んでいる領民にそう言ってもらえるのはとてもうれしい。もったもっと頑張っていきたいと思う。私の言葉にジィジもオレガもクララも嬉しそうに笑ってくれた。

 岩山に差し掛かると、激しい怒鳴り声が聞こえた。なんだか嫌な予感がする。
工房の前で、若い女性の職人と恰幅のいい職人がにらみ合っていた。

「この、くそ親父ーーーー!!!」

「うるせぇー。はねっ返りが!もう少しまともな細工してから偉そうな口ききやがれ」

 今日もやっていますな、とじぃじが呟く。どうやらこの光景は日常茶飯事になってきているらしい。何が原因なのかと聞けば、作品をお互いに作るのだが全く個性が合わず最後に罵り合いになるとのことだ。他人ならば本来遠慮したり配慮できるけど、親子だから気安くなんでも言い合えるのが裏目に出ているようだ。

「キャロル様。どうにもあの二人には困っております。もう一人の職人は二人の争いには一切関わらない態度で仲裁もいたしません。何とかしていただけませんか?」

 じぃじが頭を下げた。工房の運営は三人のバランスが大事だと思っている。このままではいけない。

「わかりました。頑張ります。ジル、クララあの二人を抑えて工房の中へ。じぃじはもう一人の職人を連れてきてください」
しおりを挟む
感想 35

あなたにおすすめの小説

運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。

ぽんぽこ狸
恋愛
 気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。  その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。  だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。  しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。  五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。

俺が悪役令嬢になって汚名を返上するまで (旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

南野海風
ファンタジー
気がついたら、俺は乙女ゲーの悪役令嬢になってました。 こいつは悪役令嬢らしく皆に嫌われ、周囲に味方はほぼいません。 完全没落まで一年という短い期間しか残っていません。 この無理ゲーの攻略方法を、誰か教えてください。 ライトオタクを自認する高校生男子・弓原陽が辿る、悪役令嬢としての一年間。 彼は令嬢の身体を得て、この世界で何を考え、何を為すのか……彼の乙女ゲーム攻略が始まる。 ※書籍化に伴いダイジェスト化しております。ご了承ください。(旧タイトル・男版 乙女ゲーの悪役令嬢になったよくある話)

暁にもう一度

伊簑木サイ
ファンタジー
成り上がり貧乏辺境領主の後継者ソランは、金策のため、「第二王子を王太子になるよう説得できた者に望みの褒美をとらす」という王の頼みごとを引き受けた。 ところが、王子は女嫌いということで、女とばれないよう、性別を隠して仕えることになる。 ソランと、国のために死に場所を探している王子の、「死なせない」と「巻き込みたくない」から始まった主従愛は、いつしか絶対に失いたくない相手へと変わっていく。 けれど、絆を深めるほどに、古に世界に掛けられた呪いに、前世の二人が関わっていたと判明していき……。 『暁に、もう一度、あなたと』。数千年を越えて果たされる、愛と祈りの物語。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

知らなかったら…

水姫
恋愛
こんな話もありなはず……。 「…えっ?」 思い付きで書き始めたので、見るに耐えなくなったら引き返してください。裏を読まなければそんなにヤンデレにはならない予定です。

悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!

ペトラ
恋愛
   ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。  戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。  前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。  悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。  他サイトに連載中の話の改訂版になります。

冷遇されている令嬢に転生したけど図太く生きていたら聖女に成り上がりました

富士山のぼり
恋愛
何処にでもいる普通のOLである私は事故にあって異世界に転生した。 転生先は入り婿の駄目な父親と後妻である母とその娘にいびられている令嬢だった。 でも現代日本育ちの図太い神経で平然と生きていたらいつの間にか聖女と呼ばれるようになっていた。 別にそんな事望んでなかったんだけど……。 「そんな口の利き方を私にしていいと思っている訳? 後悔するわよ。」 「下らない事はいい加減にしなさい。後悔する事になるのはあなたよ。」 強気で物事にあまり動じない系女子の異世界転生話。 ※小説家になろうの方にも掲載しています。あちらが修正版です。

処理中です...