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第1章
はじめて *
しおりを挟む鎖骨から首筋にけて辿るように、水無瀬の唇がなぞり、カリッと耳を噛む。それを何度か繰り返してから、耳の縁をなぞるように舐め上げられた。
「......ふ......ぁ...」
舌が耳に挿し入れられ、くちゅっという音が直接脳に響いてくる。水無瀬の息遣いとその水音が混ざって、これ以上ないくらいに了を煽っていた。
「ひゃっ...それ、だめ......」
舌が奥まで差し込まれる度に、腰に甘い痺れが溜まっていく。はしたなく腰が揺れそうになるのを辛うじて堪えていた。
限界を訴えようとしたとき、耳にキスをして唇が離れていった。水無瀬に触れたくて、頬に向かって伸ばした左手を絡めとられ、薬指を甘噛みされる。
「ぁ、はっ...う......」
「指、弱いんだ?」
了の反応を見て、水無瀬はそのまま指を口に含み、指と指の間をチロチロと舌で愛撫する。もどかしい痺れが腕全体へと広がっていって、艶っぽい呻きが漏れた。
その刺激に夢中になっているうちに、水無瀬の空いている方の手がTシャツの中に入ってきた。冷たくはないが、ゆっくりと上に這い上がってくる感覚に思わず身を捩る。
「んっ...!」
爪が乳首に当たり、身体が跳ねた。指への愛撫が止み、胸までたくし上げた服の下で、指の腹がクリクリと乳首を転がす刺激に腰が浮く。
「...ふ......はぁ...あっ...」
口に含んで飴のようにコロコロ転がしたり、舌でぎゅっと押し潰したり。もどかしげな了の反応を楽しむような愛撫を続けながら、水無瀬の手は服を脱がしていく。下着に手がかかり、そっと取り除かれた。
赤く腫れ上がった乳首から口を離した水無瀬の視線が下へスライドしていくのを見て、浸っていた快感から引き戻された。
『汚れた使い古し』
男の言葉が頭に響き、一瞬で熱が冷めていく。今さら不安が沸き上がってきて、蕩け始めていた身体が固く強張った。
幻滅、されるかもしれない...
足を開こうとする水無瀬の手に反射的に小さく抵抗すると、その手はピタリと動きを止めた。
「...なんで震えてる?」
「...っこわい...」
がっかりされないか不安で怖い...
「怖いって...初めてじゃないんだから」
困ったように苦笑いする水無瀬をきつく睨み付けた。
「っはじめて、だよ!好きな人とするのは......!」
顔に血が昇る。不安で、怖くて、恥ずかしい。
俺は何を叫んでるんだ、と恥ずかしくなるよりも先に、水無瀬の表情から目を離せなくなった。
わ......
水無瀬さん、顔あか...
「お前、それずるいわ...」
一度、足から手を離した水無瀬はそっと了に口付けてから、耳元で囁いた。
「きれいだよ、了くん」
......俺って意外と単純、かも
その声に、言葉に、一瞬にして怖いのなんか吹き飛んでしまった。
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