レンズに映る君の姿

夕悠

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我慢

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はぁ...なんなのさ!休講ならもっと早く連絡してほしいんだけど!
あぁ~~ 風太に会いたい...通話もしてるのに会えないのがこんなにつらいとか知らなかった
声だけじゃなくて本体に会いたいなぁ
「ただいま~」
って一人暮らしなのに誰に言ってるんだよ...
「おかえりなさい」
え?
「風太?」
「そうですよ おかえりなさい、凪さん」
「ついに幻覚を見るほどになってしまったのかぁ」
「幻覚じゃないですよ」
「なんで...」
「我慢できなくなってっていうのもあるんですけど伊織先輩と凪さんのお母さんから心配だから見てきてほしいって頼まれて」
「心配って知ってるでしょ。運動以外ならだいたいなんでも出来るって」
「そうですか。質問なんですけど昨日いつ寝ました?」
「昨日...朝に一時間だけ」
「流しを使った形跡がないんですがご飯食べてます?」
「えっとにんじん食べた!あと大根も」
「にんじん単体ですか?生じゃないですよね」
「皮むいただけだけど...野菜スティックと同じでしょ?」
「違いますよ...はぁ、あとこの部屋の惨状はなんですか」
「本と紙だらけじゃないですかどこで寝てるんですか」
「そのへんの床?」
「布団は?」
「場所取るしいいかな~って」
「なんで一人になると生活能力皆無になるのか」
不思議だねぇ
「取り敢えず凪さんは部屋を片付けてください。俺はご飯作りますから」
「は~い」
「あと布団は凪さんの家から送ってもらいましょう」
「いろいろありがとね。ところで風太」
「なんですか?」
「敬語は卒業するまでじゃなかったの?」
「...そうだな」
「頼まれたからだとしても会いに来てくれて嬉しかったよ」
「声だけじゃなくてこうやって会いたかったから」
「俺もだよ。我慢なんて出来なかった」
「そうだね。ところで今日泊まってく?」
「凪がいいって言うならそのつもりで来た」
「僕が断るはず無いのに あっ!でも布団がないな...座布団出すか」
「一晩くらい大丈夫でしょ、それより片付けないと寝る場所がないぞ」
「風太が大丈夫ならいっか。じゃあ頑張って片付けるね!」

この先の人生とか想像もつかないけど僕はきっとずっと君の隣にいるんだろうね




おわり
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