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絶体絶命!?

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「どうしよう、どうしよう・・・」

私は今、なるべく登校を遅らせるような足取りで下を向き、ぶつぶつと独り言を言っていた
周囲の人々がその異様さに自然と彼女に道を譲っていたが、当の本人だけがそれに気付かずに重い空気をまとわりつかせながら足を進めていた

「どうか、2人に会いませんように!!そしてあわよくば2人の記憶からアノコトがキレイサッパリ抹消されていますように!!!」

突然、顔を上げて、祈るように手を胸の前で組んでこのようなことを叫んだ
すると余計に周囲との距離が開くという不思議な光景が繰り広げられた
そこに後ろから黄色い声と共に誰かが走ってくるのが見えた
下を向いていた彼女はその声に反応して後ろを振り返った

「ヤ、ヤバイ・・・!!」

その人物を目視した彼女は急いで近くにあった車の影に隠れて彼が通り過ぎるのを待った

「あ、危なかったぁ・・・!!」

バクバクと動く鼓動をなだめながら彼女ーー綾小路桜は安堵の吐息を吐いた

相崎煉は学校に着くと、真っ先に向かう所があった
目的の教室を覗いてみたが、会いたい人物はまだ来ていないようだ
そこで、彼は待つことにした
もちろん教室の前で・・・
しかし、彼は周りが遠巻きにこちらを見ながら何かこそこそと話しているのを見て、舌打ちを1回した後睨み付けて相手を黙らした

「何やってんだ俺は・・・」

彼は思わず昨日のことを回想しながらそんな愚痴をこぼす
今までの自分からしたらあり得ない行動に胸に苦いものが広がる
それから、彼は彼女が現れるであろう教室に鋭い視線を向け、じっと待つのであった

隣の家の扉の前で篠崎拓海は幼なじみが出てくるのを待っていた
しかし、いくら待っても出てくる気配が無いため仕方なくインターホンを鳴らして所在確認をしたところ、もうすでに出ていると言われた

「クソッ、やられた・・・!!」

詳細を聞くと彼女は勝手口から出たということだった
今からならまだ間に合うかもしれないと思い、学校まで走ったが追い付くことは叶わなかった
彼の敗因は、彼が走る姿に女子生徒達が黄色い声を上げて女子に囲まれるという彼の王子様キャラのせいであった

「おかしいな、追いつけると思ったんだけど・・・」

そう呟き、彼女が居るであろう教室に向かった

教室の近くに行くとなぜかそこだけ緊迫した空気が漂っていた

「・・・?」

その中心を見ると、今一番会いたくない人物がいた
拓海は彼の近くまで行き、同じように並んだ

「なんでお前が居るんだよ・・・!」

彼は笑顔のまま相手だけに聞こえる程のドスのきいた小声で言った

「あ゙?てめえこそなんでいんだよ・・・!」

こちらも小声だったが顔は拓海とは対照的に眉間に皺が寄っていた

「桜に会いに来たからだ」
「ふっ、残念だったな、あいつならまだだぜ」
「な、何?」

拓海は当然その事を不思議に思った

「そんなはず・・・」

確かに彼は家からここまで桜を探しながら、走ってきたはずだった
それで見つけられなかったと言うことは見落としがあったということだ
それから彼の頭はフル回転した

『見落としたということは俺が見なかった瞬間があったもしくは、相手が隠れたということだ』

そこで、何かが引っかかった

「隠れた・・・?」

そもそも隠れるには標的を目視しなくてはならない

「どうやって?・・・・・っ!!」

その時、1回だけ自分の周りに女子が集まって来たのを思い出した

「あの時かっ・・・!!」

拓海はその時のことを思い出し、ひとり項垂れた

しかし、そんな拓海も煉も最大の過ちには気付かなかった

とても目につく場所にとても目立つ2人が揃って彼女の教室の前の廊下を陣取り、異様な空気を醸し出していることを―――

その頃、桜はと言うと壁から少し顔を出し、敵の様子を伺う

「どうしよう、なんで2人ともあそこにいるの?」

桜はひたすらに彼らがどこかに行ってくれるのを待った
するとその願いが聞き届けられたのか2人揃って去っていった
しかし、そのあとすぐにチャイムが鳴ったので急いで壁から出て教室に駆け込んだ

「朝から疲れた・・・」

自分の席に着いた桜はボソッと囁き、すぐさま今後の対策案を考えた
だが桜は気力が萎えたため、すぐに考えるのを放棄した

「もう、いや・・・!!!」

そう小さく叫んだが、その声も虚しく担任がクラスの出欠をとる声に掻き消された
_____________________________________
投稿が遅くなってしまい、すみません・・・

今回は、続けて投稿しますのでどうかよろしくお願いいたします!!
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