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第二十七話 いつか、その日がきたら2★
しおりを挟む「んっ、は…っ……」
俺の舌を貪りながら、衣服を脱がしていくタクトスの手。その手つきはもう慣れたものだ。俺はあっという間に裸体にされた。
もう何度も経験しているとはいえ、未だに裸体を見られるのは気恥ずかしい。部屋が薄暗いのがせめてもの救いだ。
「あっ、んんっ」
俺の口内を堪能したタクトスの舌が、今度は胸の果実を甘かじりする。押し潰したり、こねくり回したり、吸ったり。与えられる甘い刺激に喘ぎ声が止められなくて、口元を手の甲で押さえるけど、喘ぎ声が漏れ出てしまう。
「ああっ……」
緩やかに反応している下半身まで同時に扱かれると、ううっ……気持ちいい。どんどん硬度が増していくのが分かる。やがて、クチュクチュと先走りによる水音が立つようになって、羞恥心でいっぱいだ。感じているっていう証拠だもん。
それは表情にも出ているのか、胸の突起から口を離したタクトスがくすっと笑った。
「可愛いね、セラフィル」
い、いちいち言うな。恥ずかしいだろ。
軽く睨み上げても、タクトスはどこ吹く風だ。愛撫は続く。
愛のこもった優しい前戯に感じさせられていると、ふと俺の下半身を握っていたタクトスの手が離れた。指先で先端の窪みから先走りを掬い取り、それを俺の双丘の最奥――窄まりに塗りたくる。あ、とうとう本番だ。
タクトスも衣服を脱ぎ捨て、怒張したものを俺の後孔にあてがう。
「挿れるよ」
「う、うん」
挿入される感覚は、どうにも慣れない。痛いっていう意味じゃなくて、なんていうか……やっぱり異物が侵入してくる感じが拭えないというか。前世の記憶の影響かな。
それでも、俺の後孔はずぶずぶとタクトスを飲み込み、受け入れる。ゆっくりと抽挿を開始されたら、中を擦りつけられる快楽で頭が真っ白になっていく。
と、喘ぎ声を抑えている手を、シーツに縫い付けられた。
「もっと可愛い声を聞かせて」
甘い睦言のように言うけど、いやだから恥ずかしいんだよ!
そう言い返したいのに、口から出るのは嬌声。
「あっ、あぁっ、んんっ!」
正常位の体勢で、奥まで何度も何度も突き上げられる。俺の中はもうすっかりタクトスの形になっているから、全体で快感が生まれる。
俺はタクトスの首裏に腕を回して、ついしがみついた。そんな俺の背中を抱き返したタクトスが、耳元に優しく囁く。
「本当に可愛いな。ずっとこうしていたくなる」
揺さぶりがどんどん激しさを増していく。
……ううっ、もうダメだ。イ、く!
俺の喘ぎ声からそれを察したのか、タクトスの雄棒が一際強く俺を貫いた。
「――ッッ!」
衝撃で、俺は果てる。同時に中がキュンと締まってタクトスを締め付けてしまった。
中に熱い蜜液が迸る。タクトスも達したみたいだ。
俺たちは息を弾ませながら見つめ合い、触れるだけのキスをした。
「愛しているよ。セラフィル」
「お、れも……愛してる」
互いに微笑み合う。
タクトスとの恋愛ルートなんて、初めて会った時には想像もしていなかったな。
モブ兄に転生した俺は、弟の身代わりになって婚約破棄される予定だったけど、今は――愛する伴侶から溺愛されています。
○○○○○○○
これにて第一部は完結です。お付き合いくださり、ありがとうございました!
最後、未来軸に飛んで性描写を入れましたが、第二部はまた貴族学校時代のお話です。
思った以上に区切りよく終わったのでこのまま完結しようかと迷ったのですが……続きの構想自体はあるのと、書きたいお話があるのとで、連載を続けようと思います。
引き続き、お付き合いいただけたら嬉しいです。
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