58 / 68
第六章 これからの私たち
54.解ける誤解
しおりを挟む
「――それから俺は金になる仕事はなんでもやった。のし上がるためには、時には非情と思われる行為でさえ、ためらいなくやっていた」
グレンの告白を聞き、胸がギュッとしめつけられた。
「あの時、お父さまの船に乗っていたのは――あなただったのね」
おぼろげたが記憶にある。
青い瞳が印象的な、綺麗な顔立ちをした、自分とそう歳の変わらない少年。
皆の前で痛めつけられる姿に、たまらなくなって飛び出して行ったことも。後日、お父さまから子供が事業に口をはさむなと、こってり怒られたことも記憶にある。
そっと手を伸ばし、グレンの頬に触れる。
グレンは目を見開き、手に頬ずりをした。
「俺ががむしゃらに生きてきたのは、あんたの側にいたかったからだ」
真っすぐに目を見つめながら告白するグレンの言葉を聞き、胸が高鳴る。
「あんたと並ぶに相応しい立場になろうと、必死だったんだ」
熱っぽい視線を投げてくる彼に、今なら素直になれる気がした。
「……私、聞いてしまったの」
「なにを?」
「婚約してから誘われた、舞踏会で……」
私は戸惑いながらも、すべて話す決心がついた。
グレンと友人たちとの会話から、自分のことは貴族という身分が欲しいがためだけの、割り切った政略結婚だと思ったと、淡々と口にした。
「お嬢さまはお嬢さまらしく、綺麗な鳥かごにいるのがお似合いだ、って聞こえてしまったの」
さすがに当時の辛さを思い出し、グッと涙をこらえた。
「表向きは私が妻だけど、着飾って閉じ込めておけばいいと思ってるのかと……」
だから度重なる贈り物をしたのかとさえ、思っていた。
私の告白を聞き、グレンは目を丸くした。
「それは絶対にない!!」
グレンは私の手を握り、ギュッと強く引き寄せた。彼の胸に飛び込む体勢になる。
「俺は爵位も身分もなにもいらない。ただ、あんただけが欲しかったんだ」
真剣な様子に息をのむ。
「誤解させた言い方をした俺が悪かった。だが俺は――結婚してくれるなら、絶対大事にすると誓っていたんだ。装飾品やドレス、欲しがる物をすべて与えて、ドロドロに甘やかしたかった。俺なしじゃ、生きていけないと思えるほど、俺だけを見て欲しかった。他の男の目に触れさせたくないほど」
ギュッと私を締め付ける拘束は緩みそうにない。
「あそこにいた奴らも、表面上では友人を装ってはいるが、内心、平民上がりの俺のことを憎くて蹴落としたいと思っている奴もいるはずだ。そんな奴らに俺がルシナを大事にしていると知られるわけにはいかない」
「なぜ……?」
「俺の弱みを知れば、害が及ぶ確率があがる。それだけは絶対に避けなければならない」
それは彼のこれまでの生き様が決して平坦な道ではなかったことを示している。
人に恨まれることもあったかもしれない。その矛先が私に向かないように、わざと素っ気ない態度をとり、本心を隠したのだろうか。
「だが、すべて間違っていた」
グレンは私の肩越しに言葉を続けた。
「本当は大事なら胸を張って、宣言するべきだった。こそこそと大事なものを隠すのではなく堂々と、そして手を出す奴には容赦しないと思わせればよかったんだ」
グレンは静かに息を吐き出した。
「そうすれば連れ去られるなんて、なかったかもしれない」
グレンの声からは後悔の念を感じ取る。
ああ、私を守ろうとして虚勢をはったのね。彼なりの守り方だったのだ。不器用だけどーー。
だけど次第に胸にある感情が広がる。
嬉しい、そしてくすぐったい気持ちになる。
思わず笑みがこぼれた。
そっと顔を上げ、グレンを見つめた。
「私たち、会話が足りなかったみたいね」
そう最初から素直になって会話をしていれば、ここまでこじれることはなかったはずだ。
お互いがどこかで意地を張っていたのかもしれない。
無言になって見つめあう。
彼の視線が熱を帯び、私の全身が熱くなってくる。
急に恥ずかしくなり、サッと視線を逸らす。
彼の視線に耐えられなくなったのだ。
その時、スッと手が伸びてきた。優しく頬に触れ、グッと前を向かされた。ドキドキしてしまう。熱っぽい視線にうるんだ瞳。
「どうしたの……?」
彼はなにか私に言いたいことがあるのだろうか。
「口づけを――してもいいか?」
不意の問いかけに心臓がはねた。
わざわざ聞いてくるところが、律儀な人だと思う。
カアッと顔が真っ赤になり、口ごもる。グレンは私をジッと見つめ、返答を待っている。
彼と口づけする、それは嫌なのかしら?
自分の心に問いかけてみる。
ううん、嫌じゃない。答えはむしろ――。
ごくりと息をのみ、静かに視線を合わせた。そして小さくうなずいた。
「ルシナ……」
熱っぽい視線が徐々に下がり、グレンの顔が近づいてくる。
私はギュッと目を閉じた。
柔らかな感触を唇に感じ、緊張から体に力が入る。
最初はついばむような、優しい口づけに、徐々に緊張がほぐれてきた。
手を背中に回され、ギュッと抱きしめられた。
胸の温かさに安堵を感じる。
変なの私。まるでここはずっと自分の居場所だったみたいに、落ち着く……。
静かに身を任せ、目を閉じた。
グレンは私を抱きしめながら、耳元でささやいた。
「ずっと好きだった。必ず手に入れたいと願っていたんだ」
吐息が耳にかかり、くすぐったい。
「だから――白い結婚なんてやめてもいいか」
グレンの告白を聞き、胸がギュッとしめつけられた。
「あの時、お父さまの船に乗っていたのは――あなただったのね」
おぼろげたが記憶にある。
青い瞳が印象的な、綺麗な顔立ちをした、自分とそう歳の変わらない少年。
皆の前で痛めつけられる姿に、たまらなくなって飛び出して行ったことも。後日、お父さまから子供が事業に口をはさむなと、こってり怒られたことも記憶にある。
そっと手を伸ばし、グレンの頬に触れる。
グレンは目を見開き、手に頬ずりをした。
「俺ががむしゃらに生きてきたのは、あんたの側にいたかったからだ」
真っすぐに目を見つめながら告白するグレンの言葉を聞き、胸が高鳴る。
「あんたと並ぶに相応しい立場になろうと、必死だったんだ」
熱っぽい視線を投げてくる彼に、今なら素直になれる気がした。
「……私、聞いてしまったの」
「なにを?」
「婚約してから誘われた、舞踏会で……」
私は戸惑いながらも、すべて話す決心がついた。
グレンと友人たちとの会話から、自分のことは貴族という身分が欲しいがためだけの、割り切った政略結婚だと思ったと、淡々と口にした。
「お嬢さまはお嬢さまらしく、綺麗な鳥かごにいるのがお似合いだ、って聞こえてしまったの」
さすがに当時の辛さを思い出し、グッと涙をこらえた。
「表向きは私が妻だけど、着飾って閉じ込めておけばいいと思ってるのかと……」
だから度重なる贈り物をしたのかとさえ、思っていた。
私の告白を聞き、グレンは目を丸くした。
「それは絶対にない!!」
グレンは私の手を握り、ギュッと強く引き寄せた。彼の胸に飛び込む体勢になる。
「俺は爵位も身分もなにもいらない。ただ、あんただけが欲しかったんだ」
真剣な様子に息をのむ。
「誤解させた言い方をした俺が悪かった。だが俺は――結婚してくれるなら、絶対大事にすると誓っていたんだ。装飾品やドレス、欲しがる物をすべて与えて、ドロドロに甘やかしたかった。俺なしじゃ、生きていけないと思えるほど、俺だけを見て欲しかった。他の男の目に触れさせたくないほど」
ギュッと私を締め付ける拘束は緩みそうにない。
「あそこにいた奴らも、表面上では友人を装ってはいるが、内心、平民上がりの俺のことを憎くて蹴落としたいと思っている奴もいるはずだ。そんな奴らに俺がルシナを大事にしていると知られるわけにはいかない」
「なぜ……?」
「俺の弱みを知れば、害が及ぶ確率があがる。それだけは絶対に避けなければならない」
それは彼のこれまでの生き様が決して平坦な道ではなかったことを示している。
人に恨まれることもあったかもしれない。その矛先が私に向かないように、わざと素っ気ない態度をとり、本心を隠したのだろうか。
「だが、すべて間違っていた」
グレンは私の肩越しに言葉を続けた。
「本当は大事なら胸を張って、宣言するべきだった。こそこそと大事なものを隠すのではなく堂々と、そして手を出す奴には容赦しないと思わせればよかったんだ」
グレンは静かに息を吐き出した。
「そうすれば連れ去られるなんて、なかったかもしれない」
グレンの声からは後悔の念を感じ取る。
ああ、私を守ろうとして虚勢をはったのね。彼なりの守り方だったのだ。不器用だけどーー。
だけど次第に胸にある感情が広がる。
嬉しい、そしてくすぐったい気持ちになる。
思わず笑みがこぼれた。
そっと顔を上げ、グレンを見つめた。
「私たち、会話が足りなかったみたいね」
そう最初から素直になって会話をしていれば、ここまでこじれることはなかったはずだ。
お互いがどこかで意地を張っていたのかもしれない。
無言になって見つめあう。
彼の視線が熱を帯び、私の全身が熱くなってくる。
急に恥ずかしくなり、サッと視線を逸らす。
彼の視線に耐えられなくなったのだ。
その時、スッと手が伸びてきた。優しく頬に触れ、グッと前を向かされた。ドキドキしてしまう。熱っぽい視線にうるんだ瞳。
「どうしたの……?」
彼はなにか私に言いたいことがあるのだろうか。
「口づけを――してもいいか?」
不意の問いかけに心臓がはねた。
わざわざ聞いてくるところが、律儀な人だと思う。
カアッと顔が真っ赤になり、口ごもる。グレンは私をジッと見つめ、返答を待っている。
彼と口づけする、それは嫌なのかしら?
自分の心に問いかけてみる。
ううん、嫌じゃない。答えはむしろ――。
ごくりと息をのみ、静かに視線を合わせた。そして小さくうなずいた。
「ルシナ……」
熱っぽい視線が徐々に下がり、グレンの顔が近づいてくる。
私はギュッと目を閉じた。
柔らかな感触を唇に感じ、緊張から体に力が入る。
最初はついばむような、優しい口づけに、徐々に緊張がほぐれてきた。
手を背中に回され、ギュッと抱きしめられた。
胸の温かさに安堵を感じる。
変なの私。まるでここはずっと自分の居場所だったみたいに、落ち着く……。
静かに身を任せ、目を閉じた。
グレンは私を抱きしめながら、耳元でささやいた。
「ずっと好きだった。必ず手に入れたいと願っていたんだ」
吐息が耳にかかり、くすぐったい。
「だから――白い結婚なんてやめてもいいか」
2,104
お気に入りに追加
4,817
あなたにおすすめの小説
あなたの姫にはなれないとしても~幼なじみに捧げた求めぬ愛のゆく先は
乃木ハルノ
恋愛
あなたが想いを寄せる人が街を出た日、私たちは初めてキスをした
あなたが変わらず想い続けた人の婚約を知った夜、私はあなたに抱かれた
好きな人は私の従姉を愛している――
エマは幼なじみであるルークに長年片想いをしていた。
しかしルークが想いを寄せているのは従姉のリュシエンヌだった。
エマ、ルーク、そしてリュシエンヌの弟であるテオが十四歳を迎える年、リュシエンヌは貴族相手の愛人になるため王都へ赴くことになった。
エマは失意のルークとテオを激励してリュシエンヌの身請け代を稼ぐことを提案。
エマがリュシエンヌを助けたいと思うのは大切な従姉だからという他にルークのためでもあった。
忙しい両親に変わり弟妹の世話や家事で押しつぶされそうになっていた幼い頃、優しくしてくれたルークに恩義を感じ、彼の願いを叶えたいと考えたからだ。
学生の身で大金を稼ぐためやむなく危険な仕事に手を染めていく三人。
ルークとテオが学内で秘密裏に酒や麻薬の密売、デートクラブや賭博場の運営をして稼ぐ傍ら、エマは彼らの学校近くの病院で奉仕活動をしながら二人をサポートする日々を送る。
協力し合う中、エマとルークの絆も深まるが、ルークの想い人はあくまでリュシエンヌ。
彼女を救うために危険をかえりみず何でもする覚悟のルークの無私の愛を見習い、エマもまた恋心を秘めて彼の役に立とうとするのだった。
そして月日が経ち目標金額までもう少しとなった頃、リュシエンヌの婚約の知らせが届く。
リュシエンヌとその婚約者と顔を合わせた日の夜、ルークとエマは二人きりの慰労会をする。
リュシエンヌの喪失を忘れるために、エマは必要以上におどけてみせるが、それは共通の目的をなくしルークとこれ以上一緒にいられないかもしれないという恐れのせいだった。
酒杯を重ね、ほろ酔いになるとルークとの距離が近づく。
甘えてくるルークを受け止めるうちに色めいた雰囲気になり、エマはルークの寂しさに付け込んでいると自覚しながら彼と一夜を共にする。
大学の卒業を控えるルークに遠慮して会う機会を減らすエマだがやがて体調不良を自覚して……
妊娠の可能性に思い至り、ルークの迷惑になることを恐れ町を出ることに決めたエマだったが……?
婚約破棄が流行しているようなので便乗して殿下に申し上げてみましたがなぜか却下されました
SORA
恋愛
公爵令嬢のフレア・カートリはマルクス王国の王太子であるマルク・レオナドルフとの婚約が決まっていた。
最近国内ではとある演劇が上演された後から婚約破棄が流行している。今まで泣き寝入りして婚約していた若者たちが次々と婚約破棄し始めていた。そんな話を聞いたフレアは、自分もこの流れに沿って婚約破棄しようとマルクに婚約破棄を申し出たのだけれど……
婚約破棄直前に倒れた悪役令嬢は、愛を抱いたまま退場したい
矢口愛留
恋愛
【全11話】
学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。
しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。
クロエの余命があと一年ということがわかり、スティーブは、自身の感じていた違和感の元を探り始める。
スティーブは真実にたどり着き、クロエに一つの約束を残して、ある選択をするのだった。
※一話あたり短めです。
※ベリーズカフェにも投稿しております。
一年で死ぬなら
朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。
理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。
そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。
そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。
一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・
悲劇の令嬢を救いたい、ですか。忠告はしましたので、あとはお好きにどうぞ。
ふまさ
恋愛
「──馬鹿馬鹿しい。何だ、この調査報告書は」
ぱさっ。
伯爵令息であるパーシーは、テーブルに三枚に束ねられた紙をほうった。向かい側に座る伯爵令嬢のカーラは、静かに口を開いた。
「きちんと目は通してもらえましたか?」
「むろんだ。そのうえで、もう一度言わせてもらうよ。馬鹿馬鹿しい、とね。そもそもどうして、きみは探偵なんか雇ってまで、こんなことをしたんだ?」
ざわざわ。ざわざわ。
王都内でも評判のカフェ。昼時のいまは、客で溢れかえっている。
「──女のカン、というやつでしょうか」
「何だ、それは。素直に言ったら少しは可愛げがあるのに」
「素直、とは」
「婚約者のぼくに、きみだけを見てほしいから、こんなことをしました、とかね」
カーラは一つため息をつき、確認するようにもう一度訊ねた。
「きちんとその調査報告書に目を通されたうえで、あなたはわたしの言っていることを馬鹿馬鹿しいと、信じないというのですね?」
「き、きみを馬鹿馬鹿しいとは言ってないし、きみを信じていないわけじゃない。でも、これは……」
カーラは「わかりました」と、調査報告書を手に取り、カバンにしまった。
「それではどうぞ、お好きになさいませ」
【第二部連載中】あなたの愛なんて信じない
風見ゆうみ
恋愛
シトロフ伯爵家の次女として生まれた私は、三つ年上の姉とはとても仲が良かった。
「ごめんなさい。彼のこと、昔から好きだったの」
大きくなったお腹を撫でながら、私の夫との子供を身ごもったと聞かされるまでは――
魔物との戦いで負傷した夫が、お姉様と戦地を去った時、別チームの後方支援のリーダーだった私は戦地に残った。
命懸けで戦っている間、夫は姉に誘惑され不倫していた。
しかも子供までできていた。
「別れてほしいの」
「アイミー、聞いてくれ。俺はエイミーに嘘をつかれていたんだ。大好きな弟にも軽蔑されて、愛する妻にまで捨てられるなんて可哀想なのは俺だろう? 考え直してくれ」
「絶対に嫌よ。考え直すことなんてできるわけない。お願いです。別れてください。そして、お姉様と生まれてくる子供を大事にしてあげてよ!」
「嫌だ。俺は君を愛してるんだ! エイミーのお腹にいる子は俺の子じゃない! たとえ、俺の子であっても認めない!」
別れを切り出した私に、夫はふざけたことを言い放った。
どんなに愛していると言われても、私はあなたの愛なんて信じない。
※第二部を開始しています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。教えていただけますと有り難いです。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
自信過剰なワガママ娘には、現実を教えるのが効果的だったようです
麻宮デコ@ざまぁSS短編
恋愛
伯爵令嬢のアンジェリカには歳の離れた妹のエリカがいる。
母が早くに亡くなったため、その妹は叔父夫婦に預けられたのだが、彼らはエリカを猫可愛がるばかりだったため、彼女は礼儀知らずで世間知らずのワガママ娘に育ってしまった。
「王子妃にだってなれるわよ!」となぜか根拠のない自信まである。
このままでは自分の顔にも泥を塗られるだろうし、妹の未来もどうなるかわからない。
弱り果てていたアンジェリカに、婚約者のルパートは考えがある、と言い出した――
全3話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる