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第二章 始まった結婚生活
17.交渉は決裂か成功か
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グレンの怒りは本物だ。交渉決裂、ということだろうか。
「つまり、この結婚は……望んだわけじゃない、ということか?」
怒りながらも一瞬言葉に詰まった彼。私はごくりと喉を鳴らした。
「それは――お互いさまでしょう」
だってあなただって友人と話していたじゃない。聞いてしまったのだから。
返答した瞬間、シーンと静まり返った空間。グレンは目を細めると、グッと口の端を噛みしめた。
「俺があんたに今すぐ望むことは一つだ」
急にビシッと指を突き付けられたので、驚いて背筋を正す。
「その堅苦しい言葉遣いをやめろ」
「あっ……はい」
反射的に返事をするとジロリとにらまれた。
「わ、わかったから。すぐには無理でも努力するわ」
手に汗をかきながら慌てて言い直すと、小さく舌打ちが聞こえた。
さっきから行儀が悪いんじゃないのかしら? 舌打ちや『あんた』呼びは。
だが、指摘する勇気はない。ここまで話せただけで、十分だった。
グレンは髪をぐしゃぐしゃとかきむしると、クルリと背を向ける。そのまま乱暴な動作で、ドカッとソファに横になる。
「そこで寝るのですか……?」
声をかけるとまたジロリとにらまれた。堅苦しい言い方が気に障ったのだろうか。
「そこで寝るの?」
再度言い直すとグレンは寝返りを打つ。
「あんたが望んだことだろう」
はっきりと言い切られた。
それはそうだけど、私一人で広いベッドを使うのは気が引ける。そこで名案が思い付いた。
「私がソファで寝るのはどうかしら?」
体格差からいって、そっちの方がいいと思えた。だがグレンは聞こえないふりをしているのか返事がない。
クローゼットを開けると予備のシーツが入っていた。それを引っ張りだし、ソファに眠るグレンに近づく。
そっと手を伸ばし、彼の体に触れて揺らす。
「ベッドで――」
その途端、手を掴まれ、力強く引っ張られた。ソファに横たわる彼の上に、倒れ込んだ。
ガウンの上からでも感じる、厚い胸板。フワッと魅惑的な香りを感じ、一瞬で頬が火照る。
「いいだろう、今日はあんたの言うことを聞いて、我慢してやる」
グレンは腰に腕を回し、私をギュッと抱きしめた。ガウン越しに彼の体温を感じ、全身が硬直した。
大きな手は嫌でも異性だと意識させる。心臓がドクドクと音を出し、汗をかく。
「そのかわり、その時がきたら、俺はもう迷わない。せいぜい覚悟しているんだな」
彼の決意が秘められたような声。目を見張ると、腰に回された腕の力が緩む。
「早くベッドに戻れよ。俺の気が変わらないうちに」
深いため息が聞こえた。
「グ、グレン……?」
彼の胸にうずめていた顔を上げると、至近距離で目が合った。
なんて綺麗な瞳の色なの……。
こんな時なのに一瞬、見とれてしまう。海を連想させる青、そこに映るのは私だった。
グレンはハッと息をのむ。やがて彼の喉の奥からゴクリと音が聞こえた。
「クソッ……」
グレンは顔をそらすと私の両肩をつかみ、強引に体を引き離す。ソファから下ろされ、床にしゃがみ込んだ。
「明日にでも寝室を準備させる」
仮初といえど夫婦なので同じ寝室だと覚悟していたが、そうではないらしい。さすがに二人きりでは場がもたない。彼の発言は私を安心させた。
これで明日からはゆっくり眠れる。
「この状況で同じ部屋は、俺にとって拷問でしかない」
「え……?」
彼のつぶやきがよく聞き取れず、聞き返した。だが彼は、パッとシーツを被るとそのまま背中を向けた。
しばらく床に座り込み、呆然としていた。
だが、いつまでもこのままでいられないので、ゆっくりと立ち上がる。どうやら彼はソファを譲る気はなさそうだ。
「おやすみなさい」
寝入っているかもしれないが声をかけてみる。返事はなかった。
大きなベッドに寝そべり、目を閉じる。上手くいったかどうかは別として、とりあえず話ができた。考えを伝えることができたので、まずは良しとしよう。
でもすごく疲れた。
そっと瞼を閉じるとすぐに意識を落とした。
*****
ふかふかのベッドはとても気持ちが良い。だけど頬がくすぐったい。ふふっと、思わず微笑んでしまう。
「――ここまできたんだ。絶対に離してたまるものか」
その時、声が聞こえた気がした。
あなたはだあれ? 声を出したくともそれも叶わず、再び深い眠りに落ちた。
*****
翌朝、いつもの時間に目覚める。すでにグレンの姿はなかった。
ああ、ここはもうアルベール家ではないのだと実感する。だが寂しいとは感じない。
階下に下りると朝食が用意されていた。
フワフワのオムレツにパンケーキと、新鮮なフルーツ。どれも私が大好きなメニューばかりだ。
「美味しい」
ポツリとつぶやくと給仕にあたっていたジールは微笑んだ。
「良かったです。旦那様からルシナ様のお好きな物をお聞きしておりましたので」
その言葉に驚いた。私の好きな食べ物を知っていたの?
「旦那様は朝早く出られました。急ぎの仕事があるとかで……」
ジールが申し訳なさそうに言ってくる。初夜を迎えたはずの二人が翌朝に別々だなんて、きっと私を気遣ってるのだろう。
だが私は平気だ。むしろ顔を合わせないことにホッとしている。理由は気まずいからだ。
その後は美味しい朝食をいただき、朝からとても満ち足りた気持ちなった。
「つまり、この結婚は……望んだわけじゃない、ということか?」
怒りながらも一瞬言葉に詰まった彼。私はごくりと喉を鳴らした。
「それは――お互いさまでしょう」
だってあなただって友人と話していたじゃない。聞いてしまったのだから。
返答した瞬間、シーンと静まり返った空間。グレンは目を細めると、グッと口の端を噛みしめた。
「俺があんたに今すぐ望むことは一つだ」
急にビシッと指を突き付けられたので、驚いて背筋を正す。
「その堅苦しい言葉遣いをやめろ」
「あっ……はい」
反射的に返事をするとジロリとにらまれた。
「わ、わかったから。すぐには無理でも努力するわ」
手に汗をかきながら慌てて言い直すと、小さく舌打ちが聞こえた。
さっきから行儀が悪いんじゃないのかしら? 舌打ちや『あんた』呼びは。
だが、指摘する勇気はない。ここまで話せただけで、十分だった。
グレンは髪をぐしゃぐしゃとかきむしると、クルリと背を向ける。そのまま乱暴な動作で、ドカッとソファに横になる。
「そこで寝るのですか……?」
声をかけるとまたジロリとにらまれた。堅苦しい言い方が気に障ったのだろうか。
「そこで寝るの?」
再度言い直すとグレンは寝返りを打つ。
「あんたが望んだことだろう」
はっきりと言い切られた。
それはそうだけど、私一人で広いベッドを使うのは気が引ける。そこで名案が思い付いた。
「私がソファで寝るのはどうかしら?」
体格差からいって、そっちの方がいいと思えた。だがグレンは聞こえないふりをしているのか返事がない。
クローゼットを開けると予備のシーツが入っていた。それを引っ張りだし、ソファに眠るグレンに近づく。
そっと手を伸ばし、彼の体に触れて揺らす。
「ベッドで――」
その途端、手を掴まれ、力強く引っ張られた。ソファに横たわる彼の上に、倒れ込んだ。
ガウンの上からでも感じる、厚い胸板。フワッと魅惑的な香りを感じ、一瞬で頬が火照る。
「いいだろう、今日はあんたの言うことを聞いて、我慢してやる」
グレンは腰に腕を回し、私をギュッと抱きしめた。ガウン越しに彼の体温を感じ、全身が硬直した。
大きな手は嫌でも異性だと意識させる。心臓がドクドクと音を出し、汗をかく。
「そのかわり、その時がきたら、俺はもう迷わない。せいぜい覚悟しているんだな」
彼の決意が秘められたような声。目を見張ると、腰に回された腕の力が緩む。
「早くベッドに戻れよ。俺の気が変わらないうちに」
深いため息が聞こえた。
「グ、グレン……?」
彼の胸にうずめていた顔を上げると、至近距離で目が合った。
なんて綺麗な瞳の色なの……。
こんな時なのに一瞬、見とれてしまう。海を連想させる青、そこに映るのは私だった。
グレンはハッと息をのむ。やがて彼の喉の奥からゴクリと音が聞こえた。
「クソッ……」
グレンは顔をそらすと私の両肩をつかみ、強引に体を引き離す。ソファから下ろされ、床にしゃがみ込んだ。
「明日にでも寝室を準備させる」
仮初といえど夫婦なので同じ寝室だと覚悟していたが、そうではないらしい。さすがに二人きりでは場がもたない。彼の発言は私を安心させた。
これで明日からはゆっくり眠れる。
「この状況で同じ部屋は、俺にとって拷問でしかない」
「え……?」
彼のつぶやきがよく聞き取れず、聞き返した。だが彼は、パッとシーツを被るとそのまま背中を向けた。
しばらく床に座り込み、呆然としていた。
だが、いつまでもこのままでいられないので、ゆっくりと立ち上がる。どうやら彼はソファを譲る気はなさそうだ。
「おやすみなさい」
寝入っているかもしれないが声をかけてみる。返事はなかった。
大きなベッドに寝そべり、目を閉じる。上手くいったかどうかは別として、とりあえず話ができた。考えを伝えることができたので、まずは良しとしよう。
でもすごく疲れた。
そっと瞼を閉じるとすぐに意識を落とした。
*****
ふかふかのベッドはとても気持ちが良い。だけど頬がくすぐったい。ふふっと、思わず微笑んでしまう。
「――ここまできたんだ。絶対に離してたまるものか」
その時、声が聞こえた気がした。
あなたはだあれ? 声を出したくともそれも叶わず、再び深い眠りに落ちた。
*****
翌朝、いつもの時間に目覚める。すでにグレンの姿はなかった。
ああ、ここはもうアルベール家ではないのだと実感する。だが寂しいとは感じない。
階下に下りると朝食が用意されていた。
フワフワのオムレツにパンケーキと、新鮮なフルーツ。どれも私が大好きなメニューばかりだ。
「美味しい」
ポツリとつぶやくと給仕にあたっていたジールは微笑んだ。
「良かったです。旦那様からルシナ様のお好きな物をお聞きしておりましたので」
その言葉に驚いた。私の好きな食べ物を知っていたの?
「旦那様は朝早く出られました。急ぎの仕事があるとかで……」
ジールが申し訳なさそうに言ってくる。初夜を迎えたはずの二人が翌朝に別々だなんて、きっと私を気遣ってるのだろう。
だが私は平気だ。むしろ顔を合わせないことにホッとしている。理由は気まずいからだ。
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