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四十三話 記憶力

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「昨日のうちに武器屋にいくつもりだったのに....」

レイド兄さんが不機嫌そうに髪型を直していた。それは寝癖がとんでもなく爆発していた。
水で治そうとしているけど治せるんだろうか?

「まぁまぁ、けど昨日は早く寝たおかげで疲れがとれたし良いじゃん。」

(私もう一回お風呂入ってくる!)

「....自由。」

もうレイド兄さんは完全に諦めてた。ちょっと面白い。

そのあと武器新調してまた緑の神殿に向けて出発した。


「これ、地図ありでもたどり着けるかな?」

私達は前回の青の神殿と同様、迷わせる道に着いた。でも青の神殿は同じ景色ばかりで迷わせる感じだったけど緑色の神殿は私達から先は境界線があるかの用に灰色の深い深い霧だった。

(ふっふっふ!大丈夫!ちゃんと青の創造主から緑の神殿に着くための道を聞いてきたんだから!)

「じゃあ安心だな、ほらいくぞ。」

レイド兄さんが一人だけ靄の中に入っていく。

「ええ?早すぎませんかね?」

そして私もスピカに引っ張られて深い霧の中に入った。深い霧の中に入ると予想通り、視界が灰色に染まった。ただ予想外な事が起きてる。

「風ッ‼強ッ‼」

(寒ッ――‼何ッ――‼)

「何~‼スピカ何言ってるの⁉」

視界が灰色なのでスピカとレイド兄さんの姿が見えないしそれに風の音がすごい‼幸い『サーチ』で二人の居場所がわからない事もないけどこの様子だときっと私の声も聞こえてはいないんだろう。情報の共有ができないのは少し痛手だな....
すると少し前の方からオレンジ色の光が見えた。あたりは一面灰色、少し地図を見せてもらったけどそのときにオレンジ色の光らしきものは地図にも本にも書いてなかったから.....
考えられる可能性としたらレイド兄さんの魔法!私は急いで適当に黒い玉をイメージした。
これで少しは気づいてくれると良いけど...‼
するとオレンジ色の光は徐々に近づいてきた。そして私の腕をグッと掴んだ。やっとお互いの顔が見えるぐらい近づくとやっぱりレイド兄さんだった。良かったよかったやっと3人揃った。するとスピカがもう声で話すことを諦めたのか私の手に文を書き始めて筆談をしてきた。

なんとか3人揃ったわね。でもここに長居するのは危険だから手短に書くわ。
まず、緑の神殿に着くためにはこの濃い霧晴らさないといけない。私はさっき見たけど下にタイルがあるの、そのタイルを決まった順番通りに進むと霧を晴らす装置があるわ。私はそのタイルの順番を記憶しているから私に着いてきて。3人とも見失わないように腕でも、何でも良いから掴んで3人で行動するわよ。

私はそれをレイド兄さんに手短に手に書き伝え、レイド兄さんは私の腕を、私はスピカの服をつまんで一歩一歩、歩き出した。

――間違っちゃいけない。私はことの重大さに今更ながら怯えていた。でも大丈夫と自分の気持ちを鼓舞して進んでいった。でもディルはなんで私の服をつまむのかしら、もっとガシッと掴まないと危ない....自分の身体が小さいせい?気づかないようにしておこう。

さっきいた場所がタイルの道を表として見ると、霧に入ってこの左に4、上に3だから....うん。まだ修正できる。でもここから道を間違ったら――。....慎重に行かなきゃね。

右2 上3 右1 下1 上2 左3 上2 左4 上1 右2 上1 左3 下4 左2 上7 右2 下2 右3 上2 右3 上1 右3 上1 左7 上2 左2 下1 左1 上3 右4 上1 右3 下2 右3 上3 左5 上1―――

あと少し‼あと少しッ‼私の目の前が灰色以外の緑色で染まる。近くにいくと緑色の装置があった。....着いた。着いたッッ‼
するとまだやることが残っているのにストンと身体から力が抜けた。
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