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三十一話 疲れ

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――――進みはじめてわかったことがある。それは、典型的な罠の数があまりにも多い‼
床のスイッチを押したら槍が降ってくるし、少し休憩しようとすると大玉が転がってくるしで、もう全員クッタクタに疲れていた。でも休めるときはちゃんと休めるのでまるでこの神殿に意思があるみたいだった。でも休めると言っても陽の光が無いから時間軸がもしかしたら狂ってるかも....と不満を言ったら止まらない。あとシンプルに神殿の敵が全部水属性の攻撃をしてくるのでほんっとにそれが一番つらい。少しぐらい他の属性が来たって構わないんだよ?....これを見越して入ったわ良いけどここまでとは。でも一つ疑問に思ったことがある。レイド兄さんとスピカよりも私が受けるダメージ量が少ない事だ。けど考える暇もなかったから深くは考えてないけど。

「もう敵と遭遇したくねぇな。」

「それ。罠とかはなんとか出来なくもないけど、敵が辛い。」

(魔力も結構使うしね....)

「『サーチ』がなかったらだいぶ危なかった....」

私達はついさっき魔物と遭遇し、やっと倒せて私達はまたクタクタに疲れていた。
けど使いすぎると魔力の消費が激しくなるし、レイド兄さんと言ったとおりほんとに全然前に進めない。進むにはすすめるけど時間がかかりすぎる。最初は調子がよく一層に2日ほどで進めていたのにどんどん敵が強くなり今は一層に5日近くはかかる。ちなみに今は9層の序盤だ。でも日にちとかはわからないからほとんど眠ったときに数えているだけだけど。

「とりあえず進むか、今まで休みすぎた。先に進まねぇと。」

レイド兄さんが重たい腰を上げる。

「....はぁ~行こっか~。」

(もう後戻りとかも出来ないしね....)

そう言って歩き始めた。
またしばらく歩き少し妙な事に気づいた。罠や魔物が出てこない、罠が今までたくさんあったのに急に来なくなって逆に心配になり色々と壁や床などをわざと触ったり、色々した。けど出てこない。

「....おかしくね?」

「おかしい。」

(おかしいわね。)

(今まで出てきた罠が無い。逆に不安になるわ?)

「....もしかしてさ、この神殿のボスとか?」

「ボス?ってなんだ?」

「この神殿の主...的な?」

(えっ....)

そこから私達はしゃべることもなく妙に長い廊下を歩いた。廊下の先には部屋がある、中に入ったら閉じ込められるんだろうか。でもそれ以外に道がないからただ、進んでいった。
ついに部屋の前まで来た。

「....入るぞ。」

「うん。」

(緊張するわね。)

そして私達は部屋に入った。部屋に入ると何もなく、ただ大きい部屋だけがあった。それだけで他にはなにもない。

「なにもねぇな。」

「けど何かなきゃ進めないよね?」

(とりあえず何かないか調べてみましょ?)

そうして私達はその場から動き始める。私はとりあえず『サーチ』をしてみた。『サーチ』をすると、私達が来た入り口から大きな反応があった。私達の真後ろだ。レイド兄さんが一番近い。なんで?なにも入った時に感じなかったのに。嫌な予感がする。レイド兄さんが危ない。そんな事を思う前に私はレイド兄さんに駆け寄っていた。危ない。レイド兄さんが殺される。

「レイド兄さん!!!」
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