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三十話 青の神殿

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「つ、疲れた。」

「なんだよディル、さっき休んだばっかだろ?それに今日中に青の神殿に着くって昨日話したじゃないか。」

(そうよ!レイド兄さんの言う通り、今日中に着く予定なんだから!)

「身体は元気だよ?....でもね、ずっと同じ景色ばっかでもう飽きた‼」

(わがまま言わないで!)

「わがまま言うな。」

「ひえ~」

青の神殿に向かってから一週間がたった。特に問題もなく順調に進んでいた。
ただ一つ不満があるとすればつい1日前から草原と湖のとてもきれいな景色がずっと続いているぐらいだ。スピカはここで青の神殿に行く人を迷わせる~的なことを言ってた。別にこっちには大まかな地図があるし、コンパスがあるからあまり間違えないはず。そんなこんなで順調に青の神殿に向かった。
しばらく歩くといきなり、あたり一面が水で満たされている空間に出た。水だから息の心配もしたが息は全然苦しくなく、とても幻想的な空間にさっきまで喋っていたスピカも黙ってその幻想的な空間をただ、眺めていた。

「....きれいだね。」

「ああ....なんだ?この空間は。」

(そうね....。あっ!見て!扉があるわ!)

スピカが指差したその先には私の身長の5倍ぐらいの大きな扉があった。引き寄せられるようにその扉の前に進んだ。扉の前に立つと扉の隙間から青い光が漏れていた。

「これ、どうすんだ?」

「わからない、どうしよっか?」

(とりあえず扉に触ってみましょう。)

私達は少し緊張しながら扉に触った。扉に少し触れた瞬間、扉が少しづつ、開き始めた。
少し重たそうに、少しづつ開いた。私達はその様子をただ、見ているだけだった。

「ひ....開いたね。」

「開いたな....」

(開いたわね....)

「それじゃあ、行こう....‼」

限界まで開いた扉に緊張しながらも入っていった。

扉の中に入るととても薄暗い青みがかっている部屋についた。その先に廊下が続いている。

「....ここが 青の神殿 か。」

「薄暗いね...神殿ってこんな感じなんだ。」

わけも分からず、しばらくあたりを見わまして安全確認をした。するといきなり身体から何かが抜けるような、そんな感覚がした。

「えっ⁉なに⁉」

「身体から何かが抜けたのか...?」

(けど身体はなんとも無いわよ?)

「じゃあ....ステータス....?」

なんだか背筋が凍った。ものすごい嫌な予感がする。私達は急いで自分たちのステータスを確認した。すると全員の防御力に《水耐性大幅減》と書かれていた。

「えっ?水魔法の耐性がマイナスってこと?」

「....多分な、しかも大幅減だから....」

(普通の人が受ける水ダメージが1でも私達が受けると10になってる、みたいな事よね...)

私達の口が閉じた。

「えっ、やばくない?」

「....相当やばい。」

(まずどれくらいになるのかがわからないのよね....)

私達は一歩も動けない状態になった。けど動かないといけない。その思いが葛藤したが、その思いを強制的に断ち切られた。 
上から何かが落ちてくるような音がする。上を見ると私達が今いる部屋とピッタリは正方形の岩がすごい勢いで落ちてくる。

「とりあえず出るぞ!!」

レイド兄さんの叫びに私は急いで外に出た、ギリギリに出れたのかあっという間に部屋が岩で埋まった。もしかしたら潰されてたかもしれない。そう考えるたびに怖くなった。でもなんとか落ち着きを取り戻した。

「大丈夫か⁉」

レイド兄さんが慌てた様子で私に手を差し出した。

「大丈夫だった~」

私はその手を取り立った。スピカも無事なようだ。

(でも、これで戻ることはできなくなったわね....)

スピカが少し寂しそうに言った。

「強制的に出されちゃった。けどこれで先に進む決意が出来たよ。」

「そうだな...これから先どんどん魔物とかが出てくるだろう、そのときに出来る限りダメージを受けないようにしないとな.....これは、外に出るのにだいぶ時間がかかるな。」

スピカもなにか振り切ったような顔をした。

(そうね!よーし、準備できたわ‼いつでも来なさい‼)

「よーし!じゃあ進もう!」

掛け声とともに私達は進み始めた――――
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