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二十五話 すみません、ごめんなさい
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――――ここは....どこ....?
私は起き上がり周りを見た。どうやら私は木のベットで眠っていたらしい。更に私が寝ていたベットと同じようなベットが枕を上にして壁沿いに並んでいた。人はいない。だけど外はちょっと騒がしい。外と中はカーテンで区切られていた。そして私はベットに座ったまま自分を悔やんだ。レイド兄さんに頼りっぱで全然役に立たなかったこと。自分は強いと過信しすぎていたこと。実際私は他の人と比べて能力は高いけどやり方によっては私だって簡単に死んでしまってもおかしくはない立場にある。ぶつぶつと考えていたら。ドンッと音がして、私はすぐに音がした方に顔を向けた。するとカリーナが桶とタオルを落として立っていた。
「ディルレットさん...起きたんですね....!!」
「カリーナ‼水‼こぼれてる‼」
私はすぐにベットから出てカリーナのそばまで行き、適当に近くにあった一緒に落ちていたタオルで桶からこぼれた水を拭いた。カリーナも慌ててこれ以上水をこぼさないために桶を安定させる。そして水を拭いたタオルを桶に戻した。
「良かったですよぉぉ‼」
カリーナは私を見てすぐに抱きついて来た。せっかく水を拭いたのにカリーナは桶を倒し、桶からまた水がこぼれた。けどカリーナはお構いなしに抱きつき私の肩で泣き出した。
「カリーナ⁉大丈夫⁉」
「大丈夫なのはこっちのセリフですよ‼」
私はしばらく泣いていたカリーナをなだめて落ち着かせた。途中で他のギルド嬢が見に来てほっとした様子で去っていった。
「落ち着いた?カリーナ。」
「....うん。落ち着きました。」
カリーナはすぐ起き上がり、乱れた衣服を直し始めた。私もゆっくりと立った。
「ところでここはどこなの?」
「ここは依頼などで怪我を受けたりすると有償ですがここで治療を受けたりできるスペースとなっています。ですけど今回ディルレットさんは依頼の妨害や悪意ある冒険者からと言うことなので無償で提供させてもらっています。もう体調は大丈夫なんですか?ここに運ばれて来たときは意識がしばらく朦朧としていたと聞きます。」
「もう大丈夫だよ。結構危なかったんだね....」
「気をつけてくださいよ‼冒険者だからこそ‼注意を払って行動してください‼」
「ごもっともです...」
するとカーテンの外から慌ただしいような足音が聞こえる。
「ディル‼大丈夫か⁉」
カーテンを勢いよく開けて入って来たのはレイド兄さんだった。多分だけど姿は見えないけどスピカもいるだろう。レイド兄さんはずかずかと私のそばまで行き、私の肩を掴んだ。
「体調は⁉もう歩けるんだな⁉」
「ちょいちょいちょいちょい‼レイド兄さんちょっと怖い‼」
「ああ....すまん。」
レイド兄さんは少し私から離れた。私はレイド兄さんの顔を見るととても心配そうな顔を見て、反省した。でもそれと同時にレイド兄さんが助けてくれたことが何よりも嬉しかった。
「ありがとう。心配してくれて、でももう大丈夫‼歩けるし、めまいだってしないし‼」
私が笑顔でレイド兄さんの顔を見るとレイド兄さんもほっとした様子で笑ってくれた。
(もう心配かけさせないでね‼)
スピカが耳元で言ってくれるのを聞いてますます嬉しくなっていた。でも、これ以上は私も二人に心配かけさせたくない。今回の件だって私がちゃんとしていればこんなことにはならなかった。
「.....」
「どうした?」
「んーん。なんでも無い。ところで私はどのぐらい寝ていたの?」
私の質問にカリーナが答えてくれた。
「半日以上は寝てましたね。現時刻は朝の9時です」
「半日以上も⁉」
どうしよう....そんなに寝てしまっていたのか...心配かけすぎ....私がもっとちゃんとしないと。
「ご心配をおかけしました。でももう大丈夫です‼」
私は3人に向けて深くお辞儀をした。私の不注意で起きてしまったことだ。許してくれるなんて思わない。
「別にもう気にしてねぇよ。次からは気をつけてくれ、それだけだ。」
「そのとおりです!」
「....ありがとう。」
そうして私達はイリーナにお礼を言ってギルドを出た。
私は起き上がり周りを見た。どうやら私は木のベットで眠っていたらしい。更に私が寝ていたベットと同じようなベットが枕を上にして壁沿いに並んでいた。人はいない。だけど外はちょっと騒がしい。外と中はカーテンで区切られていた。そして私はベットに座ったまま自分を悔やんだ。レイド兄さんに頼りっぱで全然役に立たなかったこと。自分は強いと過信しすぎていたこと。実際私は他の人と比べて能力は高いけどやり方によっては私だって簡単に死んでしまってもおかしくはない立場にある。ぶつぶつと考えていたら。ドンッと音がして、私はすぐに音がした方に顔を向けた。するとカリーナが桶とタオルを落として立っていた。
「ディルレットさん...起きたんですね....!!」
「カリーナ‼水‼こぼれてる‼」
私はすぐにベットから出てカリーナのそばまで行き、適当に近くにあった一緒に落ちていたタオルで桶からこぼれた水を拭いた。カリーナも慌ててこれ以上水をこぼさないために桶を安定させる。そして水を拭いたタオルを桶に戻した。
「良かったですよぉぉ‼」
カリーナは私を見てすぐに抱きついて来た。せっかく水を拭いたのにカリーナは桶を倒し、桶からまた水がこぼれた。けどカリーナはお構いなしに抱きつき私の肩で泣き出した。
「カリーナ⁉大丈夫⁉」
「大丈夫なのはこっちのセリフですよ‼」
私はしばらく泣いていたカリーナをなだめて落ち着かせた。途中で他のギルド嬢が見に来てほっとした様子で去っていった。
「落ち着いた?カリーナ。」
「....うん。落ち着きました。」
カリーナはすぐ起き上がり、乱れた衣服を直し始めた。私もゆっくりと立った。
「ところでここはどこなの?」
「ここは依頼などで怪我を受けたりすると有償ですがここで治療を受けたりできるスペースとなっています。ですけど今回ディルレットさんは依頼の妨害や悪意ある冒険者からと言うことなので無償で提供させてもらっています。もう体調は大丈夫なんですか?ここに運ばれて来たときは意識がしばらく朦朧としていたと聞きます。」
「もう大丈夫だよ。結構危なかったんだね....」
「気をつけてくださいよ‼冒険者だからこそ‼注意を払って行動してください‼」
「ごもっともです...」
するとカーテンの外から慌ただしいような足音が聞こえる。
「ディル‼大丈夫か⁉」
カーテンを勢いよく開けて入って来たのはレイド兄さんだった。多分だけど姿は見えないけどスピカもいるだろう。レイド兄さんはずかずかと私のそばまで行き、私の肩を掴んだ。
「体調は⁉もう歩けるんだな⁉」
「ちょいちょいちょいちょい‼レイド兄さんちょっと怖い‼」
「ああ....すまん。」
レイド兄さんは少し私から離れた。私はレイド兄さんの顔を見るととても心配そうな顔を見て、反省した。でもそれと同時にレイド兄さんが助けてくれたことが何よりも嬉しかった。
「ありがとう。心配してくれて、でももう大丈夫‼歩けるし、めまいだってしないし‼」
私が笑顔でレイド兄さんの顔を見るとレイド兄さんもほっとした様子で笑ってくれた。
(もう心配かけさせないでね‼)
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「.....」
「どうした?」
「んーん。なんでも無い。ところで私はどのぐらい寝ていたの?」
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「別にもう気にしてねぇよ。次からは気をつけてくれ、それだけだ。」
「そのとおりです!」
「....ありがとう。」
そうして私達はイリーナにお礼を言ってギルドを出た。
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