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二十三話 意識

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それはとてもガタイが良く太陽の光が反射したハゲ....いや..おハゲとでも言いましょうか。のようなまぁ一言で言えば怖いね。そんなおっさ...おじさんたちがこちらを睨みながらずんずんとこっちに来始めた。やっべ今笑いそうだった。

「よう。いいご身分だなぁ。Aランクさんよ。そしてその後ろにいるのはホラを吹いて大金を手に入れたレイドの妹。」

レイド兄さんが少し反応した。私は「ホラ吹き」しょうがないと思いつつも少し苛立ちを覚え、スピカはすぐさまに姿を消した。

「お前は....‼」

レイド兄さんなにか知ってるんですか。私を「ホラ吹き」と呼んだ人のことを知ってるんですかね。

「...いや待て。確かB...ランクだったか?...ご....ゴブリン?みたいな....」

….あっこれレイド兄さん知らないパターンだ。

「ちげぇよ‼てめぇ‼俺な名前をゴブリンなどと言いやがって....‼いいか‼教えてやる‼俺の名前はゴザリアだ‼Bランクのゴザリア‼」

「そんな名前だったか。」

ゴブリンとゴザリア。まぁ違うと言えば違うか。とゆうかレイド兄さん。私から見れば舐めプしているようにしか聞こえないのですが。だけどおかしいな。確か足音は二人分ぐらいいたはずなのに....

「まぁいい。正直言うと俺達はお前たちがホラ吹きだろうと関係ねぇのよ。俺達の目的はお前たちの持っている金貨‼」

その言葉と同時に後ろからまたガタイのいいまたハゲのおっさんが素早く出、私の首を腕で絞め、私の左腕を掴まれた。そしてすぐさまレイド兄さんから離れた。私はいきなりのことで反応出来ずにあっさりと掴まれてしまった。そしてかなりまずいことに私を掴んだ男は腕の筋肉で私の首を圧迫してくる。私は多分このままだと呼吸が上手く出来なくなって意識を軽く失うだろう、しかも右手で剥がそうとするも剥がせない。男はその体勢のまま私を持ち上げるものだから足が地面につかなくなり踏ん張れない。これはまずい。私は少しでも呼吸が長く続くように右手でできるだけ首と腕の隙間を確保した。でも一気に腕を絞められたらそれもまずい。レイド兄さんはすぐに私の方へと向かおうと足を逆方向に動かし始めた。

「動いたら妹は死ぬぜ?」

その言葉と同時にレイド兄さんは動くのをやめ、ゆっくりとレイド兄さんに話しかけた男の方を向き始めた。

「....何だと?」

「言葉通りだ。今のことを言うとだな。俺の弟、ゲイルは妹の首をすぐに絞め殺すことができる。殺すことは出来なくとも妹の意識は失うなぁ。まぁそれでなくとも?3分ぐらいで死ぬ。やばいよな?そこでだ。俺達がほしいのは金貨100枚‼それを渡したら今回は見逃してやるよ。」

…悔しいけどゴザリアの言う通り。多分私は1分後に気を失い、3分立ったら死ぬだろう。死ぬぐらいだけだったら金なんて渡す。だけど問題はさっきゴザリアが言った「今回」。推測だけどここで金を渡したら私を人質にして次からも金をふんだくることになるかもしれない。レイド兄さんが私のことを見捨てたりしなければ....だけど。

「外道が...!!」

「外道で構わないぜぇ?レイド?さぁどうする‼妹を守るか‼金を守るか‼」

私はレイド兄さんの背中しか見えないから今どんな表情をしているのかがわからない。...首を絞められて呼吸が出来ない。このままじゃ本当に死ぬ。でもこの先のことを考えるんだったら答えは一択だ。私は精一杯声を振り絞ってレイド兄さんに聞こえるぐらいに叫んだ。

「レイド兄さん..‼金貨...渡しちゃ...ダメ‼これ.....からも‼利用...!!」

「今は兄貴とレイドが喋ってんだよ。邪魔するな‼」

勢いよくガイルが絞める。もう右腕で作った隙間もお構いなしに無くなった。でも私は伝えたいことを伝えられたからそれだけで満足だった。だけどこれで本当に呼吸が出来ない状態になった。それになっき叫んだせいもあって意識が.....
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