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十二話 想像はしていた

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「おはようさん。準備ができてるなら、早速行こうかぁ~」

「おはようございます。イディオスさん。楽しみです。」

「.....楽しみねぇ~((ボソッ」

イディオスからニヤニヤとした気持ち悪い笑みがこぼれながら宿を出たので私はイディオスさんを追いかけて宿を出た。結局宿でも知らんぷりされた。そして私達は多分私が城から出て逃げた森とは正反対のところに向かって歩いてった。そして砂利があってガタガタする歩き辛くて人通りの少ない場所に入っていった。私はそんな危険みたいな感じにも関わらず「いつ冒険者の色々を教えてもらえるんだろう?」とか景色を見てワクワクしていた。

「あっ!そう言えば聞きたいことがあるんでした‼」

「ん~なんだぁ?」

「歩きながらで申し訳ないのですが、今日の依頼と冒険者の色々を聞きたくて....」

「....ああ~そういやぁそうだったなぁ?まぁ今日の依頼はすぐに分かるぜぇ?」

私は頭に「?」を浮かべながらついていった。すると何やらガサガサと音がする草むらの方からだ。

「お出ましだなぁ?」

そうイディオスさんがいって出てきたのはものすっごいわかりやすい盗賊だった。5人ぐらいが短剣や弓、剣などを持っていた。この世界では魔法は誰でも使えるはずだからきっと全員使えるんだろう。けど強そうだとは思わない、それにイディオスさんがいるし大丈夫でしょ。Aランクがすごいのかはわからないけど。

「お疲れさまです‼親分‼今日の獲物はあれですかい?」

そういって盗賊達はきれいな90度でお辞儀をした。そうすると盗賊は道を開け、その道を私が呆然と見ていたその隣りにいたイディオスが通って道を通り終わると私の方に体を向けた。

「おつかれちゃぁ~ん。今日の獲物はぁ、なんとなんとぉ~。あのレイドのやつの妹とされているディルレットちゃんでぇ~す。」

「マジすか親分‼こりゃあ高く売れるな‼」

「売らねぇよ。」

「は?なぜですかい?」

「これでレイドをつって、その後に俺達専用の奴隷にすりゃぁいいじゃねぇか。」

「なるほどですね~じゃあちょっとあらっぽくしてもいいっすか?売りもんじゃないですし。」

「いいぜ~だけどボコボコにはするなよぉ~?」

「「へい‼」」

わかっていながらも、裏切られるのはやっぱり嫌だな。というか私とレイドさんに接点なんて無い。それにまだ冒険者の色々も教えてもらってない。でも実践は初めてで、魔法も3つしか覚えてないし、それにその魔法も闇魔法だし、バレるとまずいし....
そう考えると結構ピンチなことに気づいた。あっ、そうだなんか操り人形みたいな魔法を自分自身にかけてイメージすればなんかいい感じに短剣とか振れるんじゃない?それだったら目立たずに闇魔法使わずに済むし。
そうぶつぶつと考え事をしていたら一斉にイディオスを抜いた盗賊達が一斉に切りかかってきた。切りかかってくるってことはきっと魔法が得意では無いのだろう。けど弓使いは後ろで様子を見ているからなにかあったらすぐに攻撃を始められるようになっている。
もう気づいたら一斉に剣を持って走ってきてるじゃないか。大人げない。だけど何かおかしい。 

遅い

動きが遅く見える。なんで遅く見えるかと言うと素早さのせいだ。またもやここでも素早さが影響した。だから全部スローだ。剣の向きも、足の動きも、何もかもがスロー。ここで声出されるときっとスローすぎて笑ってしまうほどだ。けどこれは私にとってはチャンスだ、闇魔法を使わずに短剣で仕留めることが出来る。そうと決まったら私は短剣を腰から抜き、構えた、この時点でもまだ盗賊達とは2mほど先にいる、だけどその後ろにいる弓使いはあくびをしている間抜け面に笑ってしまった。そして私は盗賊の一番前に出た人の内側に入り切った、殺したかはわからないけどあまり実感がわかなかった。だけど血が飛ぶと服につくのが嫌で、短剣の血をはらい、腰に戻した。切った人が後ろによろけた。そして後ろにいた人にぶつかって二人共後ろに倒れた。この調子ならきっとあまり人を切らずに倒せるだろう。けどこれで少しはたじろいだりすると思ったけどまだ向かってくる。投げようかと思ったけど流石に体格差があったので『あれ』をやってみた。
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