上 下
2 / 49

二話 ブーヨの森

しおりを挟む
一方その頃王城では・・・

「くそっ‼なんで見つからないんだ‼…..っ‼このまま逃してしまったら....!!」

王様が頭をガシガシと掻きながら傭兵に指示を出していた。

「.....あの、僭越ながら申し上げますと...もう逃してしまっても良いのでは無いかと....逃げたやつは【忌み子】を持っていますし別のところへ行っても追い出されるだけなんじゃないかと.....」

「ぬぅ....確かにそうなんだがな、だがしかし、もしもここで逃してしまったらなにか起こりそうな予感がするんだ。それにもしもあの【忌み子】を私達が召喚した。なんて言ったら......もうどうなるかわからないんだ!」

「あの、まだ一つだけ探していない場所があります。」

傭兵がそう言うと王様は傭兵をギロリと睨みつけた。睨みつけられたので傭兵は怖気づいた。

「何だ‼言ってみろ‼くだらないことだったらただじゃおかないぞ‼」

「はっはい‼申し上げますと、まだブーヨの森は調べていません。」

「ふむ.....あの森か、あの森は景色がいいと人を近づけて中に入り、休んでいるスキに養分を摂るというあの....もしそうだとしたらもう生きて帰っては来られないだろうな、そう考えるとわざわざあの森に行く必要は無い、城下町の警備だけしてこい‼」

そう大声でいうと傭兵はなんだか安心したように返事をした。

ザワザワッザワワッ

私は奇妙な音がして目が覚めた。いつの間にか寝てしまっていた。けど多分日がちょっとしか傾いていないから1時間ぐらいしか立っていないと思う。ちょっと空を見たあと下を見ると何やら草?ツタ?みたいなのが私の周りにたくさんあった。なんだコレ。この森の事何も知らないけど直感で危ないって言ってる気がする。....抜いたほうがいいね。
私は草むしり感覚でブチブチ抜いていたらもうしゃがんでるのも辛くなってき始めた。

グォォォォォォ‼

デカイ地響きとともに私はしゃがんでいた体を起こした。
えっなになになに⁉何かあったの⁉….というかこの地響き、こっちに近づいてきていない?なんか、こういうのってテンプレ通りに行くと森のボス的なのが出てくる感じじゃ...
そうしてから私は地響きがスゴイせいで逃げることも出来ずに足止めされたままだった。
….まだ?いや、まだとかはないと思うけどさこれは流石に...そろそろ出てきてもバチは当たらないよ?けどやっぱこれ地震かなにかなのかな、
そう思った時にいきなり下からデカイ木が出てきた。けどその木は顔がついていて、なにか危険だと感じた。私は急いで後ろに飛び、なんとか回避した。

「あっぶな、ギリギリセーフ。.....えっと、この森の主的な方でしょうか?」

「い”か”に”も”私”か”こ”の”森”の”主”た”お”ま”え”、私か”生”や”し”た”ツ”タ”を”ぶち”ぶち”と抜”き”お”って”と”っと”と死ん”でし”ま”え”ばい”い”の”に”」

ツタ?あれ草じゃなかったんだ。というかあれって抜いちゃダメだったの?でも知らなかったし、危ないって思ったし....

「えっと、ごめんなさいでした。....ところで話し合いに応じる気は有りませんか?」

「な”い”私”が望む”こ”と”は”お”ま”え”がと”っと”と”く”た”ばる”こ”と”だけ”だ。」

話し合いに応じる気はなさそうだ、私は体力は回復したもののまだ何もない、武器もない、.....えっこれ詰んだ?えっヤバイヤバイヤバイほんとにどうしよ。

「し”ね”私”の”森”を”汚”す”者”よ”‼」

もう‼やるしか無い‼
私は逃げた。ここは森だ。ボスのほうが森のことを分かっていると思うけど、逃げる。
木を障害にして追いつきにくくするんだ。でも朝に全速力で走ったばっかなのにまた走ることになるなんて、それにまた死にかけてるし!!ちゃんと冷静に物事を見ないと今度こそ死ぬ‼そうするとさっきまで太いツタが何本も追いかけてきたのにいきなりさっきまでとはぜんぜん違う太さのツタが二本追いかけてきた。さっきよりも正確に私の走っている道を来るまだまだ走っても行けるけどなんとか攻撃もしなくてはいけない。もうツタが追いついてきて私に攻撃を始めてきた。けど私は走るのに必死で後ろを見ることが出来なかった。

(上に飛んで‼)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

【完結】私だけが知らない

綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?

みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。 ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる 色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。

彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。 父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。 わー、凄いテンプレ展開ですね! ふふふ、私はこの時を待っていた! いざ行かん、正義の旅へ! え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。 でも……美味しいは正義、ですよね? 2021/02/19 第一部完結 2021/02/21 第二部連載開始 2021/05/05 第二部完結

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

【完結】伝説の悪役令嬢らしいので本編には出ないことにしました~執着も溺愛も婚約破棄も全部お断りします!~

イトカワジンカイ
恋愛
「目には目をおおおお!歯には歯をおおおお!」   どごおおおぉっ!! 5歳の時、イリア・トリステンは虐められていた少年をかばい、いじめっ子をぶっ飛ばした結果、少年からとある書物を渡され(以下、悪役令嬢テンプレなので略) ということで、自分は伝説の悪役令嬢であり、攻略対象の王太子と婚約すると断罪→死刑となることを知ったイリアは、「なら本編にでなやきゃいいじゃん!」的思考で、王家と関わらないことを決意する。 …だが何故か突然王家から婚約の決定通知がきてしまい、イリアは侯爵家からとんずらして辺境の魔術師ディボに押しかけて弟子になることにした。 それから12年…チートの魔力を持つイリアはその魔法と、トリステン家に伝わる気功を駆使して診療所を開き、平穏に暮らしていた。そこに王家からの使いが来て「不治の病に倒れた王太子の病気を治せ」との命令が下る。 泣く泣く王都へ戻ることになったイリアと旅に出たのは、幼馴染で兄弟子のカインと、王の使いで来たアイザック、女騎士のミレーヌ、そして以前イリアを助けてくれた騎士のリオ… 旅の途中では色々なトラブルに見舞われるがイリアはそれを拳で解決していく。一方で何故かリオから熱烈な求愛を受けて困惑するイリアだったが、果たしてリオの思惑とは? 更には何故か第一王子から執着され、なぜか溺愛され、さらには婚約破棄まで!? ジェットコースター人生のイリアは持ち前のチート魔力と前世での知識を用いてこの苦境から立ち直り、自分を断罪した人間に逆襲できるのか? 困難を力でねじ伏せるパワフル悪役令嬢の物語! ※地学の知識を織り交ぜますが若干正確ではなかったりもしますが多めに見てください… ※ゆるゆる設定ですがファンタジーということでご了承ください… ※小説家になろう様でも掲載しております ※イラストは湶リク様に描いていただきました

処理中です...