召喚されたら【忌み子】でした。〜処刑から逃げ出して仲間と神探しの旅に出ています探さないでください〜

一話 【忌み子】

........こんなことになるなんて思ってなかったよ。

私は眩しい光で目を開けた。　　

「おおおおおお！成功したぞ‼異世界召喚に成功した‼皆よく頑張ったな‼」

私の周りには白いローブを着てフードで顔を半分も隠している人たちがハイタッチや涙を流して泣いていた。そして私の目の前には王冠とギラギラとした宝石をつけた王様らしき人が感動してフルフルと震えている
周りは教会みたいなところだけどすごくゴージャスでギラギラして更に眩しかった。

「ああ、いきなり呼び出してすまない。私の国はいま飢饉に襲われていてな、異世界人の知識を借りようと、ここに呼び出したのだ。すまないが早速鑑定を受けてもらえるか。」

そう言うと青いローブを着た人が私の前に来て手をかざした顔は見えなかったがその男も喜びを抑えていた。そして私はまだ腰が抜けたままだった。

「........僭越ながら申し上げますと、この方は【忌み子】を持ってます。」

そう言うとさっきまで喜びの声を上げていた人たちがシンッ.....と静まった。私は何が何だかわからず、その【忌み子】というのが気になった。

「おい、鑑定士、その言葉に嘘偽りはないか？.....」

「はい。嘘ではありません。見て下さい。」

そう言うと王様は私に手をかざしている方をまじまじと見た。その近くにいる鑑定士もまじまじともう一度王様と一緒に見始めた。

「.......そんなことは.......私達の努力は......」

王様がそう言うと周りの皆んなが落胆し始めた。涙をこらえている人もいれば、もう泣いている人もいる。怒りを持っていて王様がいなければ今にも掴みかかってきそうだ。

「.....あの、ここに呼び出されたのはいいんですが、私はどうすればいいでしょうか？」

私が静かに尋ねると王様はさっきまで絶望した顔をしていたが顔を真っ赤にしてカッカし始めた。

「ふざけるなよ【忌み子】‼私達の努力をどうしてくれるんだ‼それに、私達王族がこんな【忌み子】を召喚するなんて恥さらしだ‼こうなったらお前の存在を消してやる‼処刑だ‼」

そう王様が大声でいうともちろん周りも聞こえたようで「殺せ‼私達の苦労を返せ‼殺せ‼」
と罵倒してきた。
私はその場から立てずにまだ座り込んでいた。周りから自分に対する罵声が聞こえても立てなかった。立てないから逃げようとも思えなかった。そしたら私は傭兵に肩をガッチリと捕まえられたくさんの罵倒がする中で歩き続け牢に投げ出された。

「ここで処刑までおとなしくしてろ【忌み子】が....まあけど安心しろよすぐにあの世に送ってやるぜ、２日ぐらいの命、大切にこの牢で過ごせよ。」

そう言うと勢いよく傭兵は扉を閉めた。私は部屋を見たがほんとに牢だった。石の壁があってなんとも殺風景で冷たい部屋。牢屋はちょっと掃除を怠ったら虫が湧き出てきそうな感じ、小窓は付いているがとても小さく、他にはベットしか無い。食事と朝と夜に体を洗う水はだしてやるといったが、期待はできなさそうだ。私はただ死ぬことを考えながらベットについたホコリを手ではらい、ボスンと座った。ちょっとはキレイにしてるのか、思ったよりホコリは舞わなかった。私は朝に起きて学校へ行く途中で今に至る。こっちの世界では夜だ。月明かりが少しだけ見える。そしたら傭兵がご飯をくれた。死なない程度のご飯。コップ一杯の水に野菜と豆しか入ってないスープ、あとはジャムに固くなっているであろうパンだった。私はそのご飯も覚めきっていることに気づいて、体が冷えた。さっき朝ごはんを食べてきたのに何故かそのご飯を食べた。その後、お湯と体を拭くタオルがもらえた。そこは暖かかった。でもその後は特に何もなかったのでもう一度ベットのホコリをはらってから寝た。

「おい！起きろ‼この【忌み子】風情が‼触りたくもない‼」

私は勢いよく開けられた扉の音で目が覚めた。私はまだ混乱していていると考える隙もなく
胸ぐらを捕まれ、牢の外に投げ出された。背中と頭を軽く打ったが血は出ていないようで安心した。だけど寝起きでいきなり投げ出されたんだ溜まったもんじゃない。頭がクラクラするし何も考えられなかった。

「これから処刑が始まる‼」

「えっ...処刑？な、なんで‼なんでよ‼あと二日ぐらいだって‼」

「おやおや言いがかりも甚だしい、私は確かに言ったぞ？『明日処刑だ』ってな？」

傭兵はニヤニヤとした姿で私を見下ろしている。
ハメやがって、私がなにか文句を言うのを分かってやってる。
逃げようとも思っても逃げるタイミングがない、でも逃げないと死ぬ...詰んでる。
私はまだ実感がわかなかったもののゾッとした。
私は処刑台の目の前まで歩かされ、もう少しで死ぬ所まで来た。怖くて怖くてカタカタと震えた、でも死にたくはなかった。どんなに怖くても死にたくはなかった。でも、もしここから抜け出したら逃げ切れる？逃げ出したかった、でも足が動かなかった、でもどっちにせよ殺されるんだとしたら、　逃げたい
私は勢いよく腕を振り回し、振りほどいた。そして私は無我夢中で城の中を走って見つかりにくそうな牢の廊下を走った。そしたら裏口を見つけ、私は急いで裏口を開けて外に飛び出した。裏口から出るとすぐに森があったので私はその森に向かって全速力で走った。

何処だろうここは、私は無我夢中でこの森まで走ってきた。出来た。逃げられた。私はそこで初めて涙が出た。自分を褒めた。足が動かなかったらもう死んでいた。私はそのまま勢いよく座った。

私はやっと落ち着いたので空を見るともうさっきまで朝だったのにもう日が真上にある。この森はとてもきれいな森だった。木が風でサワサワと揺れる。私は安心すると気分が上がった。こういうのはラノベで読んだことがあった。さっきまで怖くて震えていたのに今はすっごくワクワクしてる。私は早速『あれ』を言ってみた。

『ステータスオープン』

私がそう言うと目の前に画面がいきなり現れた。

《　名前　　　　　　　　　年齢17歳　女　　Lv.1　　色   黒 闇属性　　            》
《　体力　332　　魔力　236　　攻撃力　270　　　　　　　　　　　　　　　 》
《　防御力　470　　素早さ　120　　　　　   　　　　　　　　　　　　　        》
《【忌み子】　??????  　【自分を知る者】ステータスを見ることが出来る   　　》

まずはさっき鑑定士が言っていた【忌み子】、なんかあと【自分を知る者】？それはあるのに【鑑定】は無い....まぁそれはいいとして、まぁ、あとは色？けど属性って書かれているからきっと魔法‼があるのでしょう‼まぁそれ以外にはまぁまぁのステータス？あっ、けど名前がない。こっちに召喚されたからかな？あとは安定のLv.1。
だけど【忌み子】??????　はどうかと思いながら木に寄りかかり足を組んで空をじっと見た。