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番外編 カエラside⑤
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周りの状況が目まぐるしく変わり、私はその変化に付いていく事に必死でした。
国王となったアムールを支えつつ、亡くなった王妃の代理となり、今まで側妃として……ただアムールの近くで影でいる為にあえて関与してこなかった王政にも関わらなくてはいけなくなった。
そして、この国の王家の人間として私はドイル国の血筋主義について学び直す事となった。
ドイル国の事。
メルトニア人の事。
今までも頭では理解していましたが、学べば学ぶほどそれはとても根深いものだった。
自身は側妃。いつしかアムールと正妃ミリア様との間に子ができると思っていたので、私の産んだケンビットもフェルトン殿下のよう王位継承権など持たせないつもりでいた。
だからこそ血筋主義に関してもあまり考えてないようにしてきていたけど、ケンビットが王太子となってしまったら話は変わってくる。
ケンビットは3世代目の濃血者。
だからケンビットとメルトニア人の純血の間に子供が産まれなければ王家は濃血ではなく混血の後継者を持つ事になる。
国の尊重となる王族としてはそれは避けたい事だった。
もうメルトニア人の純血を今後保つ事はできないのは誰しもがわかっていた。
だからこそ、その中でも王族は最も濃いメルトニア人の血筋を保たなくてはならない。
私はこの国唯一の妃としてこの王家の考えを守らなければと思った。
その為にもケンビットには純血の婚約者が欲しかった。
純血の子供……それはエリアーナとフェルトンの子供。
私とアムールは2人にこの国の為にと頭を下げたが、この国のあり方に疑問を抱いている2人は決して頷いてくれない。
エリアーナとフェルトンの気持ちも分かる。
私も内心こんなのおかしいと思う。
でも、私にはどうする事も出来ない。
私も必死だった。
ケンビットがこれから背負う王家を守る為に私ができるのはこのくらいしかなかった。
しかし、当人達の意思があっても子供なんて簡単に授かれるものではない。
意思がないなら尚更だ。
正直、諦めかけたその時エリアーナの妊娠が発覚した。
そして産まれたのは王家にとっては待望の女の子。
嬉しかった。このチャンスは逃せないと思った。
エリアーナは絶対に首を縦には振らない事も分かっていた。
私はとにかく誠意をみせた。
エリアーナがケンビットとアエリアの婚約を承諾してくれた時には身体中の力が抜けた。
本当に嬉しかった。
アエリアに出会った事によりケンビットは人が変わったように明るくなった。
アエリアはとても真面目で良い子。
教えた事はすぐ覚えて、それだけではなく「1」教えれば「10」覚えてくるような子だった。
私はアエリアを我が子のようにとても愛おしく思っていた。
2人の仲も上手くいっている。
全ては良い方に進んでいる。と、私はなんの心配などせず安心をしていた。
しかし、それが少しずつおかしくなってきたのはアエリアが災害にあったコスタル村に行きたいと言った頃からだった。
小さな不安やモヤモヤがこの頃から私の中に生まれ始めてはいたが、私はあえて気づかないふりをした。
そんな中、コスタル村の復興に尽力してくださったグランドールメイル帝国皇帝『感謝の宴』を行う事になった。
私はアエリアと共に準備を行った。
アエリアは的確に仕事をこなして私がもう教えられる事なんてないくらい成長した。
きっと、アエリアならこの国にとって良い王妃になるとこの時までは疑いもしなかった。
ある程度準備が整い、あとは最終調整をするだけとなった頃、私はアエリアを久々にお茶へと誘った。
お茶の最中の雑談としてグランドールメイル帝国の皇帝の話を出すと、アエリアが今まで見せた事のない穏やかな顔をした。
まるで愛しい人を思い出しているような……
嫌な予感がした。
おもわず私がアエリアを問い詰めるとアエリアは否定した。
自身はケンビットの婚約者であると。
私はアエリアの答えにホッと胸を下ろした。
が、その後にそんな事よりも衝撃的な事実を知る事となる。
ケンビットがアエリアの宴の為のドレスを用意していないというのだ。
何よりアエリアの事を真っ先にやるケンビットがドレスを準備していない?
私は頭が真っ白になった。
国王となったアムールを支えつつ、亡くなった王妃の代理となり、今まで側妃として……ただアムールの近くで影でいる為にあえて関与してこなかった王政にも関わらなくてはいけなくなった。
そして、この国の王家の人間として私はドイル国の血筋主義について学び直す事となった。
ドイル国の事。
メルトニア人の事。
今までも頭では理解していましたが、学べば学ぶほどそれはとても根深いものだった。
自身は側妃。いつしかアムールと正妃ミリア様との間に子ができると思っていたので、私の産んだケンビットもフェルトン殿下のよう王位継承権など持たせないつもりでいた。
だからこそ血筋主義に関してもあまり考えてないようにしてきていたけど、ケンビットが王太子となってしまったら話は変わってくる。
ケンビットは3世代目の濃血者。
だからケンビットとメルトニア人の純血の間に子供が産まれなければ王家は濃血ではなく混血の後継者を持つ事になる。
国の尊重となる王族としてはそれは避けたい事だった。
もうメルトニア人の純血を今後保つ事はできないのは誰しもがわかっていた。
だからこそ、その中でも王族は最も濃いメルトニア人の血筋を保たなくてはならない。
私はこの国唯一の妃としてこの王家の考えを守らなければと思った。
その為にもケンビットには純血の婚約者が欲しかった。
純血の子供……それはエリアーナとフェルトンの子供。
私とアムールは2人にこの国の為にと頭を下げたが、この国のあり方に疑問を抱いている2人は決して頷いてくれない。
エリアーナとフェルトンの気持ちも分かる。
私も内心こんなのおかしいと思う。
でも、私にはどうする事も出来ない。
私も必死だった。
ケンビットがこれから背負う王家を守る為に私ができるのはこのくらいしかなかった。
しかし、当人達の意思があっても子供なんて簡単に授かれるものではない。
意思がないなら尚更だ。
正直、諦めかけたその時エリアーナの妊娠が発覚した。
そして産まれたのは王家にとっては待望の女の子。
嬉しかった。このチャンスは逃せないと思った。
エリアーナは絶対に首を縦には振らない事も分かっていた。
私はとにかく誠意をみせた。
エリアーナがケンビットとアエリアの婚約を承諾してくれた時には身体中の力が抜けた。
本当に嬉しかった。
アエリアに出会った事によりケンビットは人が変わったように明るくなった。
アエリアはとても真面目で良い子。
教えた事はすぐ覚えて、それだけではなく「1」教えれば「10」覚えてくるような子だった。
私はアエリアを我が子のようにとても愛おしく思っていた。
2人の仲も上手くいっている。
全ては良い方に進んでいる。と、私はなんの心配などせず安心をしていた。
しかし、それが少しずつおかしくなってきたのはアエリアが災害にあったコスタル村に行きたいと言った頃からだった。
小さな不安やモヤモヤがこの頃から私の中に生まれ始めてはいたが、私はあえて気づかないふりをした。
そんな中、コスタル村の復興に尽力してくださったグランドールメイル帝国皇帝『感謝の宴』を行う事になった。
私はアエリアと共に準備を行った。
アエリアは的確に仕事をこなして私がもう教えられる事なんてないくらい成長した。
きっと、アエリアならこの国にとって良い王妃になるとこの時までは疑いもしなかった。
ある程度準備が整い、あとは最終調整をするだけとなった頃、私はアエリアを久々にお茶へと誘った。
お茶の最中の雑談としてグランドールメイル帝国の皇帝の話を出すと、アエリアが今まで見せた事のない穏やかな顔をした。
まるで愛しい人を思い出しているような……
嫌な予感がした。
おもわず私がアエリアを問い詰めるとアエリアは否定した。
自身はケンビットの婚約者であると。
私はアエリアの答えにホッと胸を下ろした。
が、その後にそんな事よりも衝撃的な事実を知る事となる。
ケンビットがアエリアの宴の為のドレスを用意していないというのだ。
何よりアエリアの事を真っ先にやるケンビットがドレスを準備していない?
私は頭が真っ白になった。
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