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番外編 カエラside②
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それから、エリアーナは毎日私を迎えに来てくれて一緒に登校するようになりました。
最初こそエリアーナの急な訪問に驚いた両親ですが、私に無関心だった両親が何故だかこの頃から急に私を構うようになりました。
エリアーナは思った事を誰彼構わず遠慮なくすぐに口に出すし、思いついた事は考えるよりも先に行動してしまう人でした。
その為、反感的に見られる事も多く、女だらけのこの学園内で毎日何かしらの問題を起こしていました。
しかし、エリアーナはこの国で王家に継ぐ筆頭公爵家の一人娘。誰も表立って強く逆らったりできませんでした。
エリアーナ自身、自身が敵を作りやすい性格だと分かっているけどどうしても止められないと言って、気がつけば私はエリアーナのストッパー係になっていました。
いつしか、私とエリアーナは学園内ではセット扱いされるようになっていましたが、私は嫌ではありませんでした。
私は強引ではあるけれど、表裏がなく自分の意思を強く持って行動しているエリアーナの姿に憧れを持っていたから……
学園生活にも慣れた頃、家では避けられてあまり会話もしない姉に急に呼びだされて、姉とその周りの方々から学園での生活態度を注意をされました。
姉にしてみたら、私のような人間が貴族の中でも最高峰といってえエリアーナと共にいることが許せないみたいです。
でも、私を探しにきたエリアーナにその現場を見られてしまい、姉の私に対する態度が気に入らないとエリアーナは姉を一喝しました。
それから姉は、今まで以上に私に全く関わらないようになりました。
普段は私など構わない癖に、何かあるたびに私は姉の目の敵にされていたので気が楽になりました。
エリアーナと出会い、私の世界は確実に大きく変わりました。
15歳になった頃、エリアーナはこの国の第二王子フェルトン殿下との婚約が決まりました。
フェルトン殿下は既に王位継承権を放棄しているので、バルメルク家に婿養子として入るそうです。
伯爵家の次女である私にとって雲の上のような話でした。
でも、エリアーナはとても幸せそうで羨ましく感じました。
それから数年経ち、学年生活も残り僅かとなった頃、エリアーナが私をナリエ妃に会わせたいと言ってきました。
王妃様に私の話をしたら是非連れてきて欲しいと言われたそうです。
善は急げとその日の帰り私はエリアーナに王城に連れて行かれました。
もちろん私は王城に行くのが初めてだったし、しかも王妃様に会うなんて予想外の展開に頭がついていきませんでした。
良くわからないままエリアーナに案内されるがまま王妃様の部屋に行きお茶をしながらお話をさせて頂きました。
きっと、エリアーナの暴走……急な訪問だったにも関わらず王妃様はとても穏やかで優しい方でした。
王妃様との話を終えて王城内をエリアーナに案内されながら歩いていると、通りかかった中庭にエリアーナの婚約者であるフェルトン殿下がいました。
エリアーナは私に少し待っていてと言って嬉しそうにフェルトン殿下の所まで走っていきます。
2人は仲良さげに話を始めました。
エリアーナの普段とは違う幸せいっぱいな姿に私も思わず頬が緩んでしまいます。
時間が掛かるかな……と思い、私は近くにあったベンチに座りその日借りたばかりの本を鞄から取りだりページをめくり読み始めました。
「トラベート冒険記。その話面白いよね」
本に集中していると急に後ろから声をかけられて振り向くと、一人の青年が私の肩越しに本を覗き込んでいました。
あまりの近さに私は固まってしまう。
私はこの人を知っている。
薄茶色の髪に赤茶の瞳。
この国の王太子アムール殿下だ。
最初こそエリアーナの急な訪問に驚いた両親ですが、私に無関心だった両親が何故だかこの頃から急に私を構うようになりました。
エリアーナは思った事を誰彼構わず遠慮なくすぐに口に出すし、思いついた事は考えるよりも先に行動してしまう人でした。
その為、反感的に見られる事も多く、女だらけのこの学園内で毎日何かしらの問題を起こしていました。
しかし、エリアーナはこの国で王家に継ぐ筆頭公爵家の一人娘。誰も表立って強く逆らったりできませんでした。
エリアーナ自身、自身が敵を作りやすい性格だと分かっているけどどうしても止められないと言って、気がつけば私はエリアーナのストッパー係になっていました。
いつしか、私とエリアーナは学園内ではセット扱いされるようになっていましたが、私は嫌ではありませんでした。
私は強引ではあるけれど、表裏がなく自分の意思を強く持って行動しているエリアーナの姿に憧れを持っていたから……
学園生活にも慣れた頃、家では避けられてあまり会話もしない姉に急に呼びだされて、姉とその周りの方々から学園での生活態度を注意をされました。
姉にしてみたら、私のような人間が貴族の中でも最高峰といってえエリアーナと共にいることが許せないみたいです。
でも、私を探しにきたエリアーナにその現場を見られてしまい、姉の私に対する態度が気に入らないとエリアーナは姉を一喝しました。
それから姉は、今まで以上に私に全く関わらないようになりました。
普段は私など構わない癖に、何かあるたびに私は姉の目の敵にされていたので気が楽になりました。
エリアーナと出会い、私の世界は確実に大きく変わりました。
15歳になった頃、エリアーナはこの国の第二王子フェルトン殿下との婚約が決まりました。
フェルトン殿下は既に王位継承権を放棄しているので、バルメルク家に婿養子として入るそうです。
伯爵家の次女である私にとって雲の上のような話でした。
でも、エリアーナはとても幸せそうで羨ましく感じました。
それから数年経ち、学年生活も残り僅かとなった頃、エリアーナが私をナリエ妃に会わせたいと言ってきました。
王妃様に私の話をしたら是非連れてきて欲しいと言われたそうです。
善は急げとその日の帰り私はエリアーナに王城に連れて行かれました。
もちろん私は王城に行くのが初めてだったし、しかも王妃様に会うなんて予想外の展開に頭がついていきませんでした。
良くわからないままエリアーナに案内されるがまま王妃様の部屋に行きお茶をしながらお話をさせて頂きました。
きっと、エリアーナの暴走……急な訪問だったにも関わらず王妃様はとても穏やかで優しい方でした。
王妃様との話を終えて王城内をエリアーナに案内されながら歩いていると、通りかかった中庭にエリアーナの婚約者であるフェルトン殿下がいました。
エリアーナは私に少し待っていてと言って嬉しそうにフェルトン殿下の所まで走っていきます。
2人は仲良さげに話を始めました。
エリアーナの普段とは違う幸せいっぱいな姿に私も思わず頬が緩んでしまいます。
時間が掛かるかな……と思い、私は近くにあったベンチに座りその日借りたばかりの本を鞄から取りだりページをめくり読み始めました。
「トラベート冒険記。その話面白いよね」
本に集中していると急に後ろから声をかけられて振り向くと、一人の青年が私の肩越しに本を覗き込んでいました。
あまりの近さに私は固まってしまう。
私はこの人を知っている。
薄茶色の髪に赤茶の瞳。
この国の王太子アムール殿下だ。
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