【完結】はい、かしこまりました。婚約破棄了承いたします。

はゆりか

文字の大きさ
22 / 92

20.

しおりを挟む
リナの方を見ると、リナはジッと去りゆくエリーさんを眺めていた。

リナはエリーさんと顔見知り?
だとしたら何故私に黙っているのかしら? 


リナとはまだ2年と付き合いは短いけど、今の私にとってとても頼りになる存在。

マルク様のとの婚約が決まって妃教育が始まる頃、お父様がどこかのお屋敷に勤めてたリナの優秀さに目を止めて、私の為に引き抜いて来てくれた。

それからほとんどの時間をリナと共にしているけど、リナの優秀さは身に染みて感じている。


リナが私に対して何か隠しているなんて思いたくない。
でも、正直私はリナの事を何も知らないのよね…

私が知っているのは“リナ・サンドルフ”という名前と22歳だと言う事。

それと、“貴族出身では無いけど幼い頃より侍女としての教育を受けていた”と本人から聞いた事がある。


エリーさんも平民出身だろうから年齢も近いし、その辺りの知り合い?
でも…だとしても、なにも隠す必要性は全く無いはず…

なんとなくボーっとリナを見つめていると、パチリと目が合ってしまい思わず私は目を逸らしてしまう。

入学早々になんでこんなに頭を悩まされなければならないの…
楽しみなはずのこれからの学園生活がますます不安になってくるわ。


「カロリーナ様。どうされました?お疲れのようですし、一度お部屋に入ってお休みになられた方がよろしいのでは?」

「…えっあぁ…ええ。そうね」


信頼をしているリナに対する急な疑惑に私自身が動揺してしまう。
そんな自分を悟られない様にリナに促されたまま部屋に入る。


寮室はさすがに自分が今まで過ごしていた部屋よりは狭いものの一人で過ごすには十分の広さがあり、ふかふかのベットに女の子が喜びそうそうなおしゃれなテーブルに椅子が揃えられていた。

リナは部屋に入るなり私を椅子に座らせるとササっとお茶を用意して私に出してくれる。そして、リナは持って来た必要最低限の荷物を広げて手際よく仕舞い始める。


リナの態度は普通…いえ。今思えば、リナのエリーさんに対しての態度はなんとなく違和感がある。

…リナは一体私に何を隠してる?


今まで信頼するお父様が連れてきた侍女だし、リナの優秀さを見てきてリナの事を疑ったことはない。

けど、気になりだすとリナに対する疑問が次々と出てくる。
今朝のお父様とのやりとりも、エリーさんとの関係も。

こんな思いを持ちつつ問題山積みの学園生活をやっていけるのかしら…

「……」

いや…無理ね。

やっぱりここはハッキリさせておかないと。
私の1番の助けになるリナを私は信じて過ごしたい。


「リナ…」

「はい?なんでしょう?」
「貴方は私の侍女よね?」
「はい。私はカロリーナ様に御使いする侍女です」
「私は貴方を信頼してるし、姉の様に慕っているわ」
「有り難きお言葉です」

「だからこそ、正直に答えて…」
「…はい?」


「あなたもしかしてエリーさんとはお知り合いなの?」

リナの動きがピタリと止まる。

「エリーさんは私と話す度に貴方を気にしていた様な気がするの。私の気のせいかしら?」

私の言葉にリナは姿勢を正して、真剣な眼差しで私を見つめる。

「申し訳ありません。隠していたわけではないのですが、お話しするタイミングがありませんでしたので…」

「そう。知り合いなのね?」
「はい」

リナは私に対して深く頭を下げた。
しおりを挟む
感想 90

あなたにおすすめの小説

病弱な幼馴染を守る彼との婚約を解消、十年の恋を捨てて結婚します

佐藤 美奈
恋愛
セフィーナ・グラディウスという貴族の娘が、婚約者であるアルディン・オルステリア伯爵令息との関係に苦悩し、彼の優しさが他の女性に向けられることに心を痛める。 セフィーナは、アルディンが幼馴染のリーシャ・ランスロット男爵令嬢に特別な優しさを注ぐ姿を見て、自らの立場に苦しみながらも、理想的な婚約者を演じ続ける日々を送っていた。 婚約して十年間、心の中で自分を演じ続けてきたが、それももう耐えられなくなっていた。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

婚約破棄から50年後

あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。 そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。

〖完結〗では、婚約解消いたしましょう。

藍川みいな
恋愛
三年婚約しているオリバー殿下は、最近別の女性とばかり一緒にいる。 学園で行われる年に一度のダンスパーティーにも、私ではなくセシリー様を誘っていた。まるで二人が婚約者同士のように思える。 そのダンスパーティーで、オリバー殿下は私を責め、婚約を考え直すと言い出した。 それなら、婚約を解消いたしましょう。 そしてすぐに、婚約者に立候補したいという人が現れて……!? 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話しです。

〖完結〗旦那様には出て行っていただきます。どうか平民の愛人とお幸せに·····

藍川みいな
恋愛
「セリアさん、単刀直入に言いますね。ルーカス様と別れてください。」 ……これは一体、どういう事でしょう? いきなり現れたルーカスの愛人に、別れて欲しいと言われたセリア。 ルーカスはセリアと結婚し、スペクター侯爵家に婿入りしたが、セリアとの結婚前から愛人がいて、その愛人と侯爵家を乗っ取るつもりだと愛人は話した…… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全6話で完結になります。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします

恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。 王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい? つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!? そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。 報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。 王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。 2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

処理中です...