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9、メイル兄様の婚約②
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えっ!えっ?えっ⁇
王太子の婚約者?
あの硬派なメイル兄様が婚約者を奪った?
一体何があったのでしょうか…
全く想像ができません。
「どういう事ですか…メイル。相手がいる女性と婚約なんて…しかも隣国の王太子の婚約者なんて…」
お母様が顔を真っ青にしてはフラフラと椅子に座る。
「アエリアとドイル国王太子はすでに婚約解消しています。ドイル国の国王が正式に認めた婚約だから何の問題もありません。」
頭を抱えるお母様をよそにメイル兄様は淡々と答える。
「問題があるとかないとかではなくモラルの問題です…一国の皇帝が隣国王太子の婚約者を略奪なんて…メイルは貴方は一体何を考えているのですか…ティナの事があったばかりだと言うのに…」
お母様はこの世の終わりとでも言うようにがっくりと頭を項垂れる。
「略奪…いや…そんなつもりは…いや…略奪なのか。」
メイル兄様は口に手を当てながら考え込む。
「完全なる略奪ですよ。兄上。」
ゲイル兄様がため息混じりにメイル兄様に言う。
略奪…メイル兄様が隣国王太子の婚約者を略奪?
あの女性に一切興味を持たず、男色を噂されていたお兄様が?
熱い…熱いわ…
小説が一本書けそうですわね。
「略奪と言われると気分が悪いな…まぁ出会ったその時からアエリアを私のものにしたいとは思ったが、きちんと手順は守ったつもりだ。無理矢理奪った訳ではない。」
メイル兄様は何かを思い出すように話す。
お母様とゲイル兄様がそんなメイル兄様をみて大きなため息を吐く。
「兄上…非常に言いにくいですが、兄上が違うと言っても世間的に見ればそれは略奪です。世間の目は厳しいですよ。」
ゲイル兄様はメイル兄様に真剣な顔つきで言う。
「世間の目?なぜそんなものを気にする?
私はただ、苦しんでいたアエリアを救い出したかっただけだ。結果アエリアは私の婚約者となった。アエリアの周りの者達も認めている。何か問題でもあるか?」
ダイニングにいる皆がそれぞれメイル兄様を憐れんだ目で見る。
「貴方はいいかもしれないけれど、貴方はこの国の皇帝。普通の人とは違うのです。世間の目に晒されてて良からぬことを言うものは必ずいます。お相手の令嬢が苦労する事になりますよ。」
お母様が呆れ返ってキツくメイル兄様に言うと、メイル兄様は優しい笑みを浮かべる。
「アエリアは大丈夫だ。たとえ何かあったとしても私が守り切る。誰にもアエリアを傷つけさせない。」
その言葉と同時に部屋中に温かな優しい空気が流れる。
その温かな空気は身体中を包み込み穏やかな気持ちになる。
メイル兄様の加護の力?
メイル兄様の決意がその力を通じて伝わってくる。
お母様もゲイル兄様もノイルもそして使用人達もみんな穏やかな顔になる。
「本気なのね…」
お母様がポツリと呟く。
「相手の方は大丈夫なのですか?」
ゲイル兄様は心配そうにメイル兄様を見る。
「あぁ。話はきちんと付いている。私とアエリアは前世の魂で繋がっている運命の相手らしいしな。その辺はまったく問題はない。」
メイル兄様は意味ありげに微笑む。
前世の魂で繋がっている運命の相手?
なんですか?そのロマンス小説にありそうな設定は…
「前世…運命…成る程、色々裏があるのね。それでは仕方がないわね…貴方の気持ちはわかりました。色々覚悟の上なら私も協力を惜しまないわ。」
お母様は諦めるように頷いてメイル兄様に微笑む。
「貴方に婚約者ができて喜ばしいわ。」
「ありがとうございます。母上。」
メイル兄様はお母様に頭を下げる。
「同盟の理由もそれが原因なんじゃ…」
これにて一件落着と思いきや今まで静かに様子を眺めていたノイルがボソリと爆弾を落とす…
「えっ…」
「まさかそんな。」
「メイル兄様に限って…」
私達がメイル兄様に目を向けるとメイル兄様はフッと目線を逸らす。
メイル兄様…アウトです。
「初恋ですからね。色々拗らせたのですよ。」
ランがすかさずメイル兄様をフォロー?する。
「陛下のあんな必死な姿中々お目にかかれませんよ。」
トゥイが援軍を出す。
2人の言葉に私は何故だか胸がギュと締め付けられる。
今、2人はどの様な気持ちでメイル兄様をフォローしているのかしら?
2人の気持ちを思うといたたまれません。
「なんでも思い通りにできてしまう最強の男が恋をするとこうなってしまうのね…」
お母様は額に手を当てて深く深く息を吐く。
「同盟は同盟だ。直接婚約には関係ない。
誰が何を言おうが、もうあちらの国王からは了承を得て、正式にアエリアは私の婚約者になると制約してある。これはもう決定事項で私もアエリアを手放すつもりはない。」
メイル兄様がそういいながら話はもう終わりだと席を立つ。
メイル兄様の顔がほんのり赤みを帯びています。
メイル兄様にこんな顔をさせられるお相手は一体どんな方なのでしょうか…気になりますね。
「お相手の王太子には申し訳ありませんが、兄上の初恋が上手くいってくれてよかったと私達は思うしかないですね。」
ゲイル兄様がダイニングを出て行こうとするメイル兄様を見てポツリと呟き、その言葉に皆が頷いた。
足早に執務室に行こうとするメイル兄様と、お兄様にぴったりと付いていくランとトゥイの背中を見て私は押さえつけていた感情がどうしても止められなくなってしまいメイル兄様を咄嗟に追いかける。
「メイル兄様」
「どうした?ティナ」
メイル兄様をは急いで追いかけてきた私を不思議そうに見る。
私は戸惑いながらも意を決してメイル兄様を見る。
「ランとトゥイはどうなるのですか?」
「どうなるとは…?」
「お兄様が女性の婚約者を迎えるのは喜ばしいですが、今までずっと共にして来ていたランやトゥイの気持ちはどうなるのでしょう?」
「…」
「ランとトゥイが可哀想です」
「……」
私はランとトゥイを思い涙が出てくる。
ランとトゥイはお腹を抱えて笑いを堪えてる。
メイル兄様はそんな私を見ながら額に手を当てて大きくため息をつくと首を左右に振る。
「ティナ…お前の思考は本当にどうなっているんだ?
ランとトゥイは私の従者であり友人だ。お前の考えている様な関係は断じてない。絶対にない。」
「え?そうなのですか?」
私の反応にメイル兄様は呆れ返る。
ランとトゥイはもう我慢の限界とでも言うように声を出して笑い始めた。
よかった様な…残念の様な…
でも、ランやトゥイが大丈夫なのであれば素直にメイル兄様の婚約を祝っても大丈夫なのですね。
鉄壁なメイル兄様を落とした婚約者…
威厳あるメイル兄様をデレさせる女性。
一体どんな方かしら?
私は仲良くできるかしら?
メイル兄様が、選んだ方ですから素敵な人に間違えありませんが、色々妄想…想像が膨らみます。
王太子の婚約者?
あの硬派なメイル兄様が婚約者を奪った?
一体何があったのでしょうか…
全く想像ができません。
「どういう事ですか…メイル。相手がいる女性と婚約なんて…しかも隣国の王太子の婚約者なんて…」
お母様が顔を真っ青にしてはフラフラと椅子に座る。
「アエリアとドイル国王太子はすでに婚約解消しています。ドイル国の国王が正式に認めた婚約だから何の問題もありません。」
頭を抱えるお母様をよそにメイル兄様は淡々と答える。
「問題があるとかないとかではなくモラルの問題です…一国の皇帝が隣国王太子の婚約者を略奪なんて…メイルは貴方は一体何を考えているのですか…ティナの事があったばかりだと言うのに…」
お母様はこの世の終わりとでも言うようにがっくりと頭を項垂れる。
「略奪…いや…そんなつもりは…いや…略奪なのか。」
メイル兄様は口に手を当てながら考え込む。
「完全なる略奪ですよ。兄上。」
ゲイル兄様がため息混じりにメイル兄様に言う。
略奪…メイル兄様が隣国王太子の婚約者を略奪?
あの女性に一切興味を持たず、男色を噂されていたお兄様が?
熱い…熱いわ…
小説が一本書けそうですわね。
「略奪と言われると気分が悪いな…まぁ出会ったその時からアエリアを私のものにしたいとは思ったが、きちんと手順は守ったつもりだ。無理矢理奪った訳ではない。」
メイル兄様は何かを思い出すように話す。
お母様とゲイル兄様がそんなメイル兄様をみて大きなため息を吐く。
「兄上…非常に言いにくいですが、兄上が違うと言っても世間的に見ればそれは略奪です。世間の目は厳しいですよ。」
ゲイル兄様はメイル兄様に真剣な顔つきで言う。
「世間の目?なぜそんなものを気にする?
私はただ、苦しんでいたアエリアを救い出したかっただけだ。結果アエリアは私の婚約者となった。アエリアの周りの者達も認めている。何か問題でもあるか?」
ダイニングにいる皆がそれぞれメイル兄様を憐れんだ目で見る。
「貴方はいいかもしれないけれど、貴方はこの国の皇帝。普通の人とは違うのです。世間の目に晒されてて良からぬことを言うものは必ずいます。お相手の令嬢が苦労する事になりますよ。」
お母様が呆れ返ってキツくメイル兄様に言うと、メイル兄様は優しい笑みを浮かべる。
「アエリアは大丈夫だ。たとえ何かあったとしても私が守り切る。誰にもアエリアを傷つけさせない。」
その言葉と同時に部屋中に温かな優しい空気が流れる。
その温かな空気は身体中を包み込み穏やかな気持ちになる。
メイル兄様の加護の力?
メイル兄様の決意がその力を通じて伝わってくる。
お母様もゲイル兄様もノイルもそして使用人達もみんな穏やかな顔になる。
「本気なのね…」
お母様がポツリと呟く。
「相手の方は大丈夫なのですか?」
ゲイル兄様は心配そうにメイル兄様を見る。
「あぁ。話はきちんと付いている。私とアエリアは前世の魂で繋がっている運命の相手らしいしな。その辺はまったく問題はない。」
メイル兄様は意味ありげに微笑む。
前世の魂で繋がっている運命の相手?
なんですか?そのロマンス小説にありそうな設定は…
「前世…運命…成る程、色々裏があるのね。それでは仕方がないわね…貴方の気持ちはわかりました。色々覚悟の上なら私も協力を惜しまないわ。」
お母様は諦めるように頷いてメイル兄様に微笑む。
「貴方に婚約者ができて喜ばしいわ。」
「ありがとうございます。母上。」
メイル兄様はお母様に頭を下げる。
「同盟の理由もそれが原因なんじゃ…」
これにて一件落着と思いきや今まで静かに様子を眺めていたノイルがボソリと爆弾を落とす…
「えっ…」
「まさかそんな。」
「メイル兄様に限って…」
私達がメイル兄様に目を向けるとメイル兄様はフッと目線を逸らす。
メイル兄様…アウトです。
「初恋ですからね。色々拗らせたのですよ。」
ランがすかさずメイル兄様をフォロー?する。
「陛下のあんな必死な姿中々お目にかかれませんよ。」
トゥイが援軍を出す。
2人の言葉に私は何故だか胸がギュと締め付けられる。
今、2人はどの様な気持ちでメイル兄様をフォローしているのかしら?
2人の気持ちを思うといたたまれません。
「なんでも思い通りにできてしまう最強の男が恋をするとこうなってしまうのね…」
お母様は額に手を当てて深く深く息を吐く。
「同盟は同盟だ。直接婚約には関係ない。
誰が何を言おうが、もうあちらの国王からは了承を得て、正式にアエリアは私の婚約者になると制約してある。これはもう決定事項で私もアエリアを手放すつもりはない。」
メイル兄様がそういいながら話はもう終わりだと席を立つ。
メイル兄様の顔がほんのり赤みを帯びています。
メイル兄様にこんな顔をさせられるお相手は一体どんな方なのでしょうか…気になりますね。
「お相手の王太子には申し訳ありませんが、兄上の初恋が上手くいってくれてよかったと私達は思うしかないですね。」
ゲイル兄様がダイニングを出て行こうとするメイル兄様を見てポツリと呟き、その言葉に皆が頷いた。
足早に執務室に行こうとするメイル兄様と、お兄様にぴったりと付いていくランとトゥイの背中を見て私は押さえつけていた感情がどうしても止められなくなってしまいメイル兄様を咄嗟に追いかける。
「メイル兄様」
「どうした?ティナ」
メイル兄様をは急いで追いかけてきた私を不思議そうに見る。
私は戸惑いながらも意を決してメイル兄様を見る。
「ランとトゥイはどうなるのですか?」
「どうなるとは…?」
「お兄様が女性の婚約者を迎えるのは喜ばしいですが、今までずっと共にして来ていたランやトゥイの気持ちはどうなるのでしょう?」
「…」
「ランとトゥイが可哀想です」
「……」
私はランとトゥイを思い涙が出てくる。
ランとトゥイはお腹を抱えて笑いを堪えてる。
メイル兄様はそんな私を見ながら額に手を当てて大きくため息をつくと首を左右に振る。
「ティナ…お前の思考は本当にどうなっているんだ?
ランとトゥイは私の従者であり友人だ。お前の考えている様な関係は断じてない。絶対にない。」
「え?そうなのですか?」
私の反応にメイル兄様は呆れ返る。
ランとトゥイはもう我慢の限界とでも言うように声を出して笑い始めた。
よかった様な…残念の様な…
でも、ランやトゥイが大丈夫なのであれば素直にメイル兄様の婚約を祝っても大丈夫なのですね。
鉄壁なメイル兄様を落とした婚約者…
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