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サボり
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授業をサボると決めたオレと白銀は学校を抜け出した。
できるだけ人目につかないルートを通り学校を出てきた。
悪いことをしているような気もするが、授業をサボり学校まで抜け出すのは初めての経験でもあるため面白そうという気持ちもある。
「そろそろ手を離してくれないか」
屋上から学校を抜け出すまで白銀はずっとオレの手を掴んで引っ張っていた。
簡単に言うと手を繋いでいた。
「あっ、ご、ごめん!」
手を繋いでいたのを忘れていたのか白銀は恥ずかしそうに手を離す。
「これからどうする?」
オレは白銀にこの後の予定を聞いてみた。
「う~ん…………このまま寮に戻っても仕方ないし、今は九条くんと一緒に居たいかな。一人でいると落ち込んじゃうと思うし」
笑顔を見せて強がってはいてもやはり女の子。
一人だと心細いと言う白銀。
ついさっきまで屋上で一人で泣くほど落ち込んでいたんだからそれも当然か。
弱っている女の子を一人放置して帰るのはなんだか気が引ける。
「白銀の提案で授業をサボったことだし、今日は白銀に付き合ってやるよ」
どうせ帰ってもやることも無いし、今日はとことんまで白銀に合わせてやろう。
「いいの?」
「構わないさ。一人でいると落ち込むって言うなら二人でいればいい。それだけのことだろ?」
「………………ありがとう」
白銀はまた泣いていた。
今度は悲しくてではなく嬉しくて。
少しでも元気になってくれたら何よりだ。
「じゃあ、一緒に学園の敷地内を見て回ろうよ。校舎は部活を見るときに見て回ったけど、この希望ヶ丘学園の全ての敷地は見てないでしょ?ショッピングモールやスーパー、娯楽施設もあるみたいだし、一応目を通しておきたいかな」
「白銀がそうしたいならそうしよう」
今日の予定を決め、オレと白銀は前を向いて歩きだす。
色々と施設を見て回り時刻は夕方4時頃。
放課後に当たる時間帯。
「いろんなものがあったな」
オレたちは今、学園敷地内に唯一ある最大のショッピングモール、通称ゴールドモールにいる。
「そうだね。とても学園の敷地内とは思えないくらい充実してたね」
温泉やプールに動物園や水族館、スーパーマーケットやドラッグストアまで充実のラインナップだった。
「このゴールドモールもかなりでかいし、色んな店があるな」
このゴールドモールにはあらゆる種類の店舗があり、全ての買い物がこのゴールドモール一つで事足りるようになっている。
ついでにカフェやレストランなんかもあってちょっとした休憩やデートなんかにも利用できそうだ。
今は、ゴールドモール内のベンチに二人で腰かけ、飲み物を飲んでいる。
「休日とかに友達と来たら楽しそうだね」
「そうだな。ただぶらぶら見て回るだけでも一日潰せそうだな」
「そろそろ帰ろっか」
「そうだな」
「お前たち。こんな時間に何をしている」
そろそろ帰ろうかと思っていたところに声をかけてくる上級生の姿があった。
しかも見覚えのある顔だった。
「あんたは確か、生徒会長の…………」
「天羽蓮だ。お前たち新入生だな?こんな時間に何をしている」
口調からして少し機嫌が悪い気がする。
授業をサボり学校を抜け出していたことがバレたか?
オレは飲み物の入っていた紙コップをゴミ箱へと捨てる。
「学校帰りにこのゴールドモールに寄っていただけですが」
サボっていたことがバレたら面倒そうだ。
ここはとぼけて誤魔化して逃げる。
「本当にそうか?今は午後4時15分だ」
「おかしいことではないでしょう。学校の授業が終わるのは午後4時です。校舎からこのゴールドモールまでは走れば10分で着きます。つまり午後4時10分以降であればゴールドモールに居てもおかしくないはずです」
なんとか理屈を並べて誤魔化しにかかるが、それで騙されてくれるほどこの学校の生徒会長は甘くなかった。
「違うな。10分で着くのは50メートルを6秒前半で走れるものが全速力で走った場合だ。例え、お前たち二人がその速さでこのゴールドモールに来たとしても、お前たちは息を切らしていない。それにに加えて飲み物を飲み終わって帰ろうとしている。どう考えても5分では早すぎる」
オレの屁理屈は正論によってねじ伏せられてしまった。
反論の余地もない。
「すみませんっ。私が悪いんです」
白銀が慌ててオレと生徒会長の間に入る。
「九条くんは私に付き合ってくれただけなんです」
「お前は?」
「1年Fクラスの白銀織姫です」
生徒会長は少しだけ意外そうな表情をする。
「そうか。お前たち、あいつと同じFクラスか」
あいつと同じ?
Fクラスに知り合いでもいるような言い方だ。
「私が学校を抜け出そうって言ったんです」
「そうか。学校をサボるのは悪いことだ。教師陣にはサボって遊んでいたのは黙っておいてやるから、以後気を付けるように」
案外あっさりと引いてくれたな。
色々と根掘り葉掘り聞かれるかと思ったが。
こいつ、案外良いやつなのか?
「ところで、天羽生徒会長こそこんな時間にこんな場所で何をしているんですか?」
オレは気になっていることを聞いてみた。
この時間にゴールドモールに生徒がいるのはおかしいことだが、それは生徒会長にも当てはまる。
生徒会長こそこんなところで何をしているんだ?
「つまらん授業を抜け出してきただけだ。それがどうかしたか?」
良いやつ…………ではなさそうだ。
自分も学校を抜け出し遊んでいる。
自分のことを棚に上げて、というやつだ。
突然生徒会長が何かを思いついたような顔をする。
「そうだ。今から学校に戻ってみるといい。面白いことをやっているぞ」
それだけ言い残し、生徒会長はこの場から去っていった。
嵐のように現れ、嵐のように去っていった。
「ごめんね九条くん。巻き込んじゃって…………」
白銀が申し訳なさそうに謝ってくる。
「オレは気にしてないから白銀も気にするな」
「…………うん、わかった」
「あいつ、面白いことやってるって言ってたな」
「そうだね」
面白いこととは何だろうか。
思い当たることは何もない。
もしかして、特別ゲームとかいうのが関係しているのか?
それともまたルールがどうとかって話か?
「オレは学校に戻ってみるけど、白銀は?」
「私も行くよ。今度は私が九条くんに付き合ってあげる」
できるだけ人目につかないルートを通り学校を出てきた。
悪いことをしているような気もするが、授業をサボり学校まで抜け出すのは初めての経験でもあるため面白そうという気持ちもある。
「そろそろ手を離してくれないか」
屋上から学校を抜け出すまで白銀はずっとオレの手を掴んで引っ張っていた。
簡単に言うと手を繋いでいた。
「あっ、ご、ごめん!」
手を繋いでいたのを忘れていたのか白銀は恥ずかしそうに手を離す。
「これからどうする?」
オレは白銀にこの後の予定を聞いてみた。
「う~ん…………このまま寮に戻っても仕方ないし、今は九条くんと一緒に居たいかな。一人でいると落ち込んじゃうと思うし」
笑顔を見せて強がってはいてもやはり女の子。
一人だと心細いと言う白銀。
ついさっきまで屋上で一人で泣くほど落ち込んでいたんだからそれも当然か。
弱っている女の子を一人放置して帰るのはなんだか気が引ける。
「白銀の提案で授業をサボったことだし、今日は白銀に付き合ってやるよ」
どうせ帰ってもやることも無いし、今日はとことんまで白銀に合わせてやろう。
「いいの?」
「構わないさ。一人でいると落ち込むって言うなら二人でいればいい。それだけのことだろ?」
「………………ありがとう」
白銀はまた泣いていた。
今度は悲しくてではなく嬉しくて。
少しでも元気になってくれたら何よりだ。
「じゃあ、一緒に学園の敷地内を見て回ろうよ。校舎は部活を見るときに見て回ったけど、この希望ヶ丘学園の全ての敷地は見てないでしょ?ショッピングモールやスーパー、娯楽施設もあるみたいだし、一応目を通しておきたいかな」
「白銀がそうしたいならそうしよう」
今日の予定を決め、オレと白銀は前を向いて歩きだす。
色々と施設を見て回り時刻は夕方4時頃。
放課後に当たる時間帯。
「いろんなものがあったな」
オレたちは今、学園敷地内に唯一ある最大のショッピングモール、通称ゴールドモールにいる。
「そうだね。とても学園の敷地内とは思えないくらい充実してたね」
温泉やプールに動物園や水族館、スーパーマーケットやドラッグストアまで充実のラインナップだった。
「このゴールドモールもかなりでかいし、色んな店があるな」
このゴールドモールにはあらゆる種類の店舗があり、全ての買い物がこのゴールドモール一つで事足りるようになっている。
ついでにカフェやレストランなんかもあってちょっとした休憩やデートなんかにも利用できそうだ。
今は、ゴールドモール内のベンチに二人で腰かけ、飲み物を飲んでいる。
「休日とかに友達と来たら楽しそうだね」
「そうだな。ただぶらぶら見て回るだけでも一日潰せそうだな」
「そろそろ帰ろっか」
「そうだな」
「お前たち。こんな時間に何をしている」
そろそろ帰ろうかと思っていたところに声をかけてくる上級生の姿があった。
しかも見覚えのある顔だった。
「あんたは確か、生徒会長の…………」
「天羽蓮だ。お前たち新入生だな?こんな時間に何をしている」
口調からして少し機嫌が悪い気がする。
授業をサボり学校を抜け出していたことがバレたか?
オレは飲み物の入っていた紙コップをゴミ箱へと捨てる。
「学校帰りにこのゴールドモールに寄っていただけですが」
サボっていたことがバレたら面倒そうだ。
ここはとぼけて誤魔化して逃げる。
「本当にそうか?今は午後4時15分だ」
「おかしいことではないでしょう。学校の授業が終わるのは午後4時です。校舎からこのゴールドモールまでは走れば10分で着きます。つまり午後4時10分以降であればゴールドモールに居てもおかしくないはずです」
なんとか理屈を並べて誤魔化しにかかるが、それで騙されてくれるほどこの学校の生徒会長は甘くなかった。
「違うな。10分で着くのは50メートルを6秒前半で走れるものが全速力で走った場合だ。例え、お前たち二人がその速さでこのゴールドモールに来たとしても、お前たちは息を切らしていない。それにに加えて飲み物を飲み終わって帰ろうとしている。どう考えても5分では早すぎる」
オレの屁理屈は正論によってねじ伏せられてしまった。
反論の余地もない。
「すみませんっ。私が悪いんです」
白銀が慌ててオレと生徒会長の間に入る。
「九条くんは私に付き合ってくれただけなんです」
「お前は?」
「1年Fクラスの白銀織姫です」
生徒会長は少しだけ意外そうな表情をする。
「そうか。お前たち、あいつと同じFクラスか」
あいつと同じ?
Fクラスに知り合いでもいるような言い方だ。
「私が学校を抜け出そうって言ったんです」
「そうか。学校をサボるのは悪いことだ。教師陣にはサボって遊んでいたのは黙っておいてやるから、以後気を付けるように」
案外あっさりと引いてくれたな。
色々と根掘り葉掘り聞かれるかと思ったが。
こいつ、案外良いやつなのか?
「ところで、天羽生徒会長こそこんな時間にこんな場所で何をしているんですか?」
オレは気になっていることを聞いてみた。
この時間にゴールドモールに生徒がいるのはおかしいことだが、それは生徒会長にも当てはまる。
生徒会長こそこんなところで何をしているんだ?
「つまらん授業を抜け出してきただけだ。それがどうかしたか?」
良いやつ…………ではなさそうだ。
自分も学校を抜け出し遊んでいる。
自分のことを棚に上げて、というやつだ。
突然生徒会長が何かを思いついたような顔をする。
「そうだ。今から学校に戻ってみるといい。面白いことをやっているぞ」
それだけ言い残し、生徒会長はこの場から去っていった。
嵐のように現れ、嵐のように去っていった。
「ごめんね九条くん。巻き込んじゃって…………」
白銀が申し訳なさそうに謝ってくる。
「オレは気にしてないから白銀も気にするな」
「…………うん、わかった」
「あいつ、面白いことやってるって言ってたな」
「そうだね」
面白いこととは何だろうか。
思い当たることは何もない。
もしかして、特別ゲームとかいうのが関係しているのか?
それともまたルールがどうとかって話か?
「オレは学校に戻ってみるけど、白銀は?」
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