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氷の悪魔と死の輪舞曲 ②
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氷漬けの閉鎖空間で、リアナは不気味にほくそ笑む。
「かくれんぼしましょう。」
「かくれんぼ…?」
「私が1から10まで数えるから、貴女は、隠れてね?で、見つけたら、殺すから。」
リアナは、不気味な笑みを浮かぶと、くるりと宙を舞いサトコから離れた。
両手から、氷柱を出現させた。氷柱がドリルを形成しながらグルグル激しく回転している。
ー黒須は、まだ来ない。いや、来れない…?
「そうよ?ここは、閉鎖空間だから、誰も入ることが出来ないのよ。」
リアナは、サトコの心の声を読んだのか得意気に口の端を上げ歪な笑みを浮かべていいる。
「じゃあ、いくよ。イーチ…」
リアナは、目を閉じた。
ーそうだ…!施設のみんなは、アスナちゃんは、無事なのだろうかー?
サトコは、慌てて施設の中に入った。
中に入ると、居間の奥の方で、
アスナが、うっすら目を開けブツブツ呟いている。
ーこのこは、リアナに取り憑かれているんだ…!
「アスナちゃん、危ない!早く、隠れよう!」
サトコは、アスナの手を引くと2階までダッシュしサトコの部屋まで移動した。
「何するの!?リアナちゃんは、何処にいるの!?」
「リアナは、アスナちゃんの友達なんかじゃない!!アイツは、自分の子分が欲しいだけなの!!」
サトコは、アスナを説得し押し入れの中に逃げ込んだ。
ー大丈夫だ…自分には、黒須からもらった御守りがある。
廊下の下の方の階段を
カタカタカタと、足音が響いて登ってくる音が聞こえてきた。
「どーこーだ…?」
氷のドリルは、徐々に回転の速度を上げている。
サトコの心臓は、激しくバクバク音を立てた。
ーどうしよう…どうする、どうすれば…
冷たいジメジメした汗が全身を駆け巡る。
アスナは、訳も分からず困惑している。
とても怖いが、この子を守れるのは自分しか居ないのだ…
サトコは、アスナの身体を寄せながら押し入れの奥の方へと引っ込んだ。
急に強烈な寒気に襲われた。
ーと、隙間からリアナの目が此方をじっと睨みつけているのが見えた。
そして、隙間から、高速回転したドリルが貫く。
「うわっ…!!」
サトコの心臓は飛び出し、咄嗟にアスナをかばいながらしゃがみ込んだ。
扉が、鈍い音を立てて開いていく。
「ちょっと、私のアスナちゃんに、何してんの?」
リアナが、身体を宙に浮かせて腰に手を当て鋭い剣幕で責め立てる。
「え?『私のアスナちゃん』…?」
「手を出さないでくれる?」
「リアナちゃん…」
アスナは、瞳孔大きく揺らしながら状況を伺っている。
そうだ…アスナは、ずっと人形とブツブツ話していた。
だとしたら、この人形に取り憑かれている
ずっと友達だと思ってるんだ。
だが、この人形の中には悪霊の魂がある。
何人もの死者の魂を喰らいつくし、生者を襲ってきたか、分からないー。
この閉ざされた空間の中で、何か出来るのは自分だけだ。
黒須は、ここには来ることができない。意識があるのは、自分とアスナだけだ。
こういう時、黒須ならどうしているのだろうー?
彼女は、何がなんでも
己の仕事に誇りを持っている筈だからだ。
あの時、アリアが言っていたことを思い出した。
彼女は、霊気の流れを読めばいいと言っていた。
「ふふふ。ここに居たんだ…」
彼女の首は、激しくクルクル回転している。
サトコの全身に、冷や汗が滝のように流れた。
サトコは、自分の身体の自由が徐々に鈍くなっていくような感覚を覚えた。全身の関節から、プラスチックのような軋むような音が漏れ出てくる。
ハッとしアスナの方を見ると、彼女の姿はそこにはなく、彼女そっくりの人形が横たわっていた。
サトコは瞠目し、自分の両手を見た。
両手からポロポロ何かが零れ落ちてくる。
ーと、全身の動きが麻痺しサトコは仰向けで倒れた。
世界が、歪にに大きく拡がっていくような奇妙な感覚を覚えた。
視界が霧がかり、そして、サトコは意識を無くした。
「かくれんぼしましょう。」
「かくれんぼ…?」
「私が1から10まで数えるから、貴女は、隠れてね?で、見つけたら、殺すから。」
リアナは、不気味な笑みを浮かぶと、くるりと宙を舞いサトコから離れた。
両手から、氷柱を出現させた。氷柱がドリルを形成しながらグルグル激しく回転している。
ー黒須は、まだ来ない。いや、来れない…?
「そうよ?ここは、閉鎖空間だから、誰も入ることが出来ないのよ。」
リアナは、サトコの心の声を読んだのか得意気に口の端を上げ歪な笑みを浮かべていいる。
「じゃあ、いくよ。イーチ…」
リアナは、目を閉じた。
ーそうだ…!施設のみんなは、アスナちゃんは、無事なのだろうかー?
サトコは、慌てて施設の中に入った。
中に入ると、居間の奥の方で、
アスナが、うっすら目を開けブツブツ呟いている。
ーこのこは、リアナに取り憑かれているんだ…!
「アスナちゃん、危ない!早く、隠れよう!」
サトコは、アスナの手を引くと2階までダッシュしサトコの部屋まで移動した。
「何するの!?リアナちゃんは、何処にいるの!?」
「リアナは、アスナちゃんの友達なんかじゃない!!アイツは、自分の子分が欲しいだけなの!!」
サトコは、アスナを説得し押し入れの中に逃げ込んだ。
ー大丈夫だ…自分には、黒須からもらった御守りがある。
廊下の下の方の階段を
カタカタカタと、足音が響いて登ってくる音が聞こえてきた。
「どーこーだ…?」
氷のドリルは、徐々に回転の速度を上げている。
サトコの心臓は、激しくバクバク音を立てた。
ーどうしよう…どうする、どうすれば…
冷たいジメジメした汗が全身を駆け巡る。
アスナは、訳も分からず困惑している。
とても怖いが、この子を守れるのは自分しか居ないのだ…
サトコは、アスナの身体を寄せながら押し入れの奥の方へと引っ込んだ。
急に強烈な寒気に襲われた。
ーと、隙間からリアナの目が此方をじっと睨みつけているのが見えた。
そして、隙間から、高速回転したドリルが貫く。
「うわっ…!!」
サトコの心臓は飛び出し、咄嗟にアスナをかばいながらしゃがみ込んだ。
扉が、鈍い音を立てて開いていく。
「ちょっと、私のアスナちゃんに、何してんの?」
リアナが、身体を宙に浮かせて腰に手を当て鋭い剣幕で責め立てる。
「え?『私のアスナちゃん』…?」
「手を出さないでくれる?」
「リアナちゃん…」
アスナは、瞳孔大きく揺らしながら状況を伺っている。
そうだ…アスナは、ずっと人形とブツブツ話していた。
だとしたら、この人形に取り憑かれている
ずっと友達だと思ってるんだ。
だが、この人形の中には悪霊の魂がある。
何人もの死者の魂を喰らいつくし、生者を襲ってきたか、分からないー。
この閉ざされた空間の中で、何か出来るのは自分だけだ。
黒須は、ここには来ることができない。意識があるのは、自分とアスナだけだ。
こういう時、黒須ならどうしているのだろうー?
彼女は、何がなんでも
己の仕事に誇りを持っている筈だからだ。
あの時、アリアが言っていたことを思い出した。
彼女は、霊気の流れを読めばいいと言っていた。
「ふふふ。ここに居たんだ…」
彼女の首は、激しくクルクル回転している。
サトコの全身に、冷や汗が滝のように流れた。
サトコは、自分の身体の自由が徐々に鈍くなっていくような感覚を覚えた。全身の関節から、プラスチックのような軋むような音が漏れ出てくる。
ハッとしアスナの方を見ると、彼女の姿はそこにはなく、彼女そっくりの人形が横たわっていた。
サトコは瞠目し、自分の両手を見た。
両手からポロポロ何かが零れ落ちてくる。
ーと、全身の動きが麻痺しサトコは仰向けで倒れた。
世界が、歪にに大きく拡がっていくような奇妙な感覚を覚えた。
視界が霧がかり、そして、サトコは意識を無くした。
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