上 下
7 / 28

電脳世界での、ドタバタ新生活 ①

しおりを挟む
ヒカリは、こうして、ヒカリは赤ずきんにスマイルウォッチ代を返す為に、モルガンのパン屋で働くことにした。

ヒカリのスマイルウォッチがビービー鳴り、

『 ミッションクリア、報酬  100ダイヤ』と、表情された。

どうやら、仕事をすると 報酬が貰えるらしい。


『 ラッキー』と、ヒカリは大きくガッツポーズをした。


朝起き、手探りで眼鏡を探す。いつも、左隣な棚に…

「ええと、ない…」

ーそう言えば、眼鏡してないんだった…

視界がかなりクリアだ。

エルフに転生してから、ヒカリの視力は大幅に向上した。

両目共に0.1だったのが、2.5の脅威の視力に変貌を遂げた。

もう、分厚い牛乳瓶型のメガネが必要ないのだ。


寝る時以外、いつも眼鏡を掛けていたから、それが必要なくなった。


寧ろ、眼鏡していた時よりもよりクリアに見えた。

これは、魔法である。
転生してホントに良かった…と、ヒカリは再びガッツポーズをした。



ヒカリは、スマイルウォッチ代を払う為に、モルガンの仕事を手伝うようになった。

赤ずきんのあの刺々しい態度に触発されたとはいえ、今更引き下がる訳にはいかないー。

それは、前世のOL時代の事だ、

ヒカリの前世での仕事と言えば、単純なデータ入力作業に、お茶出し、後は雑務ばかりだった。

自分は、ほぼ社内ニートのような扱いで、すり減る位の虚無感を抑えながらも、ヒカリヒシヒシと耐え抜いて来た。

職場では、孤立状態であり、
これは、まるで生きた屍状態である。

作業着に着替え、顔を洗い、身支度を整える。

恐る恐る階段を下り、居間を覗き込む。


「大丈夫よ。赤ずきんは、今日は休みで、この時間はまだ寝てるの。」

奥のキッチンの方から、モルガンの声が聞こえてきた。

「あ、すみません…」

ヒカリは、申し訳なさそうにペコペコ頭を下げる。

ー彼女は、いつの間にコチラに気づいていたのだろう…?彼女の気配は、どこにもなかった。


そう言えば、赤ずきんについて、色々知りたいー。

彼女が、自分を敵視している、その本来の理由が知りたいー。

何故、あの時、自分の事を助けたのか?
 
まだ、知らりあったばかりだから、そこまで詮索はしないであげた方がいいか…



「赤ずきんのことね…?」
モルガンが、パンを捏ねながらヒカリの考えていることを言い当てた。

「え…っ…?」

どうして、それが分かったのか…?
彼女は、直感が良いのか…?
それとも、自分はすぐ顔に出てしまうのか…?

前世では、ほぼ誰も自分に関心を示したことが無かったから、ヒカリは、心臓が大きくびっくり返るような感覚を覚えた。

しかも、彼女はコチラを見ていないし。赤ずきんの件も、まだ話してない。

「ご飯出来たわ。」
モルガンは、食卓にご飯を運んできた。

焼きたての香ばしいバケットに、目玉焼き、ウインナーやサラダ、野菜スープ…と、豪華だ。

前世の惣菜生活とは、対称的であり、ヒカリは眼を輝かせた。

「は、はい…ありがとうございます…」

ヒカリは席に座った。

「赤ずきんは、昔、実の妹のように可愛がっていた幼なじみがいたの。だけど、バルバロネの手下にやられてしまい…」

モルガンは、テーブルのコップに水を注ぎながら何やら思い詰めたように語り始めた。

  「その手下とやらが、私そっくりなんですね?」

「ええ…その彼女は『 キボウ』と言う名で、大人びて聡明な性格の人だったわ。彼女は、バルバロネとの二重スパイで魔力もかなり強くてね。」

「彼女は、光属性だったんですか…?」

「ええ。容姿から魔力まで、貴女と似ていて…それで、赤ずきんは貴女を疑ってて…ごめんなさいね…」

「でも、赤ずきんは、私が妖樹に襲われている時、助けてくれたんです。どうして…」

「彼女、裏表無い性格でね…戦士としての誇りがあるのよ。亡くなった恩人からの影響が強いのね。恩人は、赤ずきんが唯一、心を許した人でね、何でも相談した間柄なのよ。そして、彼は『 戦士たるもの、弱き者には全力で護りなさい。』って言ったみたい。で、赤ずきんは、幼なじみと彼を救えなかった気持ちと、弱き者には全力で護り彼の分まで強く逞しい戦士になろうと天に誓ったの。」

「そうなんですね…」

彼女に、こんなに複雑で奥深い過去があったなんて、衝撃的だ。

どんなに気難しい人でも、色々な訳有りがある。

光と闇は表裏一体だ。

ヒカリは、それを久しぶりに垣間見た気がした。



ヒカリは、朝食を済ませると、食器洗いと野菜の仕込み作業を手伝い、店頭に焼きたてのパンを並べ、ディスプレイのデザインを任された。

「ヒカリちゃんが働いてくれて、ホント、助かるわ。これから、忙しくなるのよ。これから、パンの作り方からマスターしてもらうから。」

それなりの仕事を任され、存在を認めてもらい、ヒカリの胸は大きく高鳴った。

ヒカリは前世のOL時代の惨めな気持ちがふと浮かび、あまりの感激で、ヒカリは涙が出そうになった。


「どうしたの?」

モルガンがヒカリの顔を覗き込み、ヒカリはドキッとした。

「さっき、仕入れた時の玉ねぎが目に染みたようです…」

ヒカリは、涙を堪えた。

「ごめんなさいね。これ、使って。」

モルガンは、ヒカリにティッシュの箱を手渡した。

「あ、ありがとうございます…」

ヒカリは、ティッシュを2枚引き抜くと涙を拭った。



ー試しに、モルガンについて調べて見ようかー?

ヒカリは、モルガンの目を盗んでアプリで彼女のことを検索した。


モルガン

生まれた年 秘密
誕生日5月2日
身長 173cm
体重 秘密
体脂肪 秘密
スリーサイズ 秘密

好きなもの…紅茶、コーヒー、焼きたてのパン、ピザ、スイーツ全般。
植物、読書、ピクニック、祭り。


嫌いなもの…秘密


得意なもの…洞察すること、予知すること、人の心を読むこと、


苦手なもの…心が読めない人、


特徴と経歴…膨大で広範囲の魔力の感知能力がある。
人を洞察する力が高く、その人の過去の経歴を読み取ったり未来まで予知し、気持ちを読み取る能力がある。
植物を自在に操る戦闘スタイル。
敵から魔力を吸収し、封じ込め、また、己の魔力と適合して戦う。
毒に対する耐性が高く、彼女自身も毒を保有している。
人や物の時間を早めたり巻き戻す能力がある。
時を止めることも、出来る。

蘇りの魔術に関する知識があるが、使っているかは不明。

土属性で、イメージカラーは緑色。

過去に、バルバロネとの関わりがあるらしい。
この世界の秘密を知っている。


統率力 ★★★★★★★★
頭脳 ★★★★★★★★★★
精神力 ★★★★★★★
体力 ★★★★★★★★★★
機動力 ★★★★
戦闘能力 ★★★★★★★★★★
戦略 ★★★★★★★★★★
魔力 ★★★★★★★★★★
魔力感知能力 ★★★★★★★★★★
性格 ★★★★★★★★★★
回復力 ★★★★★★★★★★


ヒカリは、声を詰まらせた。

彼女は、温厚そうであまり戦いを好まなさそうだが、意外だ…

敵に回したら、怖そうだ…
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

神様のミスで女に転生したようです

結城はる
ファンタジー
 34歳独身の秋本修弥はごく普通の中小企業に勤めるサラリーマンであった。  いつも通り起床し朝食を食べ、会社へ通勤中だったがマンションの上から人が落下してきて下敷きとなってしまった……。  目が覚めると、目の前には絶世の美女が立っていた。  美女の話を聞くと、どうやら目の前にいる美女は神様であり私は死んでしまったということらしい  死んだことにより私の魂は地球とは別の世界に迷い込んだみたいなので、こっちの世界に転生させてくれるそうだ。  気がついたら、洞窟の中にいて転生されたことを確認する。  ん……、なんか違和感がある。股を触ってみるとあるべきものがない。  え……。  神様、私女になってるんですけどーーーー!!!  小説家になろうでも掲載しています。  URLはこちら→「https://ncode.syosetu.com/n7001ht/」

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

まほカン

jukaito
ファンタジー
ごく普通の女子中学生だった結城かなみはある日両親から借金を押し付けられた黒服の男にさらわれてしまう。一億もの借金を返済するためにかなみが選ばされた道は、魔法少女となって会社で働いていくことだった。 今日もかなみは愛と正義と借金の天使、魔法少女カナミとなって悪の秘密結社と戦うのであった!新感覚マジカルアクションノベル! ※基本1話完結なのでアニメを見る感覚で読めると思います。

月(ルナ)は笑う――幻想怪奇蒐集譚

浦出卓郎
ファンタジー
戦後―― 人種根絶を目指した独裁政党スワスティカが崩壊、三つの国へと分かれた。 オルランド公国、ヒルデガルト共和国、カザック自治領。 ある者は敗戦で苦汁をなめ、ある者は戦勝気分で沸き立つ世間を、綺譚蒐集者《アンソロジスト》ルナ・ペルッツは、メイド兼従者兼馭者の吸血鬼ズデンカと時代遅れの馬車に乗って今日も征く。 綺譚―― 面白い話、奇妙な話を彼女に提供した者は願いが一つ叶う、という噂があった。 カクヨム、なろうでも連載中!

さくらと遥香

youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。 さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。 ◆あらすじ さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。 さくらは"さくちゃん"、 遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。 同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。 ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。 同期、仲間、戦友、コンビ。 2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。 そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。 イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。 配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。 さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。 2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。 遥香の力になりたいさくらは、 「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」 と申し出る。 そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて… ◆章構成と主な展開 ・46時間TV編[完結] (初キス、告白、両想い) ・付き合い始めた2人編[完結] (交際スタート、グループ内での距離感の変化) ・かっきー1st写真集編[完結] (少し大人なキス、肌と肌の触れ合い) ・お泊まり温泉旅行編[完結] (お風呂、もう少し大人な関係へ) ・かっきー2回目のセンター編[完結] (かっきーの誕生日お祝い) ・飛鳥さん卒コン編[完結] (大好きな先輩に2人の関係を伝える) ・さくら1st写真集編[完結] (お風呂で♡♡) ・Wセンター編[不定期更新中] ※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

処理中です...