エンデー・ナハト 第一部:夜明けと共に去りぬ

「奴隷の反乱」と呼ばれた世紀の大事件は、たった一人の少年による犯行であった。

7年前、アーガスト王国――絶対的安息の地と謳われたその大国は、たった一人の奴隷少年によって震撼させられた。

彼は奴隷を使役する者を次々と襲い、その剣により多くの命を散らした。貴族も平民も関係なく、彼の刃は「差別」という構造そのものを切り裂こうとしていた。

やがて王国は、わずか九歳の少年の討伐に軍を出動させた。

当時の第三師団長が、少年討伐の任を預かるも、敢え無く敗北。

最終的に剣聖――アーガスト最強の剣士が剣を取ることとなる。

三日三晩の激闘の末、少年は剣聖に敗れるも、習わし通りに、彼には「剣鬼」称号が与えられた。

少年は剣鬼となったあかつき、剣聖に願い出た。

「奴隷を人として扱ってほしい。」

剣鬼誕生の明くる日、アーガスト王国から奴隷は只の一人も居なくなった。
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