処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ

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陶酔

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大広間は血と鉄の臭いに満ちていた。
レオンの剣が振るわれるたび、護衛兵たちが吹き飛び、崩れ落ちる。
だが――

「会いたかったわレオンっ!!」

甲高い声が戦場に響いた。

不意に割り込んできたのは、ドレスの裾を翻したルイーザ・デンバー。
彼女の蒼白な顔には、狂気にも似た笑みが浮かんでいた。

「やはり……来てくれたのね……私が、この会議のことを伝えたから」

レオンは僅かに眉をひそめる。
「……ルイーザ」

「ふふっ、やっと……やっと私の声が、あなたに届いたのね……!」

ルイーザは、護衛兵の剣が飛び交う中に足を踏み入れ、レオンの前へと進み出る。
周囲の護衛兵たちも、その異様な光景に一瞬手を止める。

「もう、誰にも邪魔はさせない……」
「私は、あなたのためにここまで来たの。全部、あなたのため……」

震える声で告げるルイーザの瞳は、レオンしか映していなかった。

アルフレッド・グレンフィールドが叫ぶ。
「ルイーザ様、危険です! 下がってください!!」

だが、ルイーザは振り返りもしない。
「下がる? どうして? 私は……この時を、どれだけ待ったと思っているの?」

その手には、あの《心喰らいの鏡》が握られていた。

「レオン……やっと……やっと私の願いが通じたのね……」

レオンに陶酔するルイーザ。

レオンは冷ややかな視線を向けるが、ルイーザはそれすら「自分だけを見ている」と錯覚していた。

「……邪魔だ、ルイーザ。今はどけ」

レオンのその一言で、場の空気が凍る。

しかしルイーザは、恍惚とした笑みのまま――まるで聞こえなかったかのように――

「私は、ずっと待っていたのよ。あなたの隣に立つ、この瞬間を……!」
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