純粋な男子高校生はヤクザの組長に無理矢理恋人にされてから淫乱に変貌する

28話

 バレることは無く午後の授業を終えることが出来た。
 不安な部分もあったが、そんなに気にすることなかったようだ。
 帰宅時間になり、俺は一人で教室を出ようとしたのだが……。

 「か～なと！一緒に帰ろ」

 樹が俺の肩に手を置いて声を掛けてきた。
 そうだ、俺はいつも彼と下校している。
 でも今日は……。

 「あ、ごめん……今日放課後行かなきゃ行けないところがあって……」

 「どこ行くの？」

 「ちょっと、ね……」

 「何、また秘密？」

 樹は不満そうにそう言った。
 また、というのは昼休みのことだろうと気付いた。

 「そういうのじゃないよ」

 「じゃあなんで教えてくれないの？」

 「色々事情があるんだよ……ごめんな。明日一緒に帰ろ」

 俺は誘ってくれたのに悪い気もしたが彼の頭を撫でながらそう言い訳をした。

 「わかったよ……明日は絶対ね」

 樹は諦めて俺から離れていった。
 折角勇気を出して告白してくれた当日にこんなことしか出来ないなんて本当に情けない限りだ。
 俺は溜息をついてから、寿人さんと会う約束をした繁華街に向かった。