純粋な男子高校生はヤクザの組長に無理矢理恋人にされてから淫乱に変貌する

6話

 「……聞こえてないのか？」

 彼は俺の顔を覗きこむように聞いてきた。
 それでも俺は怖くて何も出来ないままだ。
 それに痺れを切らしたのか、隣にいた男が突然顎を持ち上げた。

 「おいよ……お前さんさぁ、調子乗るにも程々にしろよ？」 

 「あ……ごめん、なさいっ……」

 涙を浮かばせ、怯えながら彼を見つめた。

 「お、奏君めっちゃ可愛いじゃねぇか」

 彼はそんなことを言い出した。

 「え、あの何言って……」

 「でしょう？試してみてはと思い持ち帰って来ました」

 陸斗さんはニヤニヤ笑いながら彼に言った。
 
 「でもこいつただの高校生なんだろ？」

 「まぁ、そうですが……良ければ自分で調教なさってみればと……」

 「あぁ調教な……悪くはない、か」

 俺はその会話を聞いてさっきより不安になった。
 調教……聞いたことがあったからだ。

 「え、お二人今……」

 「あ、そこまで察し悪くなかったか」

 一歩後ろに下がった俺の腕を素早く掴んだのは組長格の大きな手だった。
 彼は腕を掴んだまま、俺に微笑みかけた。

 「自己紹介まだだったよな？斧虎寿人、32歳。ここの白虎組の組長やってます、よろしくね」

 なんて、笑顔で言われるので俺はなんとも言えなくなってしまった。
 俺は本当にこんな人がヤクザの組長なのだろうかと疑いたくなった。