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Lesson.6 自分たちで紡ぐ物語

140.次の一歩1

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フィールディング教授は復帰をすると、水を得た魚のようにマギア教授と共にとてつもない勢いで学園を立て直し始めた。そんな中、教師陣の入れ替えも落ち着きを見せると同時に、期間限定で生徒をしていたヘンリクスやリーリウムたちが学園を辞める日が近づいてきたのだった。

「わたくし、ルドヴィク殿下といっしょにレオポリスに行こうかと考えています」

ある日のウェスペル家での晩餐時、プリムラがまた急に突拍子もないことを言い出した。
エレンシアでの生活にも馴染み、気弱だった性格も今回のごたごたで急成長を遂げたルヴァリを残し、ルドヴィクは留学期間を終えて来月には帰国してしまう。

「プリムラ、いくらルドヴィク殿下と離れるのが寂しいからと言って、そんな無茶なことを言ってはいけないわ」

プリムラの急な発言に面食らうウェスペル家の面々の中で我に返ったヴィオラが、小さな子に言うような口調で諭そうとする。

「無茶ではないですし、きちんとルドヴィク殿下にも、レオポリスの国王陛下にもお手紙で相談済みですわ」

レオポリス国王は豪快でありながら人懐っこい性格で、プリムラのことも小さな頃からかわいがってくれていた。ルドヴィクと恋仲になった今では、すでに“我が家の嫁”扱いをしていて、周囲を困惑させている。

「だけれど、まだ婚約式も終えていないのに……」

「そうだね。プリムラ、物事には順序というものがあるから」

リーリウムも心配そうな表情でプリムラを見つめる。それを受けて、父親であるウェスペル公爵もプリムラを説得しようとする。

「お父さまもお姉さま方も、すぐに結婚してずっとあちらに行くという話ではないのよ? 一年、長くて二年で帰ってきます。婚約式はそれからでも遅くはないわ。
それに、婚約式が終わっていなくてもリーリウムお姉さまはお城で皇太子妃教育を受けていますでしょ? わたくしは外国へ嫁ぐわけですから、早いうちからあちらでの教育を始めてもいいと思いません?
皇太子妃教育だけでなく、言語や文化、歴史、すべてを学ばなくてはいけないわ。つまりは、今度はわたくしが留学をする、と考えていただければいいのですわ。」

意外にもプリムラが将来について考えていたことに驚き、父と姉たちは顔を見合わせる。

「なるほど、一理あるね」

フレエシアは感心したようにうなずく。
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