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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
51.アイリの手紙
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翌朝も、リーリウムたちは王宮の馬車でそろって登校する。
するとやはり、校門で待ち伏せをしていたアイリが、今日こそはとヘンリクスへアタックしてきた。
だが、ディナルドたちのガードが固く、突破できない。
アイリは、ルドヴィクの隣を歩くプリムラを見つけると、いきなり大きな声を上げた。
「プリムラ様! マリーは昨日の出来事に驚いて、ずっと泣いていましたわ。
親友が傷ついた姿を見ていて、私、本当に胸が痛かったのですよ?」
プリムラはアイリを一瞥すると、昨日の出来事のことなど何も知らないというふうに、ルドヴィクと共に何も言わずに通り過ぎる。
アイリは、すでにアンドレアスからプリムラへ注意がいっているものだと思い込んでいたので、プリムラの態度に肩透かしをくらったが、もしかするとプリムラはまだ何も知らないのかもしれないと思い直した。
「今日、生徒会長のアンドレアス様からお話しがあると思います!
ご自分の罪をきちんとお認めになってくださいね!」
アイリは通り過ぎて行ったプリムラに、やはり大きな声で伝える。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ、ルド。事情はフレエシアお姉様から聞いているから。」
二人きりの時しか使わない愛称でルドヴィクを呼び、安心させるプリムラ。
「そうか。」
二人は微笑みあうと、校舎の中へ入っていった。
アイリは、再びヘンリクスの元へ近づこうとし、ディナルドから静止されていた。
ディナルドとアイリがもみ合っている最中でも、涼やかな表情をしているヘンリクス。
足を止め、やさしい笑顔をリーリウムに向けて手の甲にキスをすると、皆と別れて自分の教室へ向かって行った。
「あん! 待ってください、ヘンリクス様~。」
アイリは、ヘンリクスを追っていく。
リーリウムは、その後ろ姿を心配そうに見つめ続けていた。
アイリが一瞬ちらりとふり向いて、勝ち誇ったような笑顔を見せつける。
「ディナルドがいるから、大丈夫さ。」
ルヴァリの慰めに、リーリウムはこくりと頷いた。
「ディナルド様、妬いていらっしゃるの?」
ヘンリクスの教室の前で、アイリは急に足を止めて上目遣いでディナルドを見つめる。
「あとでお相手をして差し上げるわ。」
ディナルドの手をぎゅっと握ると、ウィンクをする。
ディナルドが不意をつかれてたじろぐと、アイリはその隙をついて、すでに教室に入っていたヘンリクスへ手紙を渡した。
「これ、大切なことが書いてあるので、お一人で読んでくださいね! それでは!」
アイリは、ぱたたたっと駆け出して自らの教室へ戻っていった。
「殿下、申し訳ありません。」
ディナルドはヘンリクスの元へ駆け寄り、謝罪する。
「いや、大丈夫だよ。
しかし、ディナルドも女性が絡むとまだまだだね。ぷふっ」
ヘンリクスは、先ほどの動揺したディナルドを思い出し、思わず吹き出してしまう。
いつも仏頂面のお堅いディナルドの意外な表情が、面白くてたまらない様子だった。
「殿下……。」
困ったような様子のディナルドが、さらにヘンリクスに追い打ちをかける。
「すまんすまん、でも、さっきの表情、フレエシア嬢にも見せたかったな。」
「そんなことしたら、一生いじられ続けてしまいます……。
それよりも、その手紙どうされるのですか?」
困ったディナルドが、話題を変える。
「うん、そうだな……。
封筒を開けた途端呪いが発動する、とかはないだろうか?」
「魔法とともに呪術も途絶えて久しいので、無いとは思いますが、一応鑑定に出しますか?」
「うむ、そうしよう。
午後からリーリウムと共に研究棟へ行く予定だから、その時に呪術に詳しい教授に鑑定してもらえばいいだろう。」
「それでは、それまで預かっておきます。
何かの仕掛けがあったら危ないので。」
ディナルドは、アイリの手紙をヘンリクスから預かると、懐にしまい込んだ。
するとやはり、校門で待ち伏せをしていたアイリが、今日こそはとヘンリクスへアタックしてきた。
だが、ディナルドたちのガードが固く、突破できない。
アイリは、ルドヴィクの隣を歩くプリムラを見つけると、いきなり大きな声を上げた。
「プリムラ様! マリーは昨日の出来事に驚いて、ずっと泣いていましたわ。
親友が傷ついた姿を見ていて、私、本当に胸が痛かったのですよ?」
プリムラはアイリを一瞥すると、昨日の出来事のことなど何も知らないというふうに、ルドヴィクと共に何も言わずに通り過ぎる。
アイリは、すでにアンドレアスからプリムラへ注意がいっているものだと思い込んでいたので、プリムラの態度に肩透かしをくらったが、もしかするとプリムラはまだ何も知らないのかもしれないと思い直した。
「今日、生徒会長のアンドレアス様からお話しがあると思います!
ご自分の罪をきちんとお認めになってくださいね!」
アイリは通り過ぎて行ったプリムラに、やはり大きな声で伝える。
「大丈夫か?」
「大丈夫よ、ルド。事情はフレエシアお姉様から聞いているから。」
二人きりの時しか使わない愛称でルドヴィクを呼び、安心させるプリムラ。
「そうか。」
二人は微笑みあうと、校舎の中へ入っていった。
アイリは、再びヘンリクスの元へ近づこうとし、ディナルドから静止されていた。
ディナルドとアイリがもみ合っている最中でも、涼やかな表情をしているヘンリクス。
足を止め、やさしい笑顔をリーリウムに向けて手の甲にキスをすると、皆と別れて自分の教室へ向かって行った。
「あん! 待ってください、ヘンリクス様~。」
アイリは、ヘンリクスを追っていく。
リーリウムは、その後ろ姿を心配そうに見つめ続けていた。
アイリが一瞬ちらりとふり向いて、勝ち誇ったような笑顔を見せつける。
「ディナルドがいるから、大丈夫さ。」
ルヴァリの慰めに、リーリウムはこくりと頷いた。
「ディナルド様、妬いていらっしゃるの?」
ヘンリクスの教室の前で、アイリは急に足を止めて上目遣いでディナルドを見つめる。
「あとでお相手をして差し上げるわ。」
ディナルドの手をぎゅっと握ると、ウィンクをする。
ディナルドが不意をつかれてたじろぐと、アイリはその隙をついて、すでに教室に入っていたヘンリクスへ手紙を渡した。
「これ、大切なことが書いてあるので、お一人で読んでくださいね! それでは!」
アイリは、ぱたたたっと駆け出して自らの教室へ戻っていった。
「殿下、申し訳ありません。」
ディナルドはヘンリクスの元へ駆け寄り、謝罪する。
「いや、大丈夫だよ。
しかし、ディナルドも女性が絡むとまだまだだね。ぷふっ」
ヘンリクスは、先ほどの動揺したディナルドを思い出し、思わず吹き出してしまう。
いつも仏頂面のお堅いディナルドの意外な表情が、面白くてたまらない様子だった。
「殿下……。」
困ったような様子のディナルドが、さらにヘンリクスに追い打ちをかける。
「すまんすまん、でも、さっきの表情、フレエシア嬢にも見せたかったな。」
「そんなことしたら、一生いじられ続けてしまいます……。
それよりも、その手紙どうされるのですか?」
困ったディナルドが、話題を変える。
「うん、そうだな……。
封筒を開けた途端呪いが発動する、とかはないだろうか?」
「魔法とともに呪術も途絶えて久しいので、無いとは思いますが、一応鑑定に出しますか?」
「うむ、そうしよう。
午後からリーリウムと共に研究棟へ行く予定だから、その時に呪術に詳しい教授に鑑定してもらえばいいだろう。」
「それでは、それまで預かっておきます。
何かの仕掛けがあったら危ないので。」
ディナルドは、アイリの手紙をヘンリクスから預かると、懐にしまい込んだ。
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