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Lesson.4 ヒロイン封じと学園改革
42.アイリのくわだて1
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「あら? ルヴァリ殿下、リーリウム様はどうされたのですか?」
「リーリウムなら、マシュー・ローレンスの研究室にいるよ。」
リーリウムと別れて教室に戻ったルヴァリは、後ろからふいに声をかけられ、ありのままを返答する。
「え、あの“白銀の君”と二人きりなのですか?
ヘンリクス殿下という素敵な婚約者がいるというのに、あの“白銀の君”にも色目を使うなんて……。」
その返答に違和感を覚え振り返ると、声の主はアイリだった。
ルヴァリの顔を見るなり、にっこりと笑顔を見せる。
「ルヴァリ殿下!」
トムに声をかけられルヴァリはハッと我に返り、教室の自分の定位置に着席すると、午前中と同じように令嬢たちに囲まれるようにガードされる。
アイリはその様子を見ると、ルヴァリをそれ以上深追いしようとは思わなかった。
“リーリウムがマシューと浮気をしている”
そんなおいしいネタを仕入れられたのだから、やはり狙いはヘンリクスに絞るべきだと考えていたのだ。
実はマシューもアイリにとっては攻略対象の一人ではあったが、どんなに美しい男であっても王太子に勝るわけがない。
チャイムが鳴り教授が入室してきても、アイリは上の空だった。
(全員攻略が理想だけど、やはり優先順位はつけなくてはね。
それにしても、あの白銀の君と悪役令嬢がね……。)
自然と緩んできてしまう口元を抑えつつ、退屈な授業を真面目に受けるふりを続けていた。
放課後、アイリはルヴァリには目もくれずに、研究棟の前でマリーを待ち伏せしていた。
ハモンド家の長男、カイルは妹のマリーを溺愛している。
必ず、一緒に帰る約束をしていると確信していたのだ。
案の定、マリーが研究棟に向かって歩いてきた。
昼休みにプリムラにメイクとヘアアレンジをしてもらったマリーは、いつもよりも輝いてみえる。
「マリー、久しぶりね! 話があるからこっちでおしゃべりしない?」
自分が知っているマリーとは違うように感じたアイリは、優し気な言葉とは裏腹に少し苛立ちながらマリーを呼び止める。
「アイリ……。
私、お兄様との約束があるから……。
ごめんなさいね。」
マリーが研究棟の呼び鈴でカイルを呼び出そうとすると、アイリが大きな声を出した。
「ひどいわ、マリー!
プリムラ様と仲良くなったからって、幼馴染の私とはもう付き合えないの?
プリムラ様がそうしろっていったのねっ!?」
「そ、そんな……プリムラ様はそんなことおっしゃらないわ!
大きな声を出さないで、一緒に行くから……!」
「そう? それなら良かった。あちらで話しましょう?」
このままではプリムラに迷惑が掛かってしまうと思ったマリーは、アイリに言われるがまま、後ろをついていく。
しばらく歩き、連れていかれたのは人通りのない校舎の裏側。
雑草がうっそうと生い茂り、貴族学園とは思えないほどの不気味さすらも感じる場所だった。
「リーリウムなら、マシュー・ローレンスの研究室にいるよ。」
リーリウムと別れて教室に戻ったルヴァリは、後ろからふいに声をかけられ、ありのままを返答する。
「え、あの“白銀の君”と二人きりなのですか?
ヘンリクス殿下という素敵な婚約者がいるというのに、あの“白銀の君”にも色目を使うなんて……。」
その返答に違和感を覚え振り返ると、声の主はアイリだった。
ルヴァリの顔を見るなり、にっこりと笑顔を見せる。
「ルヴァリ殿下!」
トムに声をかけられルヴァリはハッと我に返り、教室の自分の定位置に着席すると、午前中と同じように令嬢たちに囲まれるようにガードされる。
アイリはその様子を見ると、ルヴァリをそれ以上深追いしようとは思わなかった。
“リーリウムがマシューと浮気をしている”
そんなおいしいネタを仕入れられたのだから、やはり狙いはヘンリクスに絞るべきだと考えていたのだ。
実はマシューもアイリにとっては攻略対象の一人ではあったが、どんなに美しい男であっても王太子に勝るわけがない。
チャイムが鳴り教授が入室してきても、アイリは上の空だった。
(全員攻略が理想だけど、やはり優先順位はつけなくてはね。
それにしても、あの白銀の君と悪役令嬢がね……。)
自然と緩んできてしまう口元を抑えつつ、退屈な授業を真面目に受けるふりを続けていた。
放課後、アイリはルヴァリには目もくれずに、研究棟の前でマリーを待ち伏せしていた。
ハモンド家の長男、カイルは妹のマリーを溺愛している。
必ず、一緒に帰る約束をしていると確信していたのだ。
案の定、マリーが研究棟に向かって歩いてきた。
昼休みにプリムラにメイクとヘアアレンジをしてもらったマリーは、いつもよりも輝いてみえる。
「マリー、久しぶりね! 話があるからこっちでおしゃべりしない?」
自分が知っているマリーとは違うように感じたアイリは、優し気な言葉とは裏腹に少し苛立ちながらマリーを呼び止める。
「アイリ……。
私、お兄様との約束があるから……。
ごめんなさいね。」
マリーが研究棟の呼び鈴でカイルを呼び出そうとすると、アイリが大きな声を出した。
「ひどいわ、マリー!
プリムラ様と仲良くなったからって、幼馴染の私とはもう付き合えないの?
プリムラ様がそうしろっていったのねっ!?」
「そ、そんな……プリムラ様はそんなことおっしゃらないわ!
大きな声を出さないで、一緒に行くから……!」
「そう? それなら良かった。あちらで話しましょう?」
このままではプリムラに迷惑が掛かってしまうと思ったマリーは、アイリに言われるがまま、後ろをついていく。
しばらく歩き、連れていかれたのは人通りのない校舎の裏側。
雑草がうっそうと生い茂り、貴族学園とは思えないほどの不気味さすらも感じる場所だった。
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