偽物の天才魔女は優しくて意地悪な本物の天才魔法使いに翻弄される

プリオネ

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おまけ②

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(うう…1人でやりたい。だって、ハヤトに教わると──────)




オリビアは、今日も宿舎裏の広場で空を飛ぶ練習をしている。授業で上手くいかない所があったからだ。先生に尋ねると、夕方5時までなら地面にバリアが張られているから、万が一ホウキから落ちても大丈夫という事だった。
 
彼女の飛ぶ高さに合わせて隣で浮いているのは、恋人であるハヤトだ。1人で練習したいから断ったのに、勝手についてきた。ハヤトに口を出されると、イライラしてしまう。

そもそも授業で上手くいかなかったとは言え、オリビアの飛行レベルは学年でもトップクラスである。それが、天才のハヤトがそばにいるせいで、自分が劣っているように感じてしまう。上を目指すオリビアにとって、ハヤトはライバルであり、目標だった。だから、オリビアは彼に何か言われる事を嫌う。

もっとも、ライバル視しているのはオリビアだけだ。ハヤトはオリビアには到底届かないレベルにいるのだが、オリビアはそれに気付いていながらも、プライドが邪魔をし、素直に教えを請う事が出来ずにいる。

周りがようやく飛行試験の5級を取得した所に、4級の試験を一足先にパスしたというのに、すぐにもう1つ上のレベルに挑戦するべく1人奮闘するオリビアに、ハヤトが声をかけた。

「オリビア、風を読むんだよ。方角を意識するんだ」

「教えなくていいの!」

ハヤトの言葉に苛立ちを覚えるオリビア。しかし、真面目な彼女はついハヤトの教え通りにやろうとする。

集中する為に目を閉じてみると、風の音が聞こえてくる。何度かやってみたのち、流れに逆らわずにある時フッと力を抜くと、今まで飛べなかった高さまで上がる事が出来た。レベル別に合わせて校舎に貼ってある3級用の目印に、初めて届いた。

「やった…」

声が出る。思わずハヤトを振り返ると、彼は優しく微笑んで頷いた。

「ハヤト!出来たわよ!!」

「おめでとう。これでまた級が上がるね」

「見て!見て!ハヤト!」

オリビアは何度も3級コースを行ったり来たりしている。先程までの不機嫌な表情が嘘のように無邪気に喜ぶオリビアを、ハヤトも笑顔で見守る。

ひとしきり飛び回った後、オリビアは地上に降りて、息を整えながら笑顔を浮かべた。ハヤトがゆっくりと近付いてくる。

「オリビア、凄いね。君は飲み込みが本当に早い」

「ありがとう。ハヤトの教え方が上手なのよ」

「先生は、『見て盗め!』っていう感じだしね」

2人でクスクスと笑い合う。オリビアは、自分が上手くいった時にだけは、ハヤトに素直に笑顔を見せる。

「……でもさ、すでに君はかなり早いペースで級をあげているだろう。焦らずにもっとゆっくり上達すればいいんじゃないのかな?」

「だって、あなた、もう1級取っているでしょう」

「まあ、そうだけど」

ハヤトは、既に大人でもなかなか取れない1級の試験に合格している。飛び抜けた才能を持つハヤトがおかしいのだが、オリビアは闘志を燃やさずにはいられない。

「私も早く1級を取りたいの」

「…相変わらず負けず嫌いだね」

「私は、あなたに勝つためなら努力を惜しまないわ」

「そうか。じゃあ、頑張ってもらおう」

ハヤトはニヤリとし、突然オリビアの背後に回り込んで彼女を抱きしめた。

「な、なに…」

「早く、してよ」

オリビアはぎくりとし、はぐらかす。

「な、なんの事かしら。もう帰りましょうよ。疲れたわ」

「僕のおかげで、上手くいったでしょ。授業料、ちょうだい」

「い、いい、いや、ちゃんとお礼は言ったわ」

「ダメ。足りない」

ハヤトは、離れようとするオリビアを引き寄せ、耳元で囁く。

「ねぇオリビア、早く僕の胸につけてよ………キスマーク」

「や、やだ!何言ってるの!」

オリビアは顔を赤くして首を振った。

(だから、来ないでって言ったのに!!)

これが最大の理由だった。これだからハヤトに教わるのは嫌なんだと、後悔する。確かに教え方は上手いし、分かりやすい。怒りもせず、口うるさい訳でもない。ただし終わった後に必ずこうなるのだ。しかも一度受け入れてしまうと、ハヤトの要求はエスカレートする。毎回、恥ずかしくてたまらない。

「オリビア、お願いだよ。君の印が欲しいんだ」

「この間もそうやって言ってどんどん面倒な事になったじゃない!」

前回は、魔法薬調合の課題中に横からアドバイスを出された。おかげで成功するも、その日の夜はなかなか眠らせて貰えなかった。

「ほら、こことかどう?胸の下辺り。この位置だと誰にも見られないよ。2、3個でいいから」

こういう時、要求するとしても1つが定石なのに、ハヤトは遠慮というものを知らない。

「絶対いや!ここ、外だし!」

「じゃあ、誰にも見られなければいいって事だね」

そう言ってハヤトは懐から杖を取り出し、呪文を唱える。2人の周囲にバリアが張られた。

「これで、誰も見ないよ」

「ちょ、ちょっと待って!」

「待たない。さ、早く」

ハヤトが両手を広げて急かすが、オリビアは後ずさる。

「無理よ」

「大丈夫。ここには僕らしかいないよ」

「やだ、恥ずかしい」

「でも、僕に教わったから難関コースクリア出来たんじゃないか」

「そうだけど…私は断ったもの」

「そうだね。でも、このペースで練習しないと、いつまで経っても1級は取れないよ。いいの?僕に追いつけなくて」

わざと意地悪に急かすハヤトに、泣きそうになる。

「うぅ……さっきは焦るなって言ってたのに………」

「わかった、じゃあ妥協しよう」

「えっ?」

腕をぐいっと引っぱられ、そのまま首筋にキスを落とされる。

「僕がつける」

「え!待ってってば!!」

「服で隠せない場所につけてやる」

「やだ!やめて!!」

慌てて抵抗するが、ハヤトに押さえつけられてしまう。

「わがままな子にはこうだよ」

たしなめながらそのまま吸い付こうとする。ハヤトは考える時間を与えてくれない。

「わ、分かった!ハヤト、ストップ!!」

オリビアが大声で叫ぶと、ハヤトはようやく動きを止めた。ギュッと目を閉じて、観念する。

「す……するから、許して」

「何を?」

「き、キスマーク……」

(いちいち言わせる…)

「いいの?やった」

嬉しそうに、オリビアの首筋から離れた。オリビアは目を逸らして渋々頷く。

「じゃあ、胸にして」

ハヤトは見るからに心が踊っている。

「はぁ…分かった」

「オリビアが脱がせてね」

口の端を吊り上げて、自分のシャツを指差す。

「~~~~~~~~っ」

オリビアが睨みながら、ハヤトの制服のボタンをはずしていくと、シャツの間から、たくましい身体が露わになった。

(学校の敷地でこんな事させるなんて…ありえないっ)

心の中で文句をぶつける。オリビアは意を決して、その胸に口をつけた。キスマークなんてあまりつけた事がないから、加減が分からない。ハヤトに優しく抱きしめられ、頭を撫でられる。

少し強く吸ってみると、ハヤトが声を出した。

「あっ、オリビア…っ」

「ちょっと!!やめてよ!!わざとでしょそれ!!」

オリビアは慌てて口を離し、真っ赤になって怒鳴った。

「ごめん、気持ち良くてつい」

ハヤトはニヤニヤが止まらない。

「もうやりません」

「あ、そうかい。じゃあ、さっきの続きするから良いよ」

「……………お、覚えてなさい……」

オリビアは涙目で、もう一度ハヤトの胸に狙いを定める。

「うん、一生覚えておくよ。だから早く」

「……ハヤトのバカっ」

オリビアは顔を真っ赤にして、ハヤトの胸に吸い付いた。

「んっ……」

ハヤトの声を聞いて、オリビアはゾクッと震えた。そのまま強く吸ってみたが、離れても痕は見えなかった。

「あれ?つかないな」

「もっと強く吸ってみて」

頭を撫でながら再挑戦を促される。

「こ、こうかしら……」

言われるままにやってみる。が、やはり痕はつかない。
あれ?あれ?と言いながら、オリビアは何度もハヤトの胸を吸い上げる。

ちゅっ、ちゅっと音が響く。

ハヤトはオリビアを抱きしめ、わざとらしいあえぎ声を漏らし始めた。

「あっ、オリビア……なんて積極的なんだ……すごくいいよ……っ」

我慢出来ずに、オリビアの体をまさぐる。

「やめて!ハヤト、動かないで!」

「無理だって……そんな事されたら、ああっ」

「いいからじっとしてよ!」

オリビアは必死に、ハヤトの胸に唇をつける。しかし、いくらやっても何も無い。
オリビアは不思議に思い、一旦ハヤトから離れてみた。

(…あれ?)

ある事に気づく。
自分たちを周囲から隠すバリアだけでなく、ハヤト自身の体の周りも、ほんのり青色に光っている。この光の色は………。

「…………ねえ、何これ」

「あ、しまった」

「……これ、バリアよね…全身防御魔法の……!!」

オリビアはワナワナと震えている。ハヤトは、こっそり自分に防御魔法をかけて、わざとキスマークがつかないようにしておいたのだった。オリビアに何度も自分の胸を吸わせるために。

「あなたって人はぁ………!!」

「ごめんね、だって君にたくさんキスして欲しかったんだよ」

「もう信じらんない!帰るっ!!」

オリビアは怒って帰ろうとするが、素早く先回るハヤトにすぐに捕まった。

「ダメだよ。こんな状態で僕を置いていく気?」

乱れた服装をオリビアに見せつける。

「あなたが悪いんでしょ!この変態!!」

「ひどいよ。一生懸命教えたのに」

ハヤトはオリビアを後ろから抱き締め、服越しに胸に手を這わせた。

「こら!触らない!いい加減にして!!」

「でも、まだ痕付いてないよ」

「自業自得でしょ!?私…恥ずかしいけど頑張ったのに!!」

「謝るから。バリアも消したよ。お願い」

「しつこいなぁっ!!」

オリビアはイライラと振り返り、ハヤトの首に手を回し、背伸びをした。顎のすぐ下に、強く吸い付く。

「……はい、付いた。ふん。見える所に付けてあげたわ」

オリビアは得意げに言う。

「ありがとう…オリビア。幸せだよ」

ハヤトは愛おしそうに、自分の首をさすった。

「あっそう。マフラーでも使って隠しなさい」

「でも、1つじゃ足りないよ。もっとして欲しいな。今度はとびきり強いやつ」

「え?無理!充分でしょ!」

「嫌だ。付けてくれないなら、やっぱり僕も付ける」

「!?話がちがっ…」

再び力強く引き寄せられる。もう周囲の目くらまし魔法も消えそうになっているというのに、いくら断ってもハヤトはやめようとしない。

「だからっ、人目につくのが嫌なんだってば!」

「見せつけようよ」

すぐに調子に乗るハヤトに、オリビアの堪忍袋の緒が切れた。次の瞬間、バチンと音が鳴った。

「いっ……………」

肝心な時にバリアは間に合わない。ハヤトは頬を押さえた。オリビアは彼に熱い平手打ちを喰らわせた。

「…はい。どうぞ、とびきり強いやつ。良かったわね、あなたの大好きな痕もしっかりついたわ」

彼の頬には、赤い手形が残っている。

「オリビア……これはちょっと強すぎるよ……」

痛そうに顔をゆがめるが、ほんのわずかに笑っている。

「あなたが悪いのよ。反省してね」

オリビアはそう言って宿舎に戻った。ハヤトからは金輪際、アドバイスは貰わないようにしようと固く誓う。自力で、地道に頑張るのみだ。

(ごめんね、ハヤト。でも、これで少しは落ち着くかしら)

「う……ごめんね。もうズルしないから」

ハヤトは申し訳なさそうに声を掛けたが、次はバレないようにやろう、と思うだけであった。









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