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[才能の乱用編]
19話 猛攻に抗えず(※)
しおりを挟む「さて、到着」
ハヤトの部屋まで連れてこられた。宿舎3階の、1番奥の物置を改装したような部屋だ。転校してきた時はもう部屋に空きが無かったのか、高等部の生徒が使う新館ではなく、その隣にある古い方の建物だった。
部屋には、ベッドと古ぼけた机の他に、片側一面の本棚があるのみだった。その他には、もう何も置けないほどこぢんまりとしている。オリビア含めた他の生徒の部屋とかなり差がある。オリビアは朦朧としながらも、少しだけハヤトを気の毒に思った。
「ちょっと狭いけど、気に入ってるんだよ。1人で静かに過ごすにはもってこいの部屋だろう?」
オリビアはベッドに寝かされる。すぐに起き上がろうとするが、思うように動けない。
「オリビア、可愛いね」
ハヤトはベッドに腰掛けた。オリビアに覆い被さりながら彼女の頬に手を添えると、そのまま唇を重ねる。
「!!」
オリビアは目を大きく見開いたまま固まっている。ハヤトはオリビアを抱きしめて、さらに深く口づけた。
「いつもいつも、僕を追いかけてくるくせに…。僕が追いかけたら、逃げるんだね…」
「違っ…待って……!!」
──嘘でしょう。なんでこんなことに……。薬のせいか頭が回らない…私、告白OKしたんだっけ?
「んーっ」
──どうしよう。どうしよう。
突然、ハヤトの舌が入ってくる。
「!!!!」
オリビアはぬるりとした感触にパニックに陥った。突き飛ばしてやりたいが、手があがらない。わずかな希望を持って力を込めると、その手首をがしりと掴まれる。ハヤトは彼女の抵抗の意志を確認すると、口を離しニヤリと笑った。
「ん?僕から逃げられないの?天才魔女さん」
「くっ……」
───悔しい…でも、ダメだ。気が遠くなってきた………
今寝たら、絶対に、まずい。でも、意識が時々飛ぶ。少しずつ仲良くなろうという考えはないのか?オリビアは苛立つも為す術なく、近付いてくる彼の唇を受け入れる事しか出来なかった。
「んんっ……」
「はぁ…オリビアの黒髪、好きだな…」
ハヤトに頭を撫でられる。優しく、何度も髪をすかれていく。寝かしつけるようにゆっくりと触れるハヤトの大きな手。その心地良さに、オリビアはとうとう気を失ってしまった。
***
「う…ん」
オリビアは未だ眠りの中にいた。
意識の向こうでちゅっ、ちゅっ、と音が聞こえる。何の音だろう。
少しずつ意識を取り戻していく。体も何か触られているような感じだ。なんだか気持ちいい。時々、どこかに強い刺激を感じる。
「はぁっ……」
オリビアは吐息を漏らした。が、まだ何が起きているのか把握出来ていない。
──あれ?私なんで寝てるんだっけ。もう夜なんだっけ…お風呂入ったっけ……ご飯食べたっけ…勉強は…えっと……そうだ!確かハヤトに変な薬飲まされて……それで……
「!!」
オリビアが慌てて起きると、また強い刺激に襲われた。
「あっ!」
ベッドの上でビクッと体を震わせた。そこでぱっちりと目が開き、我に返る。自分の置かれている状況を確認しようとした。具合は先程より良くなっている。
「おはよう、オリビア。20分しか経ってないよ?まだ寝てていいのに」
ハヤトの顔が目の前にある。ハヤトは挨拶するなり、オリビアの口を塞いだ。
「んぅ……っ!」
オリビアはようやく気付いた。ブラウスの前ボタンが全て外され、下着の中に手を入れられ、胸を揉まれていた。
(えっ!?)
オリビアは抵抗するが、力が入らない。ハヤトの手が動く度に、体が反応してしまう。
「あっ…ん、な、何してるのっ!!」
「ん、堪能」
ハヤトはオリビアの胸に顔を埋めた。ペロっと舐めると、オリビアは「ひゃぁっ!」と体をわずかに反らせた。その反動で、ぷっくりと膨らんだ先端がより強調される。ハヤトはオリビアの反応を見て楽しむように笑い、今度は口に含んで吸い上げる。
「んっ……!やめてよっ!……っ!……ぁっ!」
オリビアは必死に抵抗するが、ハヤトになんなく押さえつけられる。漏れてしまう声が恥ずかしくて、顔を赤くさせて睨みつけた。
「怒ってる…可愛い。僕には敵わないよ」
暴れようとすればする程、ハヤトの顔は明るくなる。しばらく好き勝手に舐められた後、彼はようやく顔を上げた。その隙に、オリビアは解毒剤を懇願する。この先に行かれたら本当にまずい。
「ねぇ……お願い………解毒剤、飲ませて…」
「………ああ、そうだったね。ごめんね」
少しも悪く思ってない様子だが、ハヤトはオリビアの体から降りた。
──あ、危なかった…!いや、もうアウトだけど!
願いを聞き入れて貰えた事に安堵する。ぐったりと寝そべったままのオリビアの横で、ハヤトは渋々と魔法薬が並んだ棚を漁った。
「この辺にあったはず。無抵抗のオリビアを前にして、もったいない気もするけど…今日はこれで我慢するよ」
そう言って、小瓶を取り出す。
「あったあった。これ、飲んでね。力が戻るよ」
薬をベッド脇のテーブルに1度置き、オリビアの体を起こしてから口元に当てた。オリビアは再びハヤトを思い切り睨んだ後、こくんと飲み干した。もう何も口にしたくないが、信じるしか無かった。
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