ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

宇宙会食⑦の２９ー８ 高原直弼ドレストーン国王

　―同時刻・ドレストーン王国―

　長高が、気絶して鉄英が間一髪で助かったのと同じ頃、ある国では、恐怖の政治が行われていたのである。


　？「ははは、俺は神の末裔だぜ！お前らは、俺にただ従うだけでいい！俺はなんたって神の末裔なのだからな！！」


　堂々と城の外の王座に座る彼の名前は【高原たかはら直弼なおすけ】といい、ドレストーンの国王になっている人物である。元々は【ドルド・ネス・カシワバラ３世】が国王だったのだが、柏原かしわばら一族から王位を奪い、直弼が新しい国王となったようだ。


　高直「まあ、俺が王になれば、世界は変わるんだ！！革命だってあるかもよ！？楽しいぜ、王位につける人生とかさぁっ！！」


　さらに直弼は、意味深な発言をする。


　高直「１０００年も柏原家が王位についていて、何が変わった！？本当の王者は俺！！他に誰が務まるんだ！？」


　王として君臨した直弼だが、彼の血筋には秘密があった。彼はあの皇別摂家とされる【学文路坂徳勝】の男系男子の子孫であり、途中で『アラドシティ』の『高原家』とも関わりのある、親戚筋の高原家に先祖の一人が婿養子に入り、高原姓となったのである。


　高直「ハハハハハハ！面白れぇっ！！だよなあ！？竜太郎りゅうたろう大臣！？」


　？「は、はい！国王様！！」


　高直「大臣、もしヘマをこいたらお前も粛清対象だからな？分かっとるな？」


　？「勿論、気をつけます！」


　直弼は、側にいた大臣の【浜田京はまだきょう竜太郎】に対し、脅しと圧力をかけ、竜太郎も逆らえないからか、汗をたらしながら、気をつけることを決意したのであった。しかし、ほぼ脅しと変わりないのである。


　高直「さあ！俺が王位を受け継いだ今、このドレストーンは変わる！！ついてこい、俺によぉ！！」


　
　観衆「オォーーーーっ！！」


　観衆からの歓声に、不気味な笑顔で手を振る直弼。すると、竜太郎は呟いた。


　浜竜「（国王様・・・あの【ショコランシェ皇帝】の血を引く、尊大・・なる御方。）」


　竜太郎が呟いた直後、彼は突然意識を失い、倒れたのだ。


　高直「バカ野郎、大臣！俺を侮辱したら死ぬってことを忘れていたのか。『尊大・・』を『偉大・・』と同じ意味だと勘違いしたのか、分かってて言ったかは知らんがな。」


　直弼は、竜太郎の遺体を睨みつけ、指をぱちんと鳴らしたのである。


　部下「はっ！国王様！」


　高直「医療班長、大臣を運べ。それと、俺の能力を使えるように、アレ・・を用意しとけ！！」


　部下「はっ！！」


　彼は、医療班長に対し、ある対策のためか『アレ』を用意するよう伝えたが、そのアレ・・とは何なのか・・・？