ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
上 下
654 / 762
第17章・ステラガーデン死刑台編

the meeting

しおりを挟む
 その頃、何も知らない上之郷はライコウから離れると弟の神明と合流したのである。


 「さあ綴・・・いよいよ会議だ・・・」


 そしてライコウも会議室に入る。


 「いよいよだ・・・」


 参加者全員が席に座るのを確認すると岩本が開会宣言をした。


 「この度はこの会議のためにお集まりいただきありがとうございます!!今回はエネルギータンク構想の件でお話をしたいと思います。皆様、よろしくお願いします!」


 「・・・」


 「よろしくお願いします!」


 ライコウは辺りを見渡して呟いた。


 「(誰が誰かはよく分からないけど・・・大物たちが集まっている・・・)」


 寿明はまだライコウの姿を見つけていないが同じく辺りを見渡していたのだ。


 「(・・・とんでもねえ顔ぶれだ。裏社会のボスクラスどころかさらに上の連中・・・・までいるじゃないか・・・まあ予想はしていたがこれは・・・)」


 寿明は参加者の名前・経歴・活躍を確認できていたので顔をしかめながら会議に臨んだのであった。


 「(トシさん・・・何を企んでいるのだろうか?)」


 ライコウは寿明の様子を見て警戒心こそ抱いてはいたが心の隅では思うことがあるのか険しい表情ではなかったのだ。



 一方、天井に隠れる正と光の兄弟は由宇馬の様子やエネルギータンク関係者の顔を気にしていたのであった。


 「(光・・・もし誰かが岩本の目の前にエネルギータンク資料を置いたら照明を能力で消すからお前はルアーの能力でその資料を釣るんだ。)」


 「(OK、釣りなら任せてくれ!!)」


 正の目が光る。すると正の人差し指から糸が出てきたのである。そして出てきた糸のさきにはフックのようなものが現れたのである。


 「(これで釣るぞ。俺のルアーの長さは自由だから下まで垂らすことが出来るぞ!!)」


 そして会議室入り口の警備はいつのまにか周夫と恭子の二人が任されていたのである。


 「とりあえず・・・お前は会議室の中の声を聞き取れ。俺は何かトシさん達の身に何かあればすぐに突入する!!」


 「ええ・・・」


 恭子は目を瞑ると驚異の集中力で中の声を聞き取る。


 「(恭子はどんな小さな声も逃さない聴力使いの能力者リミッター・・・おかげでスパイ活動を助けてもらってる・・・)」


 周夫は恭子に強い信頼を寄せていたのだ。

 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

ワイルド・ソルジャー

アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。 世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。 主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。 旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。 ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。 世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。 他の小説サイトにも投稿しています。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

身体交換

廣瀬純一
SF
男と女の身体を交換する話

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

処理中です...