ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

生き残りと始末

　六十谷は顔が険しくなるライコウに向けて言う。


　「ほぉ・・・彼らは君の親戚か何かか？」


　「違うっ！！その人たちは・・・むぐっ！？」


　するとライコウの口を六十谷は右掌で強く押さえたのである。


　「ああ・・・分かっているさ。調べきったことだからな。言わなくても良い。だが・・・君が何かをしでかした暁には君の命も捧げてもらうことになるのだ。」


　「・・・！？」


　六十谷が右掌を離すとライコウは顔を赤くしながら六十谷に問い詰める。


　「もしかして・・・あなた達は俺の命を狙っていたのか！？」


　「ああ、生き残りを残すわけにはいかないからね・・・しかし君という男が部下になってくれたのだからもう良いがな・・・だが石原さん達を裏切る真似をしたらその時は・・・」


　「・・・！？」


　その時、便所の個室で洋式の便座に座りながら二人の会話を聞いていた人物がいたのである。彼は周参見野軍艦家の３６男・【周参見野すさみの竜一りゅういち】であった。彼は話をメモに記すと二人の様子を引き続きうかがった。


　「(何を企んでいる・・・！？六十谷っ！！)」



　一方、ヒカルドは津部国達にある話をしたのである。


　「やあ、敦美君達。僕の話を少し聞かせよう。トライギアやライスギアに見える僕らの家系を含む【東あずま氏】はあのアラドシティでバカを犯した高原竜造の子の子の一人が“東”を名乗ってから始まったんだよ。周参見野の家の３６男坊はうちの親父の妹のガキんちょだそうな。」


　「周参見野竜一のことか・・・彼は脅威だからな。」


　「でも状況次第で彼は使える。とにかく東の一族がこの世界を制し、目にも入れたくない屈辱を消し去ることも大切な使命なのだ！！」


　「やるねえ・・・！！」


　するとヒカルドのアジト内にある声が聞こえてきたのである。


　「ハハハハ・・・久しぶりですねえ。ヒカルドさ～ん。」


　「誰だ！？」


　ヒカルドは驚き後ろを振り向くとそこにいたのは【金田かねだ玉造たまぞう】であった。


　「誰だ・・・って忘れられたら寂しいですねえ～。僕ですよ、玉造っす！！」


　「玉造か・・・久しぶりだな！！」


　なんと噂の玉造がヒカルドの元にやって来たのであった。