ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

死刑執行へ①

　この日、警備は強化されていて保安官８００人、防衛隊員２０００人、戦闘員１８０人、幹部１５人、そしてそれを率いるのがステラ・グリーンウッドフィールドなのである。またこの警備のリーダーにはダニエラではなく、参謀の黒石慎太郎が選ばれたのである。


　「(ククク・・・これから大事な宴だっ！！大量殺戮もいけるぜ！！)」


　尚、ここにいる保安官や防衛隊員らはWウイユによって操られている人々であり、本来なら逮捕されるのはグリーンウッドフィールド側のはずである(この日の前に犯罪があきらかになっているため)。


　「これくらい防衛を強めたらさすがにだれも侵略できないだろう。・・・ハハハハハ！！」


　グリーンウッドフィールドは自身のことすら気にしなくてもいい力を得たのである。


　一方、ヒナ達は死刑台の下で保安官に従い順番に並ぶのであった。ヒナの後ろに並ぶ５００人以上もの人々・・・彼らはヒナの後に死刑執行される者達である。


　「(私が死んだ後にあの人達も殺される・・・どうにか防ぐことは出来ないのかな・・・)」


　自分の命より他の人々のことを心配するヒナであったが列の真ん中辺りにいた人物を見て彼女の目は大きくなったのである。


　「(あれ・・・誰か知っているような気がする・・・)」


　目についた男性はフードを被っていたため顔は見えないが、あきらかに見たことあるような体格であった。しかも彼は死刑囚の中で怯えたり震えたりする様子もなく堂々としていたのだ。


　「(怖くないのかしら？他の人たちはみんな怖がっているのに・・・)」


　ヒナは堂々とする彼に疑問を感じていたが男性はヒナの方を向くと顔は見えないがくちもとはニコッとしたのである。


　「(なんか安心感が・・・出てきた。)」


　ヒナの心から恐怖心がなくなっていったのである。そしてヒナはある確信をしたのであった。


　「(必ず奇跡は起きる！！)」


　一方、顔をサングラスとマスクで隠している怪しい男性がガーデンの地面の何らかの確認をしていたのである。恐らくグリーンウッドフィールドの部下であることは確実だが、それに関わらず近くにいた保安官達に一切挨拶をせずそそくさと立ち去っていったのである。


　「？」


　グリーンウッドフィールドはビルからその男性の様子を見て不思議そうな顔をしていた。


　「彼は誰だろうか。別に顔を隠してまで点検する必要はないのにな・・・」


　「ムフフフ・・・あれですよグリーンウッドフィールド様。絶対成功のために正体を隠してまで徹底チェックしてくださっているのですよ。」


　「もし・・・顔が分かれば成功の暁には大いなる褒美をとらせたい！！どうだねライコウ君？」


　「ええ・・・勿論ですとも。」


　二人は覆面の人物の様子を見て笑みを浮かべていたが・・・