ヒナの国造り

第１７章・ステラガーデン死刑台編

ついにその日①

　これは異世界を旅する少女の物語である。


　氷を操り、攻撃や防御が出来る『氷の壁アイス・ブロック』の能力を持つ猫屋敷ねこやしき日奈凛ひなりん！！！


　描いた未来を具現化させることが出来、さらに『芸術の武器アート・アタッカー』という武器に追加属性の絵を描くことで能力を武器に宿らせることが出来る『創造芸術クリエイティブアーティスト』の能力を持つ高直たかじき竜太りゅうた！！！


　特殊なハサミで空間を切り取り、異空間の入口を作ることが出来る『空間開通オープンスペース』の能力を持つ松浦まつうら豪たけし！！！


　気でボールを作り、特殊な変化で相手を攻撃することが出来る上にバットで不規則な変化をする打球を飛ばすことが出来る『七色の変化球レインボー・ボーラー』の能力を持つ道岸みちぎし輝きらら！！！


　そしてバラエティー豊富な特殊能力リミット・アビリティや不思議な現象・環境がいっぱいの不思議な世界でヒナがたくさんの人々と出会い、成長していくストーリー・・・


　・・・のはずだが、ヒナは捕らえられてしまい本日１０月１０日に死刑執行の危機を迎えていた。


　「(ついに・・・今日がその日・・・もし万が一のために遺言でも遺さないといけないかもしれないわ・・・)」


　ヒナは完全に絶望的な気持ちになっていたのである。すると死刑執行される予定の他の死刑囚である男性が声をかけてきたのである。


　「君・・・絶望的な気持ちになっているん？」


　「え・・・ええ・・・」


　「もし絶望的な気持ちやったら・・・そんな気持ち捨てちまえよ！！まだ人生にはチャンスというものがあるんじゃ！！希望は捨てたらアカン！！ぐわぁーーっはっはっはっはっ！！！わしはまだ死なねえわいっ！！！」


　「は・・・はい・・・！！」


　ヒナは目に涙を浮かべながら希望を見据えた目に変わったのである。


　「お嬢ちゃん！！わしは・・・嵌められたんじゃ！！でも嵌められるということは悪いことやから逆にいいこともあるんじゃい！！だからわしは死なねえ！！勝てるチャンスはあるんじゃい・・・ぐわぁーーっはっはっはっはっ！！！」


　「ぐわーっ・・・ははは！」


　「おっ・・・面白い子じゃなあ。わしは比企縞ひきしま秋武あきたけじゃ！！今日は終わりの日じゃねえ・・・伝説を築く１ページを開くのじゃあ！！ぐわぁーーっはっはっはっはっ！！！」


　秋武の力強い言葉にヒナは勇気付けられていた。しかし死刑執行の時間は徐々に迫る。これから恐らくこの世界の歴史に刻む１日にとなる可能性を示す出来事になるだろう。最期の日をヒナは回避できるか！？