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第16章・ステラガーデン編
ヒナの未来④
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松浦とベアトリクスの前に現れたのは明らかに面識のない人物であった。なぜか背広を着ていた。
「お前誰だ?知らない顔だが俺らを狙いに来たのか?」
「貴様らが知らなくても私は知っている。私は帯前寛一と言う。よろしくな。」
「よろしく?お前は敵じゃないのか?」
「あ・・・そういう風に見えたか?しまった・・・悪い印象を与えすぎたな。」
突然後悔するかのような表情を見せた帯前に松浦達はとまどっていた。
「・・・あんたは?」
「私はあれだ・・・今回はここにいる皆と同伴できないが、ヨトカナ周辺でグリーンウッドフィールドの関係者を摘発している者だ。皆のことは周参見野君を通じて聞いている。そこのお嬢さんは誰かは存じ上げないが・・・」
「私はベアトリクス・カーミラといいます。帯前さん、これからもよろしくお願いします!!」
帯前に対してベアトリクスは頭を下げたのである。帯前はあまりにも礼儀正しいベアトリクスに感激したようである。
「いい子だな・・・うちの娘とは大違いだ。」
「既婚者・・・なのか・・・」
「松浦くん、君の活躍は聞いている。サトキ君から話を聞いている。」
「あんた・・・サトッちゃんと知り合いか?」
「ああ、私も元々サトキ君と同じ郷里で近所だったからだ。」
どうやら帯前はサトキの知り合いでもあるようだ。松浦はサトキが自分の知らない人脈を築き上げていたのは知っていたので驚くことはなかったが。
「サトッちゃんとあんたがな・・・人脈が広いってすげえや。」
「私自身はもっと広いがな、ガハハハハ!!」
豪快に笑う帯前であった。すると帯前は真剣な表情をして松浦に質問をしたのである。
「松浦くん、聞きたいことがあるのだが・・・あの話は本当か?」
「あの話?」
「君達はアラドシティに訪問したことがあるだろう?あの街が本当は箱舟だって話を・・・」
「私は行ってないので分かりません・・・ごめんなさい。」
「ん?どういうことだ?俺はそんなこと知らないぞ・・・行ったことはあるがそんな情報は得ていない。」
「そうか!?それは仕方ないな。あの街は元々“ボックス・ターミナル”の異名を持つ街で箱舟がちょうどアラドマウンテンの近くに流れついたから“アラドシティ”となったんだ!!」
「・・・まさかそれがアラドシティの別名の由来か!!しかしそれとグリーンウッドフィールドとなんの繋がりが・・・?」
「実は以前の洪水と連日の雨はやつの関係者の仕業だったのだ!!幸い君達が食い止めてくれたがもしあのままだと一部のグリーンウッドフィールドの仲間だけがアラドシティに避難をして、人類は全滅させられていたかもしれないのだ!!」
「!?」
松浦は驚いた。まさかあの洪水にそんな意味があるとは・・・と思ったようだ。そもそもあの時ヒナや松浦達が動かなければ大変な事態を招いていたのは確実であり、人類が大半は滅んでいたのである。
「お前誰だ?知らない顔だが俺らを狙いに来たのか?」
「貴様らが知らなくても私は知っている。私は帯前寛一と言う。よろしくな。」
「よろしく?お前は敵じゃないのか?」
「あ・・・そういう風に見えたか?しまった・・・悪い印象を与えすぎたな。」
突然後悔するかのような表情を見せた帯前に松浦達はとまどっていた。
「・・・あんたは?」
「私はあれだ・・・今回はここにいる皆と同伴できないが、ヨトカナ周辺でグリーンウッドフィールドの関係者を摘発している者だ。皆のことは周参見野君を通じて聞いている。そこのお嬢さんは誰かは存じ上げないが・・・」
「私はベアトリクス・カーミラといいます。帯前さん、これからもよろしくお願いします!!」
帯前に対してベアトリクスは頭を下げたのである。帯前はあまりにも礼儀正しいベアトリクスに感激したようである。
「いい子だな・・・うちの娘とは大違いだ。」
「既婚者・・・なのか・・・」
「松浦くん、君の活躍は聞いている。サトキ君から話を聞いている。」
「あんた・・・サトッちゃんと知り合いか?」
「ああ、私も元々サトキ君と同じ郷里で近所だったからだ。」
どうやら帯前はサトキの知り合いでもあるようだ。松浦はサトキが自分の知らない人脈を築き上げていたのは知っていたので驚くことはなかったが。
「サトッちゃんとあんたがな・・・人脈が広いってすげえや。」
「私自身はもっと広いがな、ガハハハハ!!」
豪快に笑う帯前であった。すると帯前は真剣な表情をして松浦に質問をしたのである。
「松浦くん、聞きたいことがあるのだが・・・あの話は本当か?」
「あの話?」
「君達はアラドシティに訪問したことがあるだろう?あの街が本当は箱舟だって話を・・・」
「私は行ってないので分かりません・・・ごめんなさい。」
「ん?どういうことだ?俺はそんなこと知らないぞ・・・行ったことはあるがそんな情報は得ていない。」
「そうか!?それは仕方ないな。あの街は元々“ボックス・ターミナル”の異名を持つ街で箱舟がちょうどアラドマウンテンの近くに流れついたから“アラドシティ”となったんだ!!」
「・・・まさかそれがアラドシティの別名の由来か!!しかしそれとグリーンウッドフィールドとなんの繋がりが・・・?」
「実は以前の洪水と連日の雨はやつの関係者の仕業だったのだ!!幸い君達が食い止めてくれたがもしあのままだと一部のグリーンウッドフィールドの仲間だけがアラドシティに避難をして、人類は全滅させられていたかもしれないのだ!!」
「!?」
松浦は驚いた。まさかあの洪水にそんな意味があるとは・・・と思ったようだ。そもそもあの時ヒナや松浦達が動かなければ大変な事態を招いていたのは確実であり、人類が大半は滅んでいたのである。
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