ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

キララのサポート①

　一方、竜太達だがあるホテルに別々に部屋で宿泊していたのである。


　「ああ……まさか元敵組織の子に救われるとは……と言ってもアディーマで話をした時は悪い子とは思っていなかったけど……」


　竜太は笑顔でそう呟くと部屋の扉をノックする音が聞こえたのである。


　“トン、トン！”


　「ん？誰だろうか？」


　竜太は部屋の扉を開けるとそこにはキララがいたのである。キララは敵の時とは違い、明るい表情且つ爽やかな雰囲気であった。何よりも前と違い、心に余裕があるようであった。


　「えへへ……こんばんは。久しぶりです！」


　「ああ、こんばんは。元気にしていたんかい？」


　「ええ……あれからちょっと親族のいる和歌山の方に行ったり地元の大阪に戻ったりしていました。」


　「俺の知らない世界だな。じゃあ机のとこで座って話をしようか。」


　竜太はキララを部屋に入れるとゆっくり話をしたのである。


　「しかしすまんな。このホテルといい、飛行機の手配といい色々サポートしてもらって……ありがたいを通り越して申し訳ない。」


　「いえいえ、何をおっしゃいますか！！私達はあなた達のお陰で救われましたから……だからこれからも皆様のために力になりたいです！！」


　目を輝かせて両手でガッツポーズのような手をするキララに対し、竜太はある物を渡したのである。


　「これは……？」


　「これは以前、リテンで購入した“命のバッジ”という物だ。これを装着していれば少しのトラブルを回避することが出来る。」


　「そんな大切なものを……！？あ、ありがとうございます！！」


　「それとそのバッジに俺の指紋を付けてあるから何かあればこの名刺も渡すから連絡してくれ。」


　「本当に……ありがとうございます。」


　「お安いご用だよ。」


　仲良くなった二人であったがある人物が部屋に訪問してきたのである。


　“トン、トン！”


　「あ、もしかして……おじさん！？」


　「ああ、叔父おじだよ！！」


　キララが扉を開けるとキララの父親と同級生のような雰囲気の男性がいたのである。


　「この人、私の叔父さん。」


　「はじめまして、私は“ファミリー公園前こうえんまえ菊三朗きくざぶろう”だよ。」


　「え……！？」


　竜太は少し顔が半笑いとなった。無理はない……確かに名字が独特すぎるからだ。


　「…………ファミリー公園前！？ワハハハハハ！！駅の……駅の名前……ワハハハハハ……みたいっ！！」


　「竜太さん、笑いす……」


　しかし叔父はキララが注意することを止めたのである。竜太はまだ笑いが止まらずにいた。