ヒナの国造り

第１６章・ステラガーデン編

シャボン玉使い

　その頃、ベアトリクスと小伊霊の戦いは佳境に入ろうとしていたのである。


　「さあ休憩は終わりだよ！！」


　「ふぅ……それならいよいよ使いましょうか。能力を……」


　「何よ、あんた能力あるの？」


　「あったら何が悪いのよ？」


　するとベアトリクスは前に手を伸ばして掌を開くとシャボン玉がたくさん現れたのである。


　「私はシャボン玉使いよ！！シャボン玉は破裂もするし、相手を中に封じ込めることも出来る……それに私もシャボン玉の中に入って突進したり出来るし、強烈な技も防げるのよ！！」


　「なめてかかると痛い目に遭わすわよ！！」


　「遭わしてみなさいよ！！」


　ベアトリクスはシャボン玉を掌で巨大化させるとそれを小伊霊に投げつけてシャボン玉内に閉じ込めたのである。


　「く……出れないし少し息苦しい……」


　「あ、言い忘れたけど私が掌を握るとシャボン玉を握ったり、私が指で銃を撃つ仕草をすればシャボン玉の中に弾丸みたいなものが飛んでくるからね……」


　「！？」


　説明直後にベアトリクスは掌を何か掴んだかのように強く握りしめるとシャボン玉が握られているかのように内部を圧迫し、小伊霊は苦しそうな表情を見せていた。


　「ぐあああああああっ！！」


　潰されそうになる小伊霊に対してベアトリクスは王女とは思えない目付きをしては掌で“デコピン”の仕草をしたのであった。するとシャボン玉内の小伊霊は何かに弾かれたかのような衝撃を受けたのであった。


　「ぐっ！！」


　「私の高級技の“泡風船世界シャボンワールド”……シャボン玉に包んだ人間に何でも出来る究極クラスの反則技よ。」


　確かにここまでこれば反則である。しかしベアトリクスは意外と勝つためならば非情な一面を見せるのであった。


　「私は未来に帰りたいの……そのための旅をあなた達に妨害されたくないわ！！」


　「グッ……」


　ベアトリクスは“パチン”と指をならすと風船は破裂パンクし、最後のガチタイマン勝負に持ってきたのである。


　「せっかくずっと痛ぶればよかったのに……」


　ベアトリクスはそう言うと剣を取り出して小伊霊と戦うのであった。


　「さあ！！行くわよ！！」


　「気合いだけはいいわね……でもあの方よりも弱いわね……」


　「あの方！？」


　小伊霊が存在をちらつかせたかあの方とは一体何者だろうか。しかしベアトリクスは自分の能力をあまり高評価しておらず、他の能力に憧れているのだと言う。