ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
上 下
523 / 762
第16章・ステラガーデン編

ベアトリクスVS小伊霊①

しおりを挟む
 ベアトリクスは剣を握るとどう見ても皇帝の一族には見えない剣士のような立派な構えを見せたのである。


 「私は小さい頃から剣術を学んでいたのよ。だから舐めてかからないでほしいの……強いわよ……」


 するとベアトリクスは小伊霊に斬りかかったのである。その動きは素早いが小伊霊も剣でベアトリクスの斬撃を防いだのである。


 「私……あんたなんかに負けないわ…………!!私達に歯向かう逆賊分子ども覚悟しろ!!」


 小伊霊もなかなか良い動きを見せて剣で交える。


 「(あの女……どこかで見たことあるなあ……)」


 竜太は小伊霊の姿をどこかで見たことがあるようで小伊霊をずっと睨み付けていたのである。


 「あんた……皇帝ってどんな存在か知っているの?」


 「皇帝……それはこの国の象徴よ……そう聞いているわ……!!」


 小伊霊はベアトリクスに質問をして彼女は回答したのだが……小伊霊の顔は険しくなっていたのである。そしてさらに強く剣で斬りつけるとベアトリクスは剣で攻撃を防ぐも吹き飛んでしまったのである。


 「いたっ……!!」


 「あんた……バカ!?皇帝は神なのよ!!神っ!!国の象徴とかどころじゃないわよっ!!あの連中に何を洗脳されたの!?そんな知識の無さでよく落裔を名乗れたわね!!むしろ落裔を名乗る資格はないわっ!!」


 しかしこれを聞いていた竜太は怒り心頭であった。


 「人には価値観があるだろっ!!何さっきから自分の価値観を押し付けているんだ!!ええ加減にせえや!!」


 いまだ誰かは思い出せないが竜太は小伊霊に対してどんどん怒りを見せてきたのであった。


 「戦ってもいないあんたが何で口を出してくるの!!あなたこそいい加減にしなさいっ!!」


 小伊霊が竜太に反論をしているとベアトリクスは起き上がり、再び剣を構えたのである。


 「小伊霊さん……?まだ終わってないわよ……私はまだ戦えるわよ……!!!」


 「あら……しぶとい王女様ね……」


 もう倒したものだと思っていた小伊霊はベアトリクスのしぶとさに驚いたのであった。


 「あなたには負けたくない……あなたのような人に負けてたまるかって……ねっ!!」


 ベアトリクスは小伊霊に対して強い敵視を露にしたのである。



 …………一方である山中にてある女性が山賊に周りを囲まれて逃げられずにいたのである。女性は息が乱れ全身に怪我を負っていたのである。


 「はあ……はあ……」


 「おい、女ぁ!!俺等に歯向かおうとはいい度胸しているなあ……」


 「私は……何もしてませ……ん……はあ……」


 山賊の長らしき人物が女性の体に持っていたこん棒をつつきながら不適な笑みを浮かべていた。


 「まあ……もうこれでお前を捕らえることが出来る……」


 「お前達の非道さ……許すことは出来ぬ……」


 「誰だっ!!?」


 山賊の長が振り向くと仲間以外誰もいなかったがスパッと閃光が走ると女性を囲んでいた山賊は皆、倒れたのである。


 「ギャアアアーーっ!!」


 「な……なんだ……!?」


 「女性を大の山賊達で苦しめて恥を知らぬようだな……覚悟せよ!!」


 「久允尹くいんい様……!!どうします……?」


 「俺一人でやる!!」



 …………再びベアトリクスと小伊霊との戦いに戻る。しぶとさを見せるベアトリクスを睨み付けた小伊霊はついに能力を発動しようとしていたのである。


 「あんたに今から能力を見せてやるわ。久々だわ……私に能力を発動させようとするは……」


 「!?」


 小伊霊の目は余裕を無くし、ベアトリクスに対して異常な怒りを露にしたのである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【BIO DEFENSE】 ~終わった世界に作られる都市~

こばん
SF
世界は唐突に終わりを告げる。それはある日突然現れて、平和な日常を過ごす人々に襲い掛かった。それは醜悪な様相に異臭を放ちながら、かつての日常に我が物顔で居座った。 人から人に感染し、感染した人はまだ感染していない人に襲い掛かり、恐るべき加速度で被害は広がって行く。 それに対抗する術は、今は無い。 平和な日常があっという間に非日常の世界に変わり、残った人々は集い、四国でいくつかの都市を形成して反攻の糸口と感染のルーツを探る。 しかしそれに対してか感染者も進化して困難な状況に拍車をかけてくる。 さらにそんな状態のなかでも、権益を求め人の足元をすくうため画策する者、理性をなくし欲望のままに動く者、この状況を利用すらして己の利益のみを求めて動く者らが牙をむき出しにしていきパニックは混迷を極める。 普通の高校生であったカナタもパニックに巻き込まれ、都市の一つに避難した。その都市の守備隊に仲間達と共に入り、第十一番隊として活動していく。様々な人と出会い、別れを繰り返しながら、感染者や都市外の略奪者などと戦い、都市同士の思惑に巻き込まれたりしながら日々を過ごしていた。 そして、やがて一つの真実に辿り着く。 それは大きな選択を迫られるものだった。 bio defence ※物語に出て来るすべての人名及び地名などの固有名詞はすべてフィクションです。作者の頭の中だけに存在するものであり、特定の人物や場所に対して何らかの意味合いを持たせたものではありません。

AIRGRINDERS1DISTORTION エアグラインダー1時空を揺るがす者

森本純輝
SF
「古代の時空バイクが機械生命体に変身し、疾走する」 そんなアクションシーンを兼ねた一大SF小説が今、幕を開ける………! ―地球の命運を左右する古代遺産は、実在する― そんな伝説を信じる、メカニックを志す学生、英城来季はいつもの下校の帰り道に通う知り合いのガレージで一大発明品を開発するべく、機械をいじくり回す日々を送っていた。 ある日、何気なく触れた一つの部品に謎の傷がついているのを発見する。 誰がいじったとも想定がつかないこの部品を機に、彼はあるマシンを作るヒントを得る。 そこから、彼のメカニックとしての道が始まったことを喜ぶのも束の間、突如として起こった世界的大事件の一環に巻き込まれ、彼は逃亡を余儀なくされる。 その果てに出会ったのは、巨大な機械型種族だった。 「"エンドライト"が解き放たれた」 彼らが言うその謎の物体こそは、来季が今まで信じてきた遺産の一部分だった。 同時に、世界各国の主要都市を攻撃し始めた"光"が人々を混乱に陥れる。 それは、機械型種族にインプットされたある「巨大な戦い」がこの地球で再来する前触れに過ぎなかった………! カドカワブックスに出版申請予定の、ハイスピードアクションSF小説、本日より公開。 ※付記 各チャプターは12000文字代です。それに到達するまでチャプター更新後も加筆する可能性があります。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

母の中で私の価値はゼロのまま、家の恥にしかならないと養子に出され、それを鵜呑みにした父に縁を切られたおかげで幸せになれました

珠宮さくら
恋愛
伯爵家に生まれたケイトリン・オールドリッチ。跡継ぎの兄と母に似ている妹。その2人が何をしても母は怒ることをしなかった。 なのに母に似ていないという理由で、ケイトリンは理不尽な目にあい続けていた。そんな日々に嫌気がさしたケイトリンは、兄妹を超えるために頑張るようになっていくのだが……。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

処理中です...