ヒナの国造り

市川 雄一郎

文字の大きさ
上 下
512 / 762
第16章・ステラガーデン編

カッファンの実力

しおりを挟む
 再びヌイとカッファンの場面に戻る。食事を済ませた後、廊下を歩いていると突然二人のもとにある男性が現れたのである。男性はヘッドホンらしきものを装着し、服はヒップホップダンサーのような服装であった。


 「おい。入口前まで来い。」


 「突然なんだよ。」


 そして入口前までやって来ると男性は突然戦いを挑んできたのである。


 「おい……俺と戦え……!!俺の名は『ミュージ・メロディー』だ。通称は“上空1万メートルまで響かせるヒップホップの鬼”だぜ!?」


 「(ださ……)」


 「あ?何か俺のことと思っているな?」


 「ああ……」


 するとミュージはピキッと顔に怒りマークを出したのである。


 「てめえ……俺をバカにしやがって……俺のヒップホップをバカにするやつは人生のリズムを狂わせるのみだっ!!」


 ミュージは超スピードでカッファンの元にやって来ると速いスピードで蹴りを食らわしたのである。


 「う……!!中々良い蹴りだっ!!」


 「そうか……俺はスピーディーに身体を動かすことが出来る“駿足使い”なのさっ!!」


 「ほぉ……それなら俺の能力を見せようじゃないか!!」


 「!?」


 その瞬間、ミュージはカッファンの右手先から右腕の間接までが燃えたぎっているのを見たのである。右だけじゃなく左の方も燃えていたのである。


 「煮えたぎる炎……良いねえ!!」


 「だろう?俺は“業火使い”の男だ。何気に熱いぜ!!」


 「(何気に……?普通に熱いのではないだろうか……)」


 何気に熱いという言葉に心の中で突っ込むヌイであったがそれをよそにミュージはニヤリとしていたのであった。


 「“スピード・ダンシング”!!」


 するとカッファンから離れていたヌイの元に駿足で移動し、ヌイに回し蹴りを食らわした。


 「ぐ……!?」


 「避けられない速さ!!それがヒップホップなバトルスタイル!!」


 「とんでもないスタイルであろう……では私からもゆくぞ……“舞雪スノウ協奏曲コンチェルト”っ!!」


 するとヌイが剣を構えると風が吹き、ミュージに対して雪が舞うかのように剣で斬りかかったのである。


 「あぶねっ!!」


 ミュージは見事回避したのであった……が、彼の目の前にはカッファンがいたのである。


 「さて……ミュージ君とやら。いよいよヒップホップライブは終わりだよ。さっさと上空一万メートルの世界で……ライブをしてきなさい……!!」


 「あ……やめて……」


 「“コチュジャン”っ!!」


 カッファンは燃える両手で連続パンチをミュージに食らわした。


 「ぐふぉ…………」


 「さあ…………1万メートル上空まで飛んでいくが良い……!!“ヘジャンクク”っっ!!」


 カッファンが渾身の燃えたぎるパンチをミュージに食らわすと彼は何処かへ飛んでいったのである。


 「飛んでいきまーすっっっ!!」


 “キランッ”


 ミュージは飛んでいき、カッファンとヌイは安堵した表情を見せたのであった。


 「さて、また風呂に入るか……寒いし……」


 「私はもうよろしいが……」


 カッファンとヌイは目的を達成できるだろうか?二人はとりあえず一泊したのであった。


 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

DEADNIGHT

CrazyLight Novels
SF
総合 850 PV 達成!ありがとうございます! Season 2 Ground 執筆中 全章執筆終了次第順次公開予定 1396年、5歳の主人公は村で「自由のために戦う」という言葉を耳にする。当時は意味を理解できなかった、16年後、その言葉の重みを知ることになる。 21歳で帝国軍事組織CTIQAに入隊した主人公は、すぐさまDeadNight(DN)という反乱組織との戦いに巻き込まれた。戦場で自身がDN支配地域の出身だと知り、衝撃を受けた。激しい戦闘の中で意識を失った主人公は、目覚めると2063年の未来世界にいた。 そこで主人公は、CTIQAが敗北し、新たな組織CREWが立ち上がったことを知る。DNはさらに強大化しており、CREWの隊長は主人公に協力を求めた。主人公は躊躇しながらも同意し、10年間新しい戦闘技術を学ぶ。 2073年、第21回DVC戦争が勃発。主人公は過去の経験と新しい技術を駆使して戦い、敵陣に単身で乗り込み、敵軍大将軍の代理者を倒した。この勝利により、両軍に退避命令が出された。主人公がCREW本部の総括官に呼び出され、主人公は自分の役割や、この終わりなき戦いの行方について考えを巡らせながら、総括官室へ向かう。それがはじまりだった。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

AI執事、今日もやらかす ~ポンコツだけど憎めない人工知能との奇妙な共同生活~

鷹栖 透
SF
AI執事アルフレッドは完璧なプレゼン資料を用意するが、主人公の花子は資料を捨て、自らの言葉でプレゼンに挑む。完璧を求めるAIと、不完全さの中にこそ真の創造性を見出す人間の対比を通して、人間の可能性とAIとの関係性を問う感動の物語。崖っぷちのデザイナー花子と、人間を理解しようと奮闘するAI執事アルフレッドの成長は、あなたに温かい涙と、未来への希望をもたらすだろう。

シーフードミックス

黒はんぺん
SF
ある日あたしはロブスターそっくりの宇宙人と出会いました。出会ったその日にハンバーガーショップで話し込んでしまいました。 以前からあたしに憑依する何者かがいたけれど、それは宇宙人さんとは無関係らしい。でも、その何者かさんはあたしに警告するために、とうとうあたしの内宇宙に乗り込んできたの。 ちょっとびっくりだけど、あたしの内宇宙には天の川銀河やアンドロメダ銀河があります。よかったら見物してってね。 内なる宇宙にもあたしの住むご町内にも、未知の生命体があふれてる。遭遇の日々ですね。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...