ヒナの国造り

市川 雄一郎

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第15章・古座川町編

ナポリタンの一人旅

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 ヒナとヒロが会話している頃、ナポリタンは旅に出たのであった。場所はサーガエリア内であったという。


 「なんだか平和な街だな……」


 平和なのは構わないがこれでは何もすることがないなと思うナポリタンであった。するとある人にポスターを渡されたのである。


 「ふむふむ……“車内で親族が殺されたので情報提供をよろしくお願いします”か……俺の能力で見つけられるかな?」


 ナポリタンは右手の人差し指から電磁波を放ち、車から発する波動を感じて現場へと向かうのであった。


 「この車か……」


 再び電磁波を今度は右目から発すると犯人の波動らしきものを捉えたのである。その頃、エリア内には怪しい男性がうろついていたのである。


 「さてさて……“悪政あくせい3強さんきょう”の方々に実力を報告せねばならぬぞ。」


 どうやら車内に残された犯人の波動が彼から出る波動と同じである。するとナポリタンが後ろから男性を羽交い締めしたのであった。


 「貴様が殺人犯か!?車の中の残された波動から貴様の波動が確認された!!」


 「くそっ!!バレたか!!」


 捕らえて近くにいた警察官と見られる男性を呼び出すと捕まえて貰ったのである。


 「こちらサーガエリアの者です。殺人犯らしき人物を拘束しました!!」


 警察官が内線で報告しているとナポリタンは男性に質問をしたのである。手錠が犯人にはめられた為、ナポリタンは羽交い締めをやめた。


 「貴様、名前は?」


 「俺は『ピアチェンツァ』だ……“悪政3強”に仕える一人だ。」


 「あの“悪政3強”か!?とんでもない輩だな!!貴様はその仲間か!?何のために罪のない人を殺害したのだ!?」


 「人を平気で殺せないと部下になれないからとしただけ。」


 「貴様っ!!」


 さすがにナポリタンは激怒したがピアチェンツァは本当に殺しの後悔とかは無いのか反省の姿勢すら微塵も感じられなかったのである。


 「貴様、誰に会おうとしていた!?」


 「そ……それは……」



 場面は変わり、サーガエリアの別の場所にて。


 「あのやろう、悪政3強のことをあまり詳しく話しやがらなかった。」


 ナポリタンは怒りを露にしながら歩いているとある人物から電話がかかってきたのである。


 「もしもし……」


 『やあ君!!』


 「です!!お久しぶりです!!きこりさん!!」


 電話の相手は『介石かいせききこり』であり、ナポリタンと同じ組織に所属していたこともある。共に前線で活躍し、樵は『ゴーファー』でナポリタンは『ゾファー』のコードネームを名乗っていたことがある。懐かしいのか電話は少し長く昔話に花を咲かせていたようである。
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