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第15章・古座川町編
「冒険の夢をここで終わらせないようにしてやらないと」
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電話を済ませて安心した尚徳に息長が優しく語りかけた。
「猫屋敷さん……あの子が養女であるのは承知の上で質問します。あの子の為に猫屋敷さんは物凄く動かれていますがその原動力とは何でしょうか?あの子の冒険への協力や前の特別措置といい私にはそこまで出来ません……」
「息長さんもやはりそう思われていましたか。はい……それはあの子が楽しく生きれるための僕なりの考えです。これまで辛い思いをして生きてきた彼女は冒険をすることが小さいときから好きだったから……その冒険で何かに巻き込まれないように少しでも力を貸してあげたいのです。」
「ほお……」
「あの子は色々な場所へと訪れるのが好きな子でそれが夢に見た冒険の旅です。そんなあの子の冒険の夢をここで終わらせないようにしてやらないと……それが“父の使命”です。」
「猫屋敷さん…………」
「これくらいしてあげないと親失格です。」
「……!!」
尚徳の言葉に息長は心を打たれたのであった。その後二人は一旦古座川町内の廃校へと訪れ、校庭にあったベンチで会話をしたのであった。
「あの子の行方の情報は?」
「まだ入りませんね……」
尚徳は携帯型のマップのアイテムと携帯電話を持ちながら連絡を待つことにしたのである。その時、二人は気付かないが校舎の陰に先程の男性が居たのであった。
「もしもし……俺だ……黒岡だ……」
古座川ではフードを被っており、正体は分からなかったがどうやらあの黒岡であった。何を企んでいるかは分からないがある人物を嵌めたのは確定であった。
「1人は完全にケリをつけた。ついでにもう1人ケリをつける予定だ。また連絡する。」
黒岡は電話を切るとそのまま二人に気付かれないようにスッと去っていったのである。
「ん?誰か校舎の近くに……?」
「誰もいませんよ?」
「変ですね。おかしいなあ……」
二人は黒岡がいたことに気付かなかったのである。だが黒岡が狙うのは尚徳と息長では無いことは大体明白である。
「多分私たちを狙うスパイじゃないでしょうね。」
「狙うなら近くに隠れていますよ。拳銃を所持して……」
その頃、松原市の警察官である瀬戸はヒナの捜査を必死に続けていたのである。すると内線から連絡があったようだ。
「もしもし、瀬戸です。」
『セト君、今はどうだ?何らかの進展はあったか?』
「ありましたよ。それは……」
瀬戸は何らかの情報を仕入れていたようである。勿論ヒナに繋がるものかどうかはまだ分からないのだ。
一方の尚徳達は古座駅に再び戻ってきたのである。もしかすれば電車でここに戻るのではと考えていたからだ。だが一時間、二時間と待てどもヒナどころか同じ年齢の子すら見かけなかったのである。
「猫屋敷さん……あの子が養女であるのは承知の上で質問します。あの子の為に猫屋敷さんは物凄く動かれていますがその原動力とは何でしょうか?あの子の冒険への協力や前の特別措置といい私にはそこまで出来ません……」
「息長さんもやはりそう思われていましたか。はい……それはあの子が楽しく生きれるための僕なりの考えです。これまで辛い思いをして生きてきた彼女は冒険をすることが小さいときから好きだったから……その冒険で何かに巻き込まれないように少しでも力を貸してあげたいのです。」
「ほお……」
「あの子は色々な場所へと訪れるのが好きな子でそれが夢に見た冒険の旅です。そんなあの子の冒険の夢をここで終わらせないようにしてやらないと……それが“父の使命”です。」
「猫屋敷さん…………」
「これくらいしてあげないと親失格です。」
「……!!」
尚徳の言葉に息長は心を打たれたのであった。その後二人は一旦古座川町内の廃校へと訪れ、校庭にあったベンチで会話をしたのであった。
「あの子の行方の情報は?」
「まだ入りませんね……」
尚徳は携帯型のマップのアイテムと携帯電話を持ちながら連絡を待つことにしたのである。その時、二人は気付かないが校舎の陰に先程の男性が居たのであった。
「もしもし……俺だ……黒岡だ……」
古座川ではフードを被っており、正体は分からなかったがどうやらあの黒岡であった。何を企んでいるかは分からないがある人物を嵌めたのは確定であった。
「1人は完全にケリをつけた。ついでにもう1人ケリをつける予定だ。また連絡する。」
黒岡は電話を切るとそのまま二人に気付かれないようにスッと去っていったのである。
「ん?誰か校舎の近くに……?」
「誰もいませんよ?」
「変ですね。おかしいなあ……」
二人は黒岡がいたことに気付かなかったのである。だが黒岡が狙うのは尚徳と息長では無いことは大体明白である。
「多分私たちを狙うスパイじゃないでしょうね。」
「狙うなら近くに隠れていますよ。拳銃を所持して……」
その頃、松原市の警察官である瀬戸はヒナの捜査を必死に続けていたのである。すると内線から連絡があったようだ。
「もしもし、瀬戸です。」
『セト君、今はどうだ?何らかの進展はあったか?』
「ありましたよ。それは……」
瀬戸は何らかの情報を仕入れていたようである。勿論ヒナに繋がるものかどうかはまだ分からないのだ。
一方の尚徳達は古座駅に再び戻ってきたのである。もしかすれば電車でここに戻るのではと考えていたからだ。だが一時間、二時間と待てどもヒナどころか同じ年齢の子すら見かけなかったのである。
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