394 / 762
第14章・日常へ戻る時
禁断の再会
しおりを挟む
雪の降るサッキーノで血まみれになり横たわる日輪(ボノ)。
「くそ……他の連中を隣のペイビー村等に食材の買い出しに行かせたのが失敗だった……一人ではこれだ……」
日輪を厳しい目で睨み付けるのがサッキーノの住民会会長の姫野コハクであった。元に戻った姫野は日輪に問いかけた。
「雪を降らせて何をするつもりだ?」
雪はまだやまない。そんな中で何を企んで雪を降らせたのか目的を知りたかったからだ。
「気分次第だ……」
「貴様っ!!」
適当な回答をする日輪に姫野は激怒した。すると姫野の背後からある声がしたのである。
「おっさん……俺が代わりに相手してやるよ……!!」
姫野が振り向くと若い男が居たのである。男は蹴りを食らわそうとするも姫野はすぐにガードしたため怪我はなかった。
「やるやん……」
「お前もなかなかの不意打ちだな……」
不意打ちを食らわした男は殺意を身に纏っていた。その男を見た日輪は笑みを浮かべた。
「お……『宿毛(すくも)』じゃないか……ここに何のようで……?」
「一応『霧島』から連絡を頂いてちょうど近隣にいたから何かあった時のあなたの護衛を任されて……あともうじきしたら『指宿』も援護に来るそうで。」
この男はコードネーム『宿毛』といい、本名は『ユーリ』という。少し太りぎみだが新聞屋のようなバイクに乗ってやって来たようだ。
「助かった……恩に着る。」
「どういたしまして……」
すると宿毛の背後に禍々しいオーラを放ち、剣を持つ男がいた。
「あら、後ろから禍々しいオーラを出す人がいるかと思えば西住吉さんですか。」
「貴様……久しぶりだな……」
そのオーラを出していたのは自分のオーラを自由自在に変形させて武器などを作る『変形の気(メタモル・オーラ)』の能力者の西住吉和也(にしすみよし・かずや)であった。彼はたまたま通りかかった所、偶然因縁の敵だったという宿毛と再会したという。
「西住吉……お前はずいぶん雰囲気が変わったな。」
「宿毛と言ったか……お前こそな。なかなかの悪人になられたようで……」
「何だと?貴様、自分も悪人の癖に善人ぶりやがって……!!」
「ああ、俺は確かに悪人だったし罪は消えねえ。ましてや育ての親を殺した連中は許せねえよ。だがな……憎しみを抱えて生きることが少し違うことをある人物との戦いから学んだ……」
「!?」
「俺はその戦いで関係ない人間にまで傷を負わせてしまった。それが今も良かったとは思えなくてましてやその人物は一人の男として戦ってくれた。それが嬉しかった……」
「ほざけ……」
「貴様は自分の愚かな部分を誤魔化そうと強がって弱者を攻撃している。その男性にダメージを与えれたか?出来てないだろう。それが貴様の本当のレベルと言うものだ……!!」
「く…………!!」
その時和也の脳裏に三つの言葉が響く……
『ワシは二人が可愛いんじゃよ!』
『“事件が起きたのは誰かのせいだ”とか言う野郎と変わらない。“事件を人のせいにするのと他の人の方が悪いという発想は違うようで似ている”からな……』
『分かった。必ずまた決着をつけよう……!!』
「トライギアの俺達の憎き仇とは戦えなかったが旅を通じて俺や雅也は成長した……」
「何だと?」
「俺らには俺らのことを思ってくれる人たちがいる。だから頑張れる!!」
「何言ってんだこいつ?」
宿毛には和也の思いは理解できなかった。それだけ経験の違いがあるからであろう。
「くそ……他の連中を隣のペイビー村等に食材の買い出しに行かせたのが失敗だった……一人ではこれだ……」
日輪を厳しい目で睨み付けるのがサッキーノの住民会会長の姫野コハクであった。元に戻った姫野は日輪に問いかけた。
「雪を降らせて何をするつもりだ?」
雪はまだやまない。そんな中で何を企んで雪を降らせたのか目的を知りたかったからだ。
「気分次第だ……」
「貴様っ!!」
適当な回答をする日輪に姫野は激怒した。すると姫野の背後からある声がしたのである。
「おっさん……俺が代わりに相手してやるよ……!!」
姫野が振り向くと若い男が居たのである。男は蹴りを食らわそうとするも姫野はすぐにガードしたため怪我はなかった。
「やるやん……」
「お前もなかなかの不意打ちだな……」
不意打ちを食らわした男は殺意を身に纏っていた。その男を見た日輪は笑みを浮かべた。
「お……『宿毛(すくも)』じゃないか……ここに何のようで……?」
「一応『霧島』から連絡を頂いてちょうど近隣にいたから何かあった時のあなたの護衛を任されて……あともうじきしたら『指宿』も援護に来るそうで。」
この男はコードネーム『宿毛』といい、本名は『ユーリ』という。少し太りぎみだが新聞屋のようなバイクに乗ってやって来たようだ。
「助かった……恩に着る。」
「どういたしまして……」
すると宿毛の背後に禍々しいオーラを放ち、剣を持つ男がいた。
「あら、後ろから禍々しいオーラを出す人がいるかと思えば西住吉さんですか。」
「貴様……久しぶりだな……」
そのオーラを出していたのは自分のオーラを自由自在に変形させて武器などを作る『変形の気(メタモル・オーラ)』の能力者の西住吉和也(にしすみよし・かずや)であった。彼はたまたま通りかかった所、偶然因縁の敵だったという宿毛と再会したという。
「西住吉……お前はずいぶん雰囲気が変わったな。」
「宿毛と言ったか……お前こそな。なかなかの悪人になられたようで……」
「何だと?貴様、自分も悪人の癖に善人ぶりやがって……!!」
「ああ、俺は確かに悪人だったし罪は消えねえ。ましてや育ての親を殺した連中は許せねえよ。だがな……憎しみを抱えて生きることが少し違うことをある人物との戦いから学んだ……」
「!?」
「俺はその戦いで関係ない人間にまで傷を負わせてしまった。それが今も良かったとは思えなくてましてやその人物は一人の男として戦ってくれた。それが嬉しかった……」
「ほざけ……」
「貴様は自分の愚かな部分を誤魔化そうと強がって弱者を攻撃している。その男性にダメージを与えれたか?出来てないだろう。それが貴様の本当のレベルと言うものだ……!!」
「く…………!!」
その時和也の脳裏に三つの言葉が響く……
『ワシは二人が可愛いんじゃよ!』
『“事件が起きたのは誰かのせいだ”とか言う野郎と変わらない。“事件を人のせいにするのと他の人の方が悪いという発想は違うようで似ている”からな……』
『分かった。必ずまた決着をつけよう……!!』
「トライギアの俺達の憎き仇とは戦えなかったが旅を通じて俺や雅也は成長した……」
「何だと?」
「俺らには俺らのことを思ってくれる人たちがいる。だから頑張れる!!」
「何言ってんだこいつ?」
宿毛には和也の思いは理解できなかった。それだけ経験の違いがあるからであろう。
0
お気に入りに追加
117
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ワイルド・ソルジャー
アサシン工房
SF
時は199X年。世界各地で戦争が行われ、終戦を迎えようとしていた。
世界は荒廃し、辺りは無法者で溢れかえっていた。
主人公のマティアス・マッカーサーは、かつては裕福な家庭で育ったが、戦争に巻き込まれて両親と弟を失い、その後傭兵となって生きてきた。
旅の途中、人間離れした強さを持つ大柄な軍人ハンニバル・クルーガーにスカウトされ、マティアスは軍人として活動することになる。
ハンニバルと共に任務をこなしていくうちに、冷徹で利己主義だったマティアスは利害を超えた友情を覚えていく。
世紀末の荒廃したアメリカを舞台にしたバトルファンタジー。
他の小説サイトにも投稿しています。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる