ヒナの国造り

第１４章・日常へ戻る時

新しき敵？『飛鳥』という男

すると初雁は新聞を読んでいたサングラスにファー帽を被った男性を呼んだのである。

「おい、新人。あいさつはしたか！？」

すると男性はめんどくさそうな表情を見せて立ち上がったのである。そして連れらしき人物と一緒に自己紹介をはじめた。

「はじめまして、新しく参加させてもらうことになりました『飛鳥(あすか)』と申します。ウィンガタウンの出身で本名は『俊策(しゅんさく)』です。よろしくお願いします。」

「はじめまして、僕は『白浜(しらはま)』と申します。本名は『理心(りしん)』です。よろしくお願いします。」

すると初雁はある発言をしたのであった。

「ときに飛鳥よ……お前は特殊能力があるそうだな……」

「はい。自分の能力は目の前にナビのスクリーンを表示させて目的地を探せる能力です。長年の使用からか目的地に到着率はもはや１００％に近いです。そして標的が何処にいようがナビアローで相手を捜索して攻撃する能力があります。ただこれは相手が建物内にいたり、その場から少しでも動けば無効になります。能力名は『道案内(ナビゲーション)』ですかね。」

「ほぉ……戦闘面ではあれだが任務の時には役に立つな。」

「ええ……それだけではなく戦闘でも困らんように鍛えてありますから。アクロバットとかは得意です。」

「それなら……大丈夫だな。」

「はい、自分と幼馴染みの理心と共にこれからもよろしくお願いします！！」

「こちらこそよろしく……」

だが初雁はある疑問を抱いていたようであった。

「(この飛鳥という男……どこかで見たことあるような……ウィンガタウン出身というのも気になるな……)」

“プルルルル……”

「あ、弟からです。」

すると飛鳥の携帯電話に着信が入る。飛鳥はすぐにそれを対応したのである。

「もしもし、お前か。お疲れさんだな。道の上の酒場の人に止められた？そんな店があるんだな……そっちはどうだ？アディーマに着いたか。んじゃ、気を付けてな……こっちは大丈夫だから。」

“プッ”

初雁は飛鳥に質問をした。

「お前弟がいたのか……」

「はい、います。しっかりしたやつです。」

「そうか…………」

少し初雁が飛鳥に対して不信感を抱いているように感じられる。ただ飛鳥はそのような不信感を気にしてはいなかったのである。

「大丈夫ですよ。自分に任せてください。」

新入り・飛鳥は自信満々な表情で初雁にやる気を訴えたのであった。初雁は不信感を無くしたのか再び不敵な笑みを浮かべていた。